新しくJCBカードを作ってみたいんだけど、JCBってどんなカードなのかわからない、VISAなどとどう違うの?という方に向け、JCBカードのメリット・デメリットをお伝えします。
JCBは、VISAやマスターカードと同じように国際ブランドで、日本で唯一の日本発の国際ブランドでもあります。ここではJCBの国際ブランドや提携カードについて、徹底解説。
自分にぴったりのJCBカード選びの参考にしてください。
そもそもJCBってなに?
JCBとは、VISAなどと同様にクレジットカードの国際ブランドの一つです。
日本で発行できる主な国際ブランドは以下のとおりです。
国際ブランド名 | 世界の加盟店数 | 特徴 |
JCB(ジェイシービー) | 2500万店 | 唯一日本生まれの国際ブランド。海外での加盟店は少ないものの日本国内でのサービスやキャンペーンを提供し、使い勝手がいい。 |
VISA(ビザ) | 3850万店 | 世界で最も多くのカード会員と加盟店を誇るブランド。取扱店舗が多いため初めてカードを作る方におすすめです。 |
MasterCard(マスターカード) | 3850万店 | 世界2位の国際ブランド。VISAと共に加盟店が多いため、初めてカードを作る方におすすめです。 |
American Express(アメリカン・エキスプレス) | 2400万店 | ステータスの高い国際ブランド。ホテルの優待や空港ラウンジの利用など、ワンランク上のサービスを提供。JCBと加盟店相互開放の提携しているため、JCBが利用できる店舗でAmerican Expressも利用可能。 |
Diners Club(ダイナースクラブ) | 2400万店 | 世界最高のステータスカードで、JCBと提携。JCBが利用できるほとんどの店舗でDiners Clubも利用可能。 |
そのほかに日本では発行されていませんがアメリカのDiscover、また中国が中心で三井住友カードなどが提携して発行している銀聯カードも国際ブランドです。
JCBとは日本唯一のクレジットカードの国際ブランド
上の表で、JCB以外の国際ブランドは、すべて本部をアメリカに置いています。
また、発祥もアメリカです。
JCBは、1961年に三和銀行(現三菱UFJ銀行)と日本信販(現三菱UFJニコス)によって「株式会社日本クレジットビューロー」 (Japan Credit Bureau;JCB)として設立された日本で2番目のクレジットカード会社です。
ちなみに日本で初めて発行されたクレジットカードは、1960年の丸井(現エポスカード)だといわれています。
日本発の国際ブランドはJCB以外にはなく、日本で唯一の国際ブランド。
日本発ということで、日本国内や日本人がよく訪れる海外の都市やリゾート地での使い勝手がよくなっています。
JCB発行のカードと提携カードがある
クレジットカードは、次のような分類のしかたがあります。
- プロパーカード=国際ブランドが直接発行しているクレジットカード(この記事で本体発行と表現しているもの)
- 提携カード=クレジットカード会社と提携し、国際ブランドのライセンスを借りて発行しているクレジットカード
JCBはJCB本体でクレジットカードを発行しています。
つまり、プロパーカードが存在するのです。
ちなみに、VISAとマスターカードは本体(本部)でクレジットカードは発行しておらず、提携した各カード会社がVISAなどのライセンスの元に発行や利用できる店舗の開拓をしています。
いわば、VISAやマスターカードはフランチャイジーのようなもので、日本や海外のクレジットカードがフランチャイズとして、三井住友カードなら三井住友VISAカードや楽天カードがVISAのマークの付いたカードを発行しているのです。
JCBは本体で発行するとともに、VISAやマスターカードと同様に、ほかのクレジットカード会社にJCBブランドのカードを発行させています。
例えば、楽天カードが発行するJCBマークの付いたクレジットカードなどがそれにあたります。
VISAと比べると?国際ブランドとしてのJCBの位置付け
VISAの全世界の加盟店は3850万店、対してJCBは2500万店と若干見劣りがします。
VISAは世界中のクレジットカードが使える店舗ならほとんどすべて使えるといっても過言ではありません。
一方、JCBは国内での使い勝手は圧倒的ですが、海外では使えるお店が限られています。
ただし、日本発で日本人が使いやすいように設計されたブランドなので、ハワイなど日本人がよく訪れる観光地などでは独自のサービスが受けられます。
JCBはハワイをはじめとした各国の主要都市にJCBプラザラウンジという、JCB会員専用のサービスを提供。
現地の旅行ガイドや宿泊の手配、トラブル時の対応に加えて、インターネットの使用やドリンクサービスなどが受けられるのです。
海外で使うのならVISAやマスターカードが圧倒的に有利ですが、国内や日本人になじみに深い海外の都市なら、JCBが便利に使えます。
ただし、海外の場合は、JCBのほかにVISAやマスターカードなどの国際ブランドのカードも持って行ったほうが無難でしょう。
JCBカードには2種類ある?
先ほどお伝えしたように、JCBはJCBカード本体が発行するクレジットカードとJCBがいわばライセンスをその他のカード会社に与えて、そのカード会社が発行するものがあります。
JCB本体が発行するクレジットカードの特徴
JCBカードは他のクレジットカード会社のように、本体でもJCBブランドのカードを発行しています。
JCB本体が発行するクレジットカードには、他のカード会社が発行するカードと同様に、JCBとしてのオリジナルのサービスを提供しています。
JCBにはOkiDokiポイントというポイント還元プログラムがあります。
このプログラムには、ポイント優待店「JCBオリジナルシリーズパートナー」というのがあり、例えばスターバックスコーヒーやセブン―イレブン、Amazon、出光昭和シェルなどの利用でポイントが増量されます。
また一部条件がありますが、海外での利用はポイントが2倍です。
JCBのライセンスを受けたクレジットカード会社が発行するカードの特徴
クレディセゾンや楽天カードなどのクレジットカードが発行するJCBカードは、JCB本体と違った、それぞれのカード会社独自の特典が受けられます。
例えば、ポイントサービス。
JCB本体のカードのポイントはOkiDokiポイントですが、クレディセゾンなら永久不滅ポイント、楽天カードなら楽天ポイントで、還元率も会社によって異なります。
また、ポイントが優遇される店舗も違っています。
JCBのライセンスを受けて発行されたJCBマークの付いたカードのサービスは発行する会社独自のものとなり、JCB本体のカードが受けられる特典は基本的に受けることはできません。
ただし、一部のJCB本体のサービスやキャンペーンは、ライセンスを受けて発行されたJCBカードでも受けられます。
例えばJCBが毎年開催する東京ディズニー・リゾートやユニバーサル・スタジオ・ジャパンでの貸切イベント招待キャンペーンには応募可能のカードもあります。
また、JCBプラザラウンジも利用可能です。
JCB本体発行のカードの特徴を見てみよう
JCB本体が発行する個人向けのクレジットカードには以下のようなものがあります。
名称 | オリジナルシリーズ | JCB CARD W | JCB CARD R | JCB一般カード/プラスANAマイレージクラブ | JCBドライバーズプラスカード |
カードのランク | 一般・ゴールド・プラチナなど | 一般・Plus L | 一般 | 一般・ゴールド | 一般 |
カードの主な特徴 | JCBのいわばプロパーカード。国内外の旅行傷害保険なども付帯 | ポイント還元率の高いカード。39歳以下・WEB入会限定 | リボ払い専用カード。ポイントは4倍 | JCBオリジナルシリーズにANAのマイルカードが付帯したもの | 高速道路やガソリンスタンドでの利用で、キャッシュバックがある |
ディズニーカードが選べる
JCBは東京ディズニーランド・東京ディズニーシーのオフィシャルスポンサー。また、東京ディズニーリゾートのオフィシャルカードでもあります。
スポンサーであるため、JCBカードではディズニーデザインのカードも選ぶことができます。
中でも「ディズニー★JCBカード」は、ディズニーに特化したカードで、ミッキーマウスやミニーマウス、ドナルドダックどの券面を選べ、特典もさまざま。
ちなみに以前は、東京ディズニーランドではJCBカードしか使えませんでしたが、現在はほとんどのカードが利用可能となっています。
1年に1度、カードを継続、利用した本会員に、毎年かわる非売品のオリジナルディズニーグッズがプレゼントされたり、ディズニーホテルが優待されます。
また、手数料がかかる場合もありますが、券面のデザインの変更も可能です。
JCBといえば電子マネーにQUICPayが使えますが、ディズニー★JCBカードならミッキーマウスをイメージしたキーチェーン型のQUICPayを持つことができます。
ミッキーをかたどったかわいいキーチェーンで、コンビニやドラッグストアなどのQUICPay加盟店で支払いができるのです。
一定のステータス感がある
JCB本体が発行するプロパーカードなので、他のクレジットカード会社が発行するカードに比べ、発行カード会社の記載がない分シンプルでステータスを感じられます。
ゴールドカードなどハイクラスのカードにステップアップできる
JCBカードには、一般カードに加えて、ステータス性の高いゴールドカード、プラチナカードなどが用意されています。
一部のランクの高いカードは、通常の申し込みができず、JCBのカードの利用実績の高い人にしか発行されないので、ステータス性はかなり高いといえます。
特にゴールドカードは、プラチナカードなどへのステップアップの入り口として、重要なカードです。
JCBゴールドカードの年会費は11000円(税込)ですが、会費が高い分、ゴールドカードとしての基本機能は充実しています。
旅行傷害保険は、海外の場合で最高1億円、国内の場合は最高5000万円の保障。旅行中の航空機の遅延トラブルに対しての保障もあり、乗り継ぎ遅延などの場合も2万円程度の食事代や宿泊代などをサポートしてくれます。
また、カードで買い物をした商品の保障もあり、国内・海外ともに最高500万円まで保障があります。
このカードが注目されるもう1つの理由が、利用を続けると1ランク上のゴールドカード「JCBゴールド ザ・プレミア」に招待されることでしょう。
招待されるのは、利用合計金額(集計期間:12月16日~翌年12月15日)が2年連続で100万円(税込)以上などの条件をクリアしたゴールドカード会員です。
2年間コツコツとカードを利用することで招待されるので、カードを育てるという楽しみがあるのもJCBゴールドカードの特徴です。
自分にぴったりのJCBカードを見つけよう
ここではJCB本体が発行するカード、ライセンスを受けて発行するカードのうち、特徴のあるカードを紹介します。
あなたにぴったりのJCBカードを見つけてください。
ポイントがいつでも2倍で、年会費も無料「JCB CARD W」
JCB本体が発行するカードです。
JCB CARD Wは、いつでもポイントが1%の還元率で得られます。
もちろんJCB本体の発行するカードなので、スターバックスコーヒーやセブン―イレブン、Amazonなどの特定加盟店で利用するとさらに還元率アップ。
セブン―イレブンやAmazonでは通常は1000円で2ポイント(1ポイントは5円相当)のところ2倍の4ポイント、スターバックスコーヒーなら1000円の利用でなんと11ポイントもたまります。これは還元率でいうと、5.5%にもなります。
また、年会費無料ながら、海外旅行傷害保険やショッピング保険も付帯しています。
まだ若いけどステータス感のあるカードがほしいなら「JCB GOLD EXTAGE」
JCB本体が発行するカードです。
20代限定のゴールドカードで、初年度は年会費無料、次年度以降はゴールドカードとしては抑えめの3300円の年会費がかかります(学生は発行できません)。
JCBの一般カードの特典に加え、最高5000万円の国内外旅行傷害保険が付帯したり、国内の主要空港、ハワイ・ホノルルの国際空港内の空港ラウンジを無料で利用できます。
券面もゴールドなので、20代からステータスを味わえます。
また、ゴールドの輝くディズニーデザインのカードを選ぶこともできるのもポイントでしょう。
なお、初回更新(入会から5年後)には、自動的にJCBゴールド(ORIGINAL SERIES)へ切り替えとなります(審査あり)。
JCB本体でなくてもディズニーデザインのカードを発行できる「楽天カード」
楽天カードが発行するJCBカードです。
JCBブランドならJCB本体発行ではないのですが、ディズニーデザインのクレジットカードが発行できます。
券面はミッキーマウスやミニーマウスが描かれたもの。
JCB本体が発行するのとは違ったデザインです。
楽天カードが発行するので、ポイントの還元率が高いのが魅力の一つ。
基本還元率が1%で高いのに加え、楽天市場などの楽天サービスや特定の加盟店での利用で、ポイント還元率がアップします。
もらえるポイントは楽天ポイントで、100円の利用で1ポイントたまります。
楽天ポイントは1ポイント1円相当なのでわかりやすく、加えて楽天のサービスやマクドナルドなどの楽天ポイントカード加盟店、楽天ペイの加盟店で使えることができるのもポイントです。
特典の充実したカードがほしいのなら最高のステータスの「JCBプラチナ」
JCBは長い間、プラチナカードを発行してきませんでした。
その代わり、プラチナやブラックカードレベルの相当するJCBザ・クラスというカードを発行してきました。
しかし、ザ・クラスはJCBカードの利用実績がある人へのインビテーション(招待)でしか、基本的に入会できませんでした。
このプラチナカードは、もちろん審査がありますが、一般の申し込みで入会できるものです。
年会費は27500円で、プラチナカードとしては格安の部類に入ります。
しかし、特典はザ・クラスに劣らないものが用意されています。
そのほかにも旅行の準備・レストランの予約・ゴルフ場の案内などに専属スタッフが対応するプラチナ・コンシェルジュデスク、レストランの料金が1名分無料になる優待サービスグルメ・ベネフィットや空港で1ランク上のラウンジサービスを受けることのできるプライオリティパスも付いてきます。
まとめ
JCBカードの魅力が伝わったでしょうか。
JCBブランドはVISAやマスターカードに比べると海外の加盟店数が少ないのですが、そのぶん国内や日本人がよく利用する都市などでのサービスは、他の国際ブランドよりも厚くなっています。
まさに日本人なら持っていたいカードといえるでしょう。
自分にぴったりのカードを見つけて、ぜひともJCBブランドのカードを発行してください。