ワンストップ特例制度とは?書き方や必要書類、利用できる条件を徹底解説

ふるさと納税 ワンストップ特例申請書 書き方

ふるさと納税の寄附金控除を簡単に受けられるのがワンストップ特例制度

複雑な確定申告の手続きが不要になる便利な制度です。

申請期限までに提出できたら、自分のタイミングで申請できることもポイント。

この記事では、ワンストップ特例制度について基礎知識や申請方法を詳しくご紹介します。

ワンストップ特例制度が利用できない人も解説しているので、確定申告にしようか悩んでいる人も読んでみてください。

目次

ワンストップ特例制度の基礎知識

総務省によると、ワンストップ特例制度はふるさと納税により地方創成を推進するために、2015年から始まった制度です。

主に給与所得者が制度の利用対象者に該当するため、会社員が利用することの多いことが特徴。

寄付金控除の申請が手軽になったワンストップ特例制度の登場により、ふるさと納税はより身近なものとなりました。

ここでは、ワンストップ特例制度の具体的な内容について、詳しく解説していきます。

  • 確定申告せずに寄附金控除を受けられる制度
  • 翌年の1月10日までに申請書類必着
  • 返礼品注文から約1週間で届く
  • 確定申告をしたらワンストップ特例は無効になる

確定申告せずに寄附金控除を受けられる制度

ワンストップ特例申請制度とは、ふるさと納税を含まなかった場合に確定申告をする必要のない人が利用できる制度です。

必要な書類を提出するだけでふるさと納税の寄附金控除が受けられます

ワンストップ特例制度の利用条件は以下に該当する人です。

  • その年のふるさと納税をした自治体が5自治体以内
  • 給与が2,000万円を超えていない
  • 医療費控除などがない
  • そのほか、確定申告をしなければならない条件に該当しない

確定申告をする必要がある人は利用できません。

確定申告をしなければいけないかどうかわからない場合は、役所などで確認できます。

確定申告が必要かについてより詳しく知りたい人は、「ふるさと納税は確定申告が必要?ワンストップ特例や会社員の注意点も解説」を参考にしてください。

翌年の1月10日までに申請書類必着

ワンストップ特例制度は申請期限が決まっています。

どんなに遅くても翌年1月10日に申請書が自治体の役所へ届くようにすることが必要です。

確定申告の場合は期間が決まっており、直接役所で申請する場合は2月16日〜3月15日の間です。

一方、ワンストップ特例制度は期日は決まっていますが申請できる期間は決まっておらず、申請用紙が届いた日に申請することもできます。

なお、期日は1月10日に必着なので、当日に送っても間に合いません

余裕をもって申請するほうが万が一届くのが遅れてしまっても安心できるので、おすすめです。

申請方法は後ほど詳しく説明しますが、申請書の送付先はふるさと納税の寄附をした自治体なので、あなたの住所がある自治体と間違えないようにしましょう。

返礼品注文から約1週間で届く

ワンストップ特例制度を申し込む際の申請書を「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」といい、ふるさと納税の返礼品を注文したら返礼品とともに1週間ほどで届きます。

ふるさと納税をしたサイトによっては、寄附の申し込み時に「希望する」を選択する必要もあるので注意しましょう。

また、サイト内のマイページからダウンロードできるところもあります。

総務省の公式ページから印刷したり、自治体によってはオンラインで申請したりすることも可能です。

あなたに合った方法を使いましょう。

ワンストップ特例制度申請用紙の入手方法一覧

  • ふるさと納税の寄附申し込み時に一緒に申し込む
  • ふるさと納税を利用したポータルサイト内のマイページからダウンロードする
  • 総務省の公式ページからダウンロードする
  • オンラインで申し込む

確定申告をしたらワンストップ特例は無効になる

ワンストップ特例制度は確定申告をしてしまうと無効になってしまいます。

確定申告をした場合は、あらためて寄附金控除の申請も同時におこないましょう。

確定申告で寄附金控除を受ける場合、ふるさと納税の返礼品を受け取る際に付属している受領書など、寄附を証明する書類が必要です。

ふるさと納税をした段階でワンストップ特例制度を利用するか確定申告を利用するかわからない場合は、必ず証明書類を保管しておきましょう。

ワンストップ特例申請のやり方

ワンストップ特例申請の詳しい申請方法を解説していきます。

基本的に、ワンストップ特例制度用の申請書をダウンロードして記入後、送付するだけで申請できます。

オンラインでの申請が可能な自治体もあり、便利です。

書き方や必要書類などを間違えなければ手軽に申請できるので、ぜひ利用してみてください。

  1. ワンストップ特例申請書をダウンロード
  2. 必要書類を用意する
  3. 提出期限までに自治体に送付

1. ワンストップ特例申請書をダウンロード

ふるさと納税で寄附をしたい自治体や気になる返礼品を見つけたら、さっそく申し込みましょう。

ワンストップ特例制度を利用するには、申請するために寄附金税額控除に係る申告特例申請書を送付してもらうか、ダウンロード、もしくはオンラインで申請します。

申請書の入手方法は以下の5つです。

ワンストップ特例申請書の入手方法一覧

  • ふるさと納税の寄附申し込み時に一緒に申し込む
  • ふるさと納税を利用したポータルサイト内のマイページからダウンロードする
  • 総務省の公式ページからダウンロードする
  • オンラインで申し込む
  • 以下のリンクからダウンロード

どの方法で申請しても問題ありません。

ポータルサイトによってはマイページやサイト内の専用ページからなど、ダウンロードできる場所が異なります。

オンライン申し込みは対応している自治体と対応していない自治体があるので、事前に調べておくことがおすすめです。

>>ワンストップ特例申請書をダウンロード

【見本】ワンストップ特例申請書の書き方例

ワンストップ特例申請書 見本

画像は、ワンストップ特例申請書の例です。(別ページで確認する

マイナンバーカードも必要になるので、マイナンバーカードを手元に置いて記入を進めるとスムーズにできます。

寄附した年月日・金額も記入する必要があるので、複数の寄付をした場合は受領書などをすべて確認し、抜けや漏れがないように注意しましょう

ワンストップ特例申請書の記入事項

  • 提出日
  • 提出先の自治体の長の名前
  • あなたの住民票がある住所
  • 電話番号
  • 氏名(フリガナ)
  • マイナンバー
  • 生年月日
  • 寄附年月日
  • 寄附金額

また、確定申告をしないか、寄附先は5自治体以内かのチェックマークもあるので、忘れずにチェックします。

必要書類を用意する

ワンストップ特例申請書以外に必要な書類を準備します。

ワンストップ特例制度を申請するには、本人確認書類が必要です。

申請に必要な書類は、マイナンバーカードや個人番号通知カードを持っているかどうかで異なります。

マイナンバーカードや通知カードを持っている場合、持っていない場合ごとに必要な書類は以下のとおりです。

持っているもの必要書類
マイナンバーカード有・マイナンバーカード表面コピー
・マイナンバーカード裏面コピー
マイナンバーカード無
通知カード有
・通知カードのコピー
・身分証明書のコピー
マイナンバーカード無
通知カード無
・マイナンバーが記載された住民票のコピー
・身分証明書のコピー
ワンストップ特例の本人確認書類

マイナンバーカードを持っていない場合、自治体によって身分証として利用できる書類が異なる場合もあるので、確認しておきましょう。

免許証はほとんどの自治体が本人確認書類として認めているので、免許証を持っている場合は免許証のコピーを用意しておくことをおすすめします。

免許証も持っておらず、何が本人確認書類として使えるかわからない場合は、ワンストップ特例制度を申請する自治体に問い合わせると教えてもらえます。

提出期限までに自治体に送付

提出期限は必ず守りましょう。

ふるさと納税で寄附した年の翌年1月10日までに申請をしないと、ワンストップ特例制度は利用できません。

そのため、年末近くにふるさと納税をした場合は、郵送で申請書が届くのを待つよりも自分で申請書をダウンロードして記入したほうがいいです。

提出期限に余裕がある場合は、ふるさと納税の返礼品が届いた段階で申請することをおすすめします。

返礼品が届いたあとはいつ申請してもいいので、早めに申請しておいた方が遅れる心配もなく安心です。

送付先の住所がわからない場合は、ふるさと納税サイトや自治体ホームページを検索すれば確認できます。

自治体に直接問い合わせることも確認手段の一つです。

もし申請期限を過ぎてしまった場合は、確定申告で申請すれば寄付金控除を受けられます。

ふるさと納税の期限にも注意して返礼品を決めましょう。

ワンストップ特例制度を利用できない人

ワンストップ特例制度は、すべての人が利用できるわけではありません

申請期限に間に合わなかったり、申請書類に不備があったりした場合は申請が受け付けられないこともあります。

ほかにも、以下に該当する人はワンストップ特例制度を利用できません。

  • そもそも確定申告が必要な人
  • 6箇所以上の自治体に寄付した人

ワンストップ特例制度を利用できない人は、確定申告をする必要があります。

確定申告の場合、申請期間が決まっているので注意しましょう。

そもそも確定申告が必要な人

ワンストップ特例制度は、確定申告をせずに寄付金控除が受けられる制度です。

そのため、確定申告が必要な場合は利用できません

国税庁による会社員など給与所得者でも確定申告をする必要がある人の条件をまとめたので、参考にしてみてください。

  • 給与所得が2,000万円を超えている人
  • 副業の所得が20万円を超えている人
  • 1ヶ所から給与支払いを受けていて、給与所得・退職所得以外の所得が20万円を超えている人
  • 同族会社の役員や親族で賃貸料などを得ている人
  • 個人事業主などで事業収入が48万円以上ある人
  • 不動産収入や株取引の収入が48万円以上ある人
  • 医療費控除を受ける人
  • 災害減免法などで源泉徴収に猶予などを受けている人

とくに注意したいのが、副業をしている人です。

副業で20万円を超えたら必ず確定申告をしましょう。

確定申告をしないままでいると、本来払うべき所得税のほかに延滞料などが課せられる可能性もあります。

ふるさと納税の寄付金控除でワンストップ特例制度を利用したい場合は、副業でいくら収入があるか事前に確認しておきましょう

6箇所以上の自治体に寄付した人

ふるさと納税の寄附先が6自治体以上の人も確定申告をしましょう。

ワンストップ特例制度を利用できるのは、寄附した自治体数が5つ以内の人です。

ただし、ワンストップ特例制度を利用できる場合に上限があるだけで、寄附する自治体数は上限が決められているわけではありません。

例えば、ワンストップ特例制度分の5自治体のみ寄付金控除申請をして、残りは申請せずに純粋な寄付として扱うことも可能です。

確定申告は難しそうでやりたくない、また寄付金控除を全額分受けられなくても気にしないという人なら、上記の方法もおすすめできます。

なお、寄付金控除を受けたくて複数の自治体にふるさと納税をする場合は、上限額に注意しましょう。

控除の限度額を超えた場合、超えた分は自己負担となります。

ふるさと納税の限度額について詳しく知りたい人は、「ふるさと納税の限度額を超えたらどうする?対処法と控除額の計算を確認」を参考にしてください。

ワンストップ特例制度でよくある質問

住所が変わった場合は申請が必要ですか?

寄附した翌年の1月1日時点での住所が必要です。申請したあとに引っ越しなどで住所が変わった場合は、寄附した翌年1月10日までに変更届を必ず提出しましょう。

申請をする前に住所が変わった場合は、利用したふるさと納税ポータルサイトに問い合わせれば対応してもらえることもあります。

返礼品ごとに申請する必要がありますか?

自治体ごとに申請しましょう。同じ自治体で別の返礼品に寄付をした場合は、1つの自治体として計算します。

寄付した自治体数が6つ以上になった場合、ワンストップ特例制度は使えないため、確定申告を忘れずにおこないましょう。

寄付金額によってワンストップ特例できないことはありますか?

寄付金額自体で利用できないということはありません。寄付金控除の上限額を超えていなければ、申請した分の控除を受けられます。

ただし、そもそも給与所得が2,000万円を超えている場合は確定申告が必要です。

ワンストップ特例申請ができているか確認する方法はありますか?

申請先の自治体へ直接確認が必要です。電話やメールなど、自治体の公式ホームページに問い合わせ先が記載されています。

ふるさと納税ポータルサイトはワンストップ特例制度の問い合わせ先ではないので、ポータルサイトの運営会社などに問い合わせないようにしましょう。

まとめ

ワンストップ特例制度は、ふるさと納税の寄附先が5自治体以内で確定申告の必要がない人なら、誰でも利用できます。

確定申告の手続きが面倒だと感じる人にはとても便利な制度です。

ワンストップ特例制度ができる前よりも手軽に申請がしやすくなり、ふるさと納税の利用者も増えたといわれています。

今まで申請が難しそうなどでふるさと納税をしてこなかった人も、ぜひワンストップ特例制度を利用してふるさと納税にチャレンジしてみてください。

2022年12月3日 17:16

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