公務員はふるさと納税できる?やり方や上限額も解説

公務員

公務員の方は、自治体で働いているからこそ、ふるさと納税を身近に感じている方も多いかと思います。

一方で、ふるさと納税を使ってほかの自治体に寄付すると批判がくるのでは、と不安に感じる方もいるかもしれません。

結論からいうと、ふるさと納税は公務員の方にも活用してほしい制度です。

ただ、公務員であることによる批判を避け、周りからの目を気にしないようにするには、いくつか注意すべきポイントがあります。

この記事では、公務員とふるさと納税の関係や公務員ならではの注意点、具体的なやり方を詳しく解説します。

公務員でふるさと納税を使おうか迷っている方は、ぜひ参考にしてください!

目次

公務員とふるさと納税の関係

ふるさと納税は、税金を納めている方であれば誰でも利用できる制度です。

ここでは、公務員とふるさと納税の関係について、以下のポイントに沿って解説します。

  • 公務員が節税できる唯一の方法
  • 公務員のふるさと納税に批判の声も
  • 職員に強要する自治体があった
  • 自分の自治体以外に寄付してもいい

公務員の方で、ふるさと納税に対して不安に感じている部分を詳しく解説するので、一緒に見ていきましょう。

公務員が節税できる唯一の方法

ふるさと納税は、民間企業の会社員も個人事業主も関係なく利用できる制度です。

また、公務員のなかでも市役所の職員や警察官など、職種によらず利用できます

そして、公務員が節税できる唯一の方法でもあります。

ふるさと納税を利用するメリットは、以下のとおりです。

ふるさと納税を利用するメリット
  • 自治体から返礼品がもらえる
  • 所得税・住民税の控除が受けられる
  • 寄附金の使い道を指定して、自治体の活性化に貢献できる

たとえば、寄付金額30,000円のオホーツク産ホタテ玉冷大 1kgをふるさと納税で寄付した場合、2,000円の自己負担を除く28,000円分が所得税・住民税から控除されます。

また、多くのふるさと納税が寄附金の使い道も指定できるので、実質2,000円で返礼品を受け取れて、自治体の活性化に貢献できるのです。

ふるさと納税の仕組みを詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

公務員のふるさと納税に批判の声も

一方で、公務員が節税としてふるさと納税を利用することに対して、批判的な声があるともいわれています。

具体的には「税金を給料としている公務員が節税するのはどうなんだ?」という声です。

しかし、公務員がふるさと納税を利用することは禁止されていないので、気にしなくてもいいでしょう。

国税庁の資料でも「国や地方公共団体に対して寄付をした場合、寄附金控除(ここではふるさと納税)の適用を受けられる」とされています。

また、総務省の調査を見ると令和4年度のふるさと納税利用者は約741万人であり、日本の総人口1億2,000万人のうち約6%ほどです。

このことからも、公務員に対する批判はふるさと納税に対する認知度がまだ低いためと考えられます。

上記のことから、公務員であってもふるさと納税の利用は問題ないので、気にせず利用していきましょう。

職員に強要する自治体があった

ふるさと納税は、寄付したい自治体を自由に選んで利用できる制度ですが、過去には職員に対してふるさと納税を強要する自治体もありました

たとえば、2020年には新潟県阿賀町の町長が職員に対して「ふるさと納税で町に寄付するよう求めていた」と報道されました 。

これに対して、総務省の市町村税課は「強制は制度の趣旨にそぐわない。職員の住民税額を調べていたのなら適切な運用とは言えない」と指摘しています。

上記の例のように、職員に強要する自治体は少数派ですが、もしあなたの勤務先や居住地の自治体から強要された場合は、断る権利があることを覚えておきましょう

また、強要された場合は、総務省の窓口などに相談して対応をお願いしましょう。

自分の自治体以外に寄付してもいい

ふるさと納税は、自分の住んでいる自治体以外に寄付しても問題ありません

寄付する自治体や寄付金額は、自由に選べますし、周りの人にばれることもありません。

  • 取り組みを応援したい自治体
  • 返礼品が魅力的な自治体
  • 以前旅行に行って楽しかった自治体

上記のように、寄付する自治体は人それぞれであり、強要されることではないので安心してください。

ただし、公務員の場合は、ほかの自治体に寄付したときの税収の流れは理解しておきましょう

詳しくは後述しますが、ほかの自治体への寄付は住んでいる自治体の税収が減ることになるので、地元で働く公務員は確認しましょう。

ふるさと納税する公務員が注意すべき点5つ

お得に返礼品が受け取れるふるさと納税ですが、公務員が利用する場合には注意すべき点が5つあります。

  1. 自治体の税収が減ることを理解する
  2. 確定申告が必要になる可能性がある
  3. 副業がバレる可能性がある
  4. 寄付金上限額を超えないようにする
  5. 会社に報告する必要はない

それぞれ難しいことではないので、順番に見ていきましょう。

1. 自治体の税収が減ることを理解する

ふるさと納税でほかの自治体に寄付するということは、その自治体の予算が減るという仕組みを理解しましょう

たとえば、ふるさと納税を利用して30,000円分の寄付をほかの自治体にした場合、あなたが住む自治体の税収が30,000円減ります。

ふるさと納税は「寄付」と名がついていますが、あくまでも納税なので、あなたが住む自治体に入るはずだった税収がほかの自治体の税収になることを意味します。

ただし、住んでいる自治体に寄付しなくてはいけないわけではなく、ふるさと納税するのは全然OKです。

ここでは、公務員の場合、自治体の税収が減る=予算が減ることにつながるという流れを理解したうえで、ふるさと納税を利用するのが大事と覚えておいてください。

2. 確定申告が必要になる可能性がある

ふるさと納税を利用する場合、確定申告をしない方であれば、基本的にはワンストップ特例制度を利用できます

ワンストップ特例制度とは、ふるさと納税をした後に確定申告をしなくても寄付金控除が受けられる仕組みです。

ワンストップ特例を利用できる条件は、以下のとおりです。

ワンストップ特例を利用できる条件
  • 確定申告をする必要のない給与所得者等である
  • 1年間に寄付する自治体が5ヶ所以内である
  • 同一自治体であってもその都度申請書を送る

基本的にはワンストップ特例を使えばOKですが、上記の条件を満たさない場合は確定申告が必要になります

たとえば、医療費控除を申請するので確定申告が必要だったり、6ヵ所以上の自治体に寄付したりする方は、確定申告をおこない寄付金控除を受けましょう。

3. 副業がバレる可能性がある

ふるさと納税は副業には当たりませんが、ふるさと納税を利用することで副業がバレる可能性があるのは知っておきましょう。

それは、ふるさと納税は住民税から副業がバレる可能性があるからです。

住民税は、所得の額に応じて決まる住民税所得割額から算出され、その際に給与所得だけでなく、副業や資産所得なども含まれます。

ふるさと納税をすると、住民税の控除を受けられますが、その分だけ住民税の額が減ります。

そのため、住民税の額から所得税の額を逆算すると、副業や資産所得などの存在を推測することが可能です。

もちろん、確実に副業がバレるというわけではありませんが、副業をしている場合は注意しましょう。

4. 寄付金上限額を超えないようにする

ふるさと納税をすると、自己負担額2,000円を除く全額が住民税や所得税から控除されます。

しかし、控除される額には上限があり、年収や家族構成などによって異なります

寄付限度額を超えて寄付した分の控除は受けられないので、ふるさと納税で寄付する前にあなたの控除限度額をシミュレーションしておくことが大切です。

たとえば、源泉徴収票に書いてある年収が400万円の方は、71,182円が寄付金上限額になります。

上限を超えた場合の対策もあるので、気になる方は確認してみましょう。

5. 会社に報告する必要はない

ふるさと納税は、自分で申請すれば完了するものなので、会社や上司に報告する必要はありません

自分で話さなければ伝わることはないので、心配な方は会社でふるさと納税の話をしないようにしましょう。

ただし、ふるさと納税をすることで住民税が減るため、経理担当者に住民税の関係で知られる可能性はあります。

このときも、ふるさと納税の寄付先や理由を聞かれたとしても、答える必要はありません。

あなたが寄付したい自治体にふるさと納税すればいいので、会社のことは気にせずにふるさと納税を利用しましょう。

公務員のふるさと納税のやり方

ここでは、公務員のふるさと納税のやり方をステップごとに解説します。

寄付のやり方は基本的に同じですが、会社員と異なる点もいくつかあるので、一緒に見ていきましょう。

STEP
必要書類を準備する

ふるさと納税を利用する前に必要な書類を集めておきましょう。

ふるさと納税の必要書類
  • 源泉徴収票(年収から計算する場合)
  • 給与明細(手取りから計算する場合)

公務員の場合、源泉徴収票がくるのは1月中旬から下旬くらいが多いです。

12月末までにくるところもありますが、一般的には会社員よりも遅くなる傾向にあります。

そのため、計算する場合は手取りからざっくり計算するか、昨年の源泉徴収票を参考に計算することになるでしょう。

STEP
寄付金限度額を調べる

必要書類を集めたら、あなたの寄付金限度額を調べましょう。

限度額は、ふるさと納税のポータルサイトで簡易的に出すことも可能です。

たとえば、さとふるには簡易シミュレーション詳細シミュレーションがあります。

ただ、詳細シミュレーションであっても「医療費控除」や「小規模企業共済等掛金控除(iDeCo)」「配当所得」などについて記載するポイントがないので、細かい金額がずれる可能性があります。

上記の控除や所得の影響を受けない方は問題なく使えるでしょう。

さらに細かく計算してみたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。

STEP
返礼品を選ぶ

あなたの寄付金限度額がわかったら、どの返礼品がほしいか決めましょう。

ふるさと納税の返礼品には、果物や肉、魚介類などの食べ物もあれば、家電や宿泊券なども取り揃えています。

限度額のなかでどの返礼品がほしいか、家族で話し合ってみましょう。

また、公務員で周りの目が気になる方は、自分の勤める自治体にも少し寄付しておくといいでしょう。

STEP
ふるさと納税サイトを選ぶ

ほしい返礼品が決まったら、どのふるさと納税サイトで寄付するか決めましょう。

サイトによって寄付できる自治体数やキャンペーンも違うので、あなたに合ったふるさと納税サイトを見つけるのがおすすめです。

たとえば、さとふるでは「メガさとふるの日キャンペーン」を使えば、寄付額の最大12%分のさとふるポイント(PayPayポイントに交換可)がもらえます。(2023年9月現在)

ほかにも、サイトによってはAmazonギフト券やプレゼントがもらえるキャンペーンもやっているので、どのふるさと納税サイトを使うか検討してみてください。

STEP
寄附金控除の申請をする

ふるさと納税サイトを決めて寄付をしたら、最後に寄付金控除の申請をおこないます。

ふるさと納税は寄付して終わりではなく、手続きとして確定申告をおこなう必要があります

たとえば、ふるさと納税で50,000円寄付したとき、確定申告をおこなえば48,000円分が控除され、実質2,000円で返礼品を受け取れます。

しかし、確定申告をおこわないと所得税や住民税から控除されず、50,000円払って返礼品を受け取る形になってしまうのです。

確定申告をおこなうことで、「ふるさと納税したよ」というのが正式に認められるイメージです。

ただし、以下の条件を満たしていれば、確定申告ではなくワンストップ特例を利用できます。

ワンストップ特例を利用できる条件
  • 確定申告をする必要のない給与所得者等である
  • 1年間に寄付する自治体が5ヶ所以内である
  • 同一自治体であってもその都度申請書を送る

ワンストップ特例の場合、自治体から届く書類に必要事項を記入して返送するだけなので、手続きが簡単で済みます。

より詳しく知りたい方は、ふるさと納税のやり方をご覧ください。

公務員のふるさと納税についてよくある質問

ふるさと納税の金額で年収がバレますか?

寄付した金額から、年収を逆算することは可能です。

たとえば、約70,000円をふるさと納税で寄付していた場合、寄付限度額が71,182円の年収約400万円と見られるかもしれません。

その際に「寄付金額が少ないために年収が低いのでは?」とマウントを取られることもあるそうです。

ただ、年収が高くても寄付金額は少ない人もいるので、気にしなくてもいいでしょう

ふるさと納税のお問い合わせ先は?

寄付先や返礼品については、寄付先の自治体に直接お問い合わせください

電話やメールで相談や質問を受け付けています。

また、ふるさと納税の仕組みに関するお問い合わせ先は、国税庁の「国税局電話相談センター」です。

上司にバレたら問い詰められることはある?

上司によりますが、ふるさと納税で寄付をしたからといって、問い詰められたりすることはありません

何か言われるかもと心配な方は、以下の点を注意しておくといいでしょう。

  • ふるさと納税していることを自分から言わない
  • 自分の勤める自治体にも少し寄付しておく
どの自治体に寄付したかバレる?

どの自治体に寄付したかが会社にバレることはありません

寄付した人と自治体の間でのやり取りだけなので、確認のしようがないからです。

会社から渡される「住民税の決定通知書」にも寄付先の自治体名などは記載されません。

摘要欄記載 追記
出典:ふるさとチョイス

会社にばれるとしたら、住民税の額から寄付金額がわかるぐらいです。

まとめ

この記事では、公務員とふるさと納税の関係や公務員ならではの注意点、具体的なやり方を解説しました。

公務員の場合は、仕事や給与で税金を使っているので、ふるさと納税のような制度を使うことに対する批判もあるようです。

しかし、ふるさと納税は民間企業の会社員も公務員も関係なく利用できる制度なので、気にする必要はないでしょう。

まずはあなたが寄付できる限度額をチェックし、楽しくふるさと納税を活用していきましょう!

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