こんにちは、山口むつおです。
突然ですが、みなさんは「ヤフオク!」は使っていますか?
言わずと知れたネットオークション界でもっともポピュラーな存在だと言えるでしょう。かく言う僕もわりと頻繁に利用しています。
オークションでは思ってもみない珍品を格安で手に入れられるチャンスがゴロゴロ転がってるわけですが、さらにディープなオークションというものが存在します。
それが、国や自治体がやっている「Yahoo!官公庁オークション」というものです。
ちょっと前に人気バンドの「黒夢(くろゆめ)」の商標権が売り出されてる事で話題になっていましたが、みなさんご存知でしょうか。これが出品されていたのがYahoo!官公庁オークションです。
Yahoo!官公庁オークションとは?

ヤフオク!は個人が好きなものを出品しているものですが、官公庁オークションはお役所が出品してるオークションです。参加自体はYahoo! JAPANのアカウントを持っていれば参加できます。
出品一覧を見ていると、ヤフオク!とそれほど変わらないように見えますが……。

「公有財産」「公売」というアイコンがある事に気付きます。
これには明確に違いがあります。
「公有財産」は、国や市町村などが所有している財産を出品してるものです。
一方、「公売」というのは税金滞納者から役所が差し押さえたものを売却することです。
役所が差し押さえたもの!!!!
それがわかったうえで、次の商品を見てみると……。




背景にある、のっぴきならない事情を察しざるを得ません。
このような商品の裏に潜むストーリーに思いを馳せるのも、官公庁オークションの醍醐味のひとつです。

また、通常のオークションとの大きな違いとして、「参加申込期間」というものが存在します。
そのため、通常のオークションとは違ってまずは参加申込みが必要です。このタイミングで保証金(だいたい見積額の1割くらい。落札できなかった場合には還ってくる)を納めておく必要があります。
当たり前ですが、落札したのにキャンセルすると返ってきません。念のため。
消防車から学校まで、なんでもアリの官公庁オークション
さて、ここで「さすがお役所がやってるオークションだな」というものをご覧いただこうと思います。
まずは普通のヤフオク!で「消防車」と検索をしてみましょう。

こんなように、ミニカーの消防車が多数出てきます。
それでは、今度は官公庁オークションで「消防車」で検索してみましょう。

なんかでかくない?
ミニカーは1つも出てこず、代わりにモノホンの消防車が出てきました。むしろそれしか出てきません。
官公庁オークションでは、僕らが一般的に想像するもののやや斜め上のものが出てくるのが特徴です。

他にも「バス」や「救急車」などでも本物が出てきます。
こういった特殊車両はなかなか市場に出回らないらしく、官公庁オークションの目玉の1つになっているようです。

「コンピューター」のカテゴリをクリックしたら、普通はパソコンがズラッと出てくるのが一般的ですが、官公庁オークションでは一番最初に「動力運搬車」、そしてその次に「理化学分析機器」が出てきます。
何に使うやつそれ?
適当な名前で出品されてしまった商品たち
出品しているのがあまりコンピューターに慣れていない自治体の方のためか、かなり適当な名前で出品している様子がチラホラ見受けられます。

潔く「棚」とだけ書かれた商品名。もうちょっと書けることがあったんじゃなかったかと思う。

こちらは「楽器」とだけ書かれていました。カテゴリが広い。もうちょっと絞って「ギター」にしてほしかった。

こちらはなぜか「猫のキャラクター様」という名前で出品されていました。この商品を出品した、誰に対しても丁寧に接客する職員の方の顔が目に浮かびます。

猫のキャラクター様は、その身を丁重に運ぶことができる者のみがお連れする事ができる。失礼がないように注意したいところです。
本当は「キャラクター様(よう)」と読むらしく、「キャラクターのようなもの」という意味になるそうです。わかりづらいな!
官公庁オークションと言えば「不動産」の出品

官公庁オークションでは不動産が出品されているのも大きな特徴です。
時期にもよりますが、不動産はかなり出品数の多いメインコンテンツでもあります。

ちなみに、今なら富良野にある廃校になった中学校が出品されていたりします。学校ってオークションに出るんだ。
学校なんて誰が買うんだと思われるかもしれませんが、過去には実際に学校を買い取って、美術館に改装した……という事例もあるそうです。
手続きはちょっと面倒くさい?
さて、このようになかなか面白いものが出品されている官公庁オークション。僕も試しに落札してみたんですが、落札後のやり取りは正直めんどくさかったです。

こんな感じで、ゴリッゴリの売買契約書が届きました。
各自治体によって違うんですが、落札後にいろいろと書類を用意する必要があります。「特になにも必要ないですよ〜」っていう自治体もある一方で、まず契約書が送られてきて「各種契約書を読んだうえで、署名して返送してください」っていう自治体もあります。
正直な感想は「だっるゥ〜〜〜〜」です。僕が取引した自治体は「契約書への同意書」「送付先を書いた書類」「住民票」「印鑑証明書」、さらに商品が届いた後に「商品受け取りましたっていう書類」が必要でした。これ全部郵送。
とはいえ、マイナンバーが導入されてからはコンビニで住民票と印鑑証明書を出せるようになったので、前に比べてかなり面倒くささは軽減されました。特に、車やテレビなど大きなものを落札した時には、リターンを考えるとこれくらいの手間はあってもいいんじゃないかな、と思います。
ちなみに、今回ぼくが落札したのは……。

こちらの座高計です。
とりあえず試しにいくつか入札してみようとやってみたのですが、落札できたのがこの半分冗談で入札していたコレだけでした。もう学校検診でも座高って廃止されてるっつーの。

というわけで、官公庁オークション。いろいろ珍品は眠っている面白いオークションではありますが、落札するならちゃんと自分がいるやつにしましょう。
これから僕は、しょうもないモノを落札してしまった自分を戒めようと思います。それではさようなら。

関連リンク:
▶Yahoo!官公庁オークション