【図解】ふるさと納税とは?仕組みからメリット・デメリットまで解説

ふるさと納税 とは 仕組み メリット 図解
  • 「ふるさと納税の仕組みがわからない」
  • 「ふるさと納税はお得らしいけどやり方がわからない」
  • 「ふるさと納税のメリットは何?デメリットはないの?」

このように、ふるさと納税の仕組みに疑問を持っている方は多いですよね。

そこで本記事では、ふるさと納税の仕組みメリットとデメリットどんな人が利用すべきかまで詳しく解説しています。

勘違いされやすい点税金の難しい仕組み部分は、図解ももちいて説明しているので、ふるさと納税を理解してから利用したい方はぜひ参考にしてみてください。

仕組みをしっかり理解してから、おすすめの返礼品などを選びましょう。また、返礼品を選ぶ前にはあなたの寄付金控除限度額を調べることも重要です。

目次

ふるさと納税とは?仕組みを図解でわかりやすく解説

そもそもふるさと納税とは何なのかがわからず、利用をためらっている人は多いですよね。


ふるさと納税を一言でいうと、本来支払うはずの税金を自治体に寄付することで自己負担2,000円で返礼品がもらえる制度です。

ほしい返礼品で自治体を選ぶこともできますが、ゆかりのある地域に寄付したり、被災地支援に利用したりすることもできます。

  • 元々は自治体を助けるための仕組み
  • 住民税・所得税が控除される
  • 控除限度額は年収や家族構成できまる
  • ふるさと納税後は確定申告が必要
  • 12月31日まで間に合うが支払いには注意

ふるさと納税について、5つのポイントに沿ってご紹介します。

元々は自治体を助けるための仕組み

ふるさと納税ができた背景として、過疎などにより税収が減っている地域と都市部の地域格差を埋めるためにできました。

つまり、人が減っていく自治体を助けるためにできた制度です。

日本では地方の過疎化が進んでいます。

地方の自治体サービスを利用して育っても、進学や就職で都心部に住居を移す人が多く、その居住先に納税することとなります。

そうすると、都心部の自治体は税収を得ますが、自分が生まれ育った地方の自治体には税収が入りません。

その結果、地方の地域自治体の税収が減り、教育や医療などのサービスを維持することが難しく、地域格差に繋がります。

これを埋めるために、納税者が納税場所を自分で選び納税できるようにと生まれたのが、ふるさと納税です。

ふるさと納税を利用した納税者は、返礼品を受け取れたり、好きな自治体を支援できたり、お互いにメリットが大きい仕組みとなっています。

そのため、利用者は毎年増加しており、2022年2月時点で740万人を越える人が利用している制度です。

住民税・所得税が控除される

ふるさと納税で2,000円以上寄付すれば、原則所得税と住民税から控除されます。

つまり実質自己負担2,000円で地域の名産品など返礼品をもらえる仕組みです。

ふるさと納税を利用しない場合、あなたの住んでいる自治体に納税をしますが、ふるさと納税を利用すると、納税するはずの税控除が受けられ、その控除額で寄付先や使い方を自分で決められるのです。

例えば、30,000円のふるさと納税をおこなうと、
2,000円を超える28,000円の所得税と住民税が控除されます。

その28,000円を好きな自治体に寄付をすることで、寄付額の30%以内の返礼品(ここでは8,400円以内)が受け取れます。

参考:総務省HP「ふるさと納税のしくみ

一点注意しなければならないのが、ふるさと納税はあくまで税金の控除なので、上限額を超えて寄付してしまうと2,000円以上の自己負担額が増えてしまいます。

納税額によって上限額は変わるので、自分の寄付上限額を確認しましょう。

控除はいつされる?

ふるさと納税を利用すると、納付した金額は“寄附金控除”の対象となり、税金の控除を受けられる制度です。

つまり、ふるさと納税を利用したのちに確定申告をして初めて控除が受けられます。

ふるさと納税を利用した翌年の2月〜3月に確定申告をし、その年の6月から翌々年の5月までが控除期間となります。

控除できているかの確認は、住んでいる自治体から送られる「住民税決定通知書」で確認できます。

会社員の場合、会社から配布されることもあります。

この通知書の「寄付金控除額」や「税額控除額」欄に記載されていれているので、受け取ったら確認しましょう。

控除限度額は年収や家族構成できまる

ふるさと納税で利用できる控除の上限額は、あなたの年収や家族構成(扶養家族)によって決まります。

扶養家族が多くなるほど控除の上限額が下がります。

前述の通り、控除上限額を越えて寄付をしてしまうと自己負担額が増えるので注意しましょう。

上限額に影響するのは16歳以上の扶養家族がいる場合です。

シミュレーションを利用して控除上限額を確認しましょう。

ちなみに、子どもが15歳以下の場合は扶養家族の対象とならないため、子どもがいない場合と同じ扱いとなります。

また、共働きの場合、各自それぞれがふるさと納税を利用できます

>>年収や手取りから限度額の詳細を確認したい方はこちら

控除限度額の計算方法

ふるさと納税はいつでも申請できますが、毎年1月1日〜12月31日で控除の上限額が区切られます。

つまり、控除額を翌年に持ち込むことはできません

限度額の計算法は、下記のように求められます。

控除限度額の計算式

ふるさと納税サイトには、簡易シミュレーション機能がついています。あなたの年収を元に計算できますので、控除限度額を調べてみましょう。

控除限度額の上限早見表

上記の計算式で上限額を算出できますが、年収と家族構成別に一覧表を作成しました。

ぜひ、ふるさと納税を利用するときの参考にしてください。

スクロールできます
給与収入独身
または共働き
夫婦
(配偶者の
収入無し)
共働き
+子1人
(高校生)
共働き
+子1人
(大学生)
夫婦
+子1人
(高校生)
共働き
+子2人
(大学生と高校生)
夫婦
+子2人
(大学生と高校生)
300万円28,00019,00019,00015,00011,0007,000
325万円31,000
23,000
23,000
18,000
14,000
10,000
3,000
350万円34,000
26,000
26,000
22,000
18,000
13,000
5,000
375万円38,000
29,000
29,000
25,000
21,000
17,000
8,000
400万円42,000
33,000
33,000
29,000
25,000
21,000
12,000
425万円45,000
37,000
37,000
33,000
29,000
24,000
16,000
450万円52,000
41,000
41,000
37,000
33,000
28,000
20,000
475万円56,000
45,000
45,000
40,000
36,000
32,000
24,000
500万円61,000
49,000
49,000
44,000
40,000
36,000
28,000
525万円65,000
56,000
56,000
49,000
44,000
40,000
31,000
550万円69,000
60,000
60,000
57,000
48,000
44,000
35,000
575万円73,000
64,000
64,000
61,000
56,000
48,000
39,000
600万円77,000
69,000
69,000
66,000
60,000
57,000
43,000
参照:総務省「ふるさと納税のしくみ

事業者などの給与収入以外の人は上記表とは上限額が異なります。

*「高校生」は16歳から18歳の扶養親族、「大学生」は19歳から22歳の特定扶養親族を指します。

15歳以下の子どもは、扶養家族の対象とならないため、子どもがいない場合と同じ扱いとなります。

上記の表はあくまで目安です。ふるさと納税できる具体的な金額を知りたい場合は、寄付金限度額を調べるシミュレーションを使うか、住んでいる市区町村に確認しましょう。

個人事業主は計算方法が変わる

給与所得ではない個人事業主は、毎年所得が変動するため控除限度額も変動します。

そのため、利用できる上限額がわからないという人は多いです。

結論からいうと、個人事業主の上限額は「住民税所得割額」の2割が目安です。

詳しくは以下の算式で求めることができます。

寄付可能上限額 = 住民税所得割額 × 課税所得に応じた変数 + 2,000円

「住民税所得割額」とは、収入から必要経費や仕入れ額などを引いた「所得」から所得控除の金額を差し引いたものです。

「所得控除」には国民健康保険控除住宅ローン控除が当てはまります。

次の「課税所得に応じた変数」とは、課税所得の金額に応じて23%〜45%の間で段階的に変わります。

詳しく知りたい場合は、税理士などに確認しましょう。

前年と所得が同じ程度になる見込みであれば、毎年5月~6月頃に住んでいる自治体から送られてくる「住民税決定通知書」で「住民税所得割額」が確認できます。

この「住民税所得割額」の2割程度が限度額の目安となります。

例えば「住民税所得割額」が20万円の場合、約4万円程度だと予測することができます。

控除限度額を計算する際の注意点

なるべくお得に制度を利用するためには、控除限度額を正確に計算する必要があります。

そのために、(給与所得者の場合)なるべく額面で計算する必要があります。

また、シミュレーションをしても上限を超えることがあるので、あくまで目安として利用します。

どうしても上限を越えたくない場合は、シミュレーションより少なめに寄付するのが無難です。

ふるさと納税後は確定申告が必要

ふるさと納税は “寄附金控除”を利用して税金の控除をするため、制度を利用した後に確定申告する必要があります。

条件を満たせば「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用することができ、ふるさと納税をした自治体に申請書を提出するだけで、確定申告をおこなわなくても簡単に寄附金控除が受けられます。

上限額は基本的に確定申告でもワンストップ特例制度でも同額です

確定申告はいつまでにすればいい?

確定申告は、ふるさと納税を利用した翌年2月16日〜3月15日の1ヶ月間に1年分を申請する必要があります。

この際、寄付をしたときに自治体から送られてくる「寄付金受領証明書」が必要になるので、確定申告をする時まで保管しておきましょう。

もし過ぎた場合は寄付金控除を受けられないので、忘れずにおこなうようにしましょう。

確定申告を忘れた場合の対処法

もし確定申告し忘れた場合や申告漏れした場合、基本的に提出期限の5年以内であれば、再度控除申請が可能です。

確定申告の相談をする場合、以下の手順で税務署に電話をかけましょう。

  1. 所轄の税務署に電話をかける
  2. 音声案内にしたがい「0 確定申告に関する相談やお問い合わせ」を選択する
  3. 「確定申告電話相談センター」につながる

確定申告電話相談センター」につながると、オペレーター職員、もしくは税理士が電話を受けてくれます。

申告忘れのむねを伝えて、その後の対処法を聞きましょう。

電話だとうまく話せるか自信がない方は、最寄りの税務署に確認しましょう。

会社員はワンストップ特例制度も利用可能

条件を満たしていれば、ワンストップ特例制度も利用することができます。

これを利用すれば、ふるさと納税をした自治体に申請書を提出するだけで、確定申告不要で簡単に寄附金控除が受けられます

利用条件は2つあります。

  • 確定申告をする必要のない人

給与所得者などが当てはまりますが、医療費控除や住宅ローン控除などで確定申告が必要な場合は、対象外となります。

  • 年間の寄付先が5自治体以内であること

同じ自治体に複数回寄付をしても1つとカウントされます。

これらの条件を満たしていれば、ワンストップ特例制度が適用され、翌年の6月以降に支払う住民税から自動的に控除されます。

ちなみに、ワンストップ特例制度の申請書を自治体に提出していても、翌年確定申告をした場合は、自動的に確定申告が優先されます。

ワンストップ特例制度を利用していても、必要な場合は確定申告をします。

12月31日まで間に合うが支払いには注意

ふるさと納税はいつでも申請できますが、毎年1月1日〜12月31日で控除の上限額が区切られます。

注意点として、入金が翌年になった場合、翌年のふるさと納税として扱われる可能性があります。

つまり、その年の控除額を使い切りたい場合は、余裕を持って申し込みをし、年内に入金が完了している必要があります。

クレジットカード決済の場合は決済した時点で入金扱いになり、12月31日23時59分まで受け付けてくれる自治体もあります。

しかし、基本的には入金が確認された日が入金完了となる場合が多いです。ふるさと納税の申し込みがギリギリになってしまった場合は注意しましょう。

始める時期は1月1日からOK

年が変われば、1月1日からでも翌年分のふるさと納税を申請できます。

年末は駆け込みで寄付をする人が多く、人気のお礼品が在庫切れになることも多々あります。

ふるさと納税は1年中いつでも申請可能なので、余裕を持って始めることをおすすめします。

それぞれのふるさと納税サイトが紹介しているおすすめ返礼品は、旬の時期をチェックしておくのがおすすめですよ。狙っている返礼品は、旬の季節の少し前にチェックしましょう。

ふるさと納税のメリット

ここまでふるさと納税の成り立ちから仕組みについて解説してきました。

ここからはふるさと納税の4つのメリットについて解説していきます。メリットはこちら。

  • 返礼品がもらえる
  • 自治体を応援できる
  • 税金が控除される
  • 自治体が受けられるメリット

実際にどのようなメリットがあるのか詳しく見ていきましょう。

返礼品がもらえる

ふるさと納税の大きなメリットとして、返礼品がもらえることが挙げられます。

この返礼品は、自治体の特産品や名産品などが準備されており、寄付額の30%以内の返礼品が受け取れます。

例えば、100,000円のふるさと納税をおこなうと、

2,000円を超える98,000円の所得税と住民税が控除され、
98,000円の30%、29,400円ほどの返礼品が受け取れます。

つまり、自己負担額が実質2,000円で、29,400円ほどの返礼品がもらえることになります。

ふるさと納税をしなければ、あなたが住んでいる自治体に税金を納めるだけで終わりです。

しかし、納税額を計算して先払いする手間さえ払えば、あなたが選んだ豪華な返礼品が自宅に届くのです。

人によっては、家電旅行券の返礼品を選ぶ人もいますよ。

自治体を応援できる

ふるさと納税は、ゆかりのある地や、住んでみたい地域、被災地など、応援したい地域を自分で選べます。

また、自分の納めた税金の使い道を選べる唯一の制度です。

たとえば、ふるさと納税で集まった税金には以下のような活用事例があります。

各自治体が寄付金の用途を明記しており、まちづくりや復興支援、子育て支援など、自分が応援したい税金の使い道を指定できる制度です。

税金が控除される

寄付額から2,000円差し引いた金額が、所得税と住民税から控除されます。

所得税と住民税は、1月1日〜12月31日までの年収(所得)によって支払う金額が決められます。

そのため、年末になれば大雑把な年収が計算できます。その年収から、所得税と住民税で支払う金額を計算し、先払いすることでふるさと納税の寄付金控除を受けられるのです。

支払う納税額に変わりはありませんが、同額を収めた上で返礼品がもらえたり、好きな自治体を応援できたり、メリットの多い制度だといえます。

自治体が受けられるメリット

ふるさと納税というと寄付側のメリットばかりに意識が向きますが、実は寄付を受ける自治体にもメリットがあるのがふるさと納税です。

過疎化が進む日本では財源困難な自治体が増えており、この制度により自治体の財源が増えるという大きなメリットがあります。

実際、寄付額上位の自治体は、予算の約半分がふるさと納税によって集めた資金で成り立っています。

ふるさと納税は、納付者が税金の使い道を指定できるほぼ唯一の制度であり、寄付する側もされる側もお互いWin-Winだといえます。

その他にもメリットはあり、返礼品には地元の事業者の品が使われるため、地域の産業が活性化する好循環が生まれていること、返礼品などを通じて町のPRになり旅行産業の発展などにも繋がっていることなどが挙げられます。

ふると納税のデメリット

使わない手はないほど、魅力の多いふるさと納税ですが、デメリットはあるのでしょうか。

ここからは、ふるさと納税のデメリットをまとめました。

デメリットは以下の3点です。

  • 減税や節税をしているわけではない
  • 確定申告などの申請が面倒
  • 寄付金が控除されるのは翌年

制度を受けられる対象者が利用すれば基本的にはメリットしかありません。

減税や節税をしているわけではない

よくある勘違いで、ふるさと納税をすると減税や節税効果があると思われることがあります。

しかし、ふるさと納税は減税対策ではありません。

制度を利用した翌年、所得税と住民税が控除されますが、これはすでに支払ったお金が戻ってきているだけで、住民税が減っているわけではありません。

実質、ふるさと納税は自己負担が2,000円あるので、家計収支だけで見ると、2,000円マイナスということになります。

ただ、普段生活で使っている食品や日用品を返礼品で受け取ったことで、結果的に節約になったという人は多いです。

確定申告などの申請が面倒

ふるさと納税は、返礼品を選べば勝手に税金控除を受けられるわけではありません。

ふるさと納税を利用した翌年の2月16日から3月15日までに確定申告をする必要があります。

確定申告には、寄付した体から受け取った「寄附金受領証明書」が必要となるなど、準備が必要となります。

e-Taxという国税電子申告・納税システムを利用するとスマホ1つで完結できる方法もありますが、確定申告が面倒だと感じる人も多いです。

基本的に、給与所得のある方は「ワンストップ特例制度」を使って確定申告をせずに税金控除を受けられるケースが多いです。

寄付金が控除されるのは翌年

ふるさと納税は先に寄付金を支払う制度です。

その場で寄付金が控除されるわけではないので、無理して制度を利用すると家計を圧迫します。

家計に余裕がない場合のふるさと納税利用はおすすめできません。

ふるさと納税はあくまで“寄附金控除”で、翌年に確定申告をして税金の控除を受けられる制度です。

税金が控除されるまでに時間差があることを理解しておきましょう。

ふるさと納税をした方がいい人の特徴

ここまで制度のメリットとデメリットを整理してみてきました。

ここからは、特にふるさと納税を利用した方がいい人の特徴をまとめます。

  • 所得税と住民税を納めている人
  • 所得が高い人ほどお得
  • 地元が好きで地域貢献したい人

もし、まだ利用を悩んでいる場合は、これらの特徴を確認し検討材料の参考にしてください。

所得税と住民税を納めている人

所得税と住民税を納めている人は、納税しなければならない額は変わらないので、ふるさと納税を利用することで返礼品までもらえる、メリットの多い制度だといえます。

とくに会社員の給与所得の人は、ワンストップ特例制度を活用できるので、ふるさと納税のデメリットである確定申告の必要がなく、利用しない理由がないほどお得な制度だといえます。

この制度は、寄附金控除による税金の控除制度です。

そのため、収入がない場合や、一定の所得以下の場合は、所得税や住民税を納税していないので、利用するメリットがありません。

所得が高い人ほどお得

控除額の上限のシミュレーションをみると(*上記「控除額の上限早見表」を参照)所得が高くなればなるほど累進して寄付上限額が上がります。

とくに年収が700万円を超えると、上限額が10万円を超えるため、高額な返礼品を受けられることとなります。

10万円の返礼品には次のようなものもあります。

どれも購入しようと思うと数万円以上しますが、ふるさと納税を利用すれば自己負担2,000円でこれらを受け取れることになります。

裏を返せば、制度を利用しなければ、受け取れるはずの恩恵を逃すことになります。

地元が好きで地域貢献したい人

ふるさと納税は税金の使い道を自分で選択できる唯一の制度です。

そのため、生まれ育った地元やゆかりのある土地など、思い入れのある地域があり、そこへ貢献したい人はぜひ利用したい制度だといえます。

住民税は本来住民票のある自治体に支払うものですが、制度を利用すれば、好きな地域を選べます。

まだふるさと納税をやっていなくて、悩んでいる場合は、ぜひ地元へ貢献するために利用するのはいかがでしょうか。

ふるさと納税のやり方・申込みの流れ

実際どのように制度を利用するのか、結論からいうと下記の4ステップです。

1、控除上限額を調べる
2、ふるさと納税サイトから欲しい返礼品を選び申し込
3、返礼品を受け取る
4、税金控除の手続きをする

それぞれ詳しく解説していきます。

STEP
控除上限額を調べる

あなたが利用できる控除限度額は年収や家族構成によって異なります。

給与所得者の場合「控除限度額の上限早見表」を参考にする、もしくはふるさと納税の寄付金限度額シミュレーションなどでも調べることができます。

STEP
ふるさと納税サイトから欲しい返礼品を選び申し込む

算出した限度額を元に応援したい自治体と返礼品を選びます。

おすすめのふるさと納税サイトを下にまとめているので、ぜひ参考にしてください。

ワンストップ申請を利用する場合は、申し込みの際にチェックをしておきます。

STEP
返礼品を受け取る

返礼品を申し込んだら、自治体から返礼品と寄付金の領収書「寄附金受領証明書」が届きます。

ワンストップ申請利用にチェックした人は、同時に申請書も同梱されているか確認しましょう。

ちなみに、返礼品の到着時期は自治体や返礼品の種類・旬の季節などによって異なります。

STEP
税金控除の手続きをする

税金控除を受けるために「確定申告」もしくは「ワンストップ特例制度」を申請します。

もし忘れた場合は寄付金控除を受けられない可能性があるので、気をつけましょう。

詳しい確定申告のやり方は下記で解説します。

ふるさと納税後の確定申告のやり方

せっかく制度を利用しても、確定申告を行わないと、高い返礼品を高い値段で購入しただけになります。

ワンストップ特例制度を利用しない場合は、必ず確定申告をしましょう。

ここでは、今まで確定申告をしたことがない人にもなるべくわかりやすく解説していきます。

  • 確定申告をすると翌年度の控除を受けられる
  • ワンストップ特例制度で確定申告不要になる
  • 会社員でも確定申告が必要な場合がある

ぜひお得に制度を利用しましょう。

確定申告をすると翌年度の控除を受けられる

そもそも確定申告とは、前年1月1日から12月31日の1年間の所得や医療費、扶養家族の人数などを、税務署に申告し、納税額を確定することをいいます。

給与所得である会社員の場合、企業がこれらを申請しているため個人が提出することはありません。

一般的に確定申告をするのは、事業所得の自営業者や不動産収入のある人です。

また、原則、2月16日〜3月15日の1ヶ月間に1年分を申請します。

ふるさと納税の控除を受けるためには、利用した翌年確定申告をおこなう必要があり、その際には「寄付金受領証明書」が必要となります。

ワンストップ特例制度で確定申告不要になる

ワンストップ特例制度は、確定申告をせずに寄付金控除が受けられる仕組みです。

この制度を利用する条件
  • 確定申告をする必要のない人
    (給与所得者など)
  • 年間の寄付先が5自治体以内

申請に必要な書類は、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」とマイナンバーカードなどの本人確認ができる書類の2つです。

これらは、ふるさと納税を利用した翌年の1月10日までに必着で提出します。

注意点があり、申請書類は寄付するごとに自治体へ郵送が必要です。

もし同じ自治体に2回寄付をした場合でもは、2回郵送が必要となります。

これを忘れると、控除対象から外れるので要注意です。 

参考:寄附金税額控除に係る申告特例申請書

会社員でも確定申告が必要な場合がある

1年間での寄付した自治体が6つ以上ある場合は、確定申告が必要となります。

同じ自治体に2回以上寄付をしても1つとしてカウントされるため、5つ以内の自治体に複数回寄付すれば、ワンストップ特例制度を利用可能です。

また、ワンストップ特例制度の申請書を提出期限までに提出できなかった場合も確定申告が必要となるので忘れずに必ず提出しましょう。

おすすめのふるさと納税サイト

ふるさと納税サイトの数がたくさんあり、どこから利用すればいいかわからず悩む人は多いです。そこでここでは、とくにおすすめのふるさと納税サイト3つをまとめました。

  • さとふる
  • 楽天ふるさと納税
  • ふるさとチョイス

さとふる

さとふる

ふるさと納税を初めて利用する人におすすめなのが「さとふる」です。

扱っている返礼品が豊富なうえに、さまざまなランキングや特集ページが組まれているので返礼品に迷いにくく、手軽に使いやすいサイトだといえます。

取り扱い自治体は、1,214(ちなみに全国の自治体数は1,788)という圧倒的な数字を誇ります。また、返礼品数は、653,774点です(2023年2月17日現在)。

さとふるでは、期間限定キャンペーンを定期的に開催しているので、さとふるについて詳しく知りたい、最新の情報を知りたい場合は、こちらの「さとふる人気返礼品ランキング!最新キャンペーン情報」を確認してください。

\ さとふる公式サイトをみる /

楽天ふるさと納税

楽天ふるさと納税

楽天ポイントを利用する楽天圏内で生活している人”におすすめなのが「楽天ふるさと納税」です。

普段の楽天市場での買い物の延長でふるさと納税を利用できます。

独自で開催しているキャンペーンを併用して利用すると、楽天ポイントも効率的に貯めることができます。

2023年2月2日現在、取り扱っている返礼品数は448,577点です。さとふるよりは少なくなるものの、豊富な品数だといえます。

「楽天ふるさと納税」についてもっと詳しく知りたい時は、楽天ポイントや、楽天ふるさと納税のやり方を解説したこちらを確認してください。

\ 楽天ふるさと納税公式サイトはこちら /

ふるさとチョイス

ふるさとチョイス

ふるさと納税サイトの老舗サイト「ふるさとチョイス」は、取り扱い自治体数と返礼品数が最も多い大型総合サイトです。

2023年2月現在、取り扱い自治体は約1,700で、全国の自治体数1,788に対して95%を網羅している圧倒的な数字を持っています。

また、返礼品数も50万点以上あり、珍しい返礼品も取り扱っています。

すでに寄付したい自治体が決まっていたり、変わり種の返礼品を選びたい場合は「ふるさとチョイス」がおすすめです。

「ふるさとチョイス」についてもっと知りたい場合は、最新キャンペン情報やポイント制について詳しく解説しているこちらを確認してください。

\ふるさとチョイス公式サイトはこちら/

ふるさと納税の返礼品について

自治体が用意する返礼品にはルールがあります。

  • 寄付金額の3割程度の返礼品が届く
  • 返礼品はいつ届く?
  • 返礼品はどんなものがある?
  • 返礼品はどこで選べばいいの?

このルールについて詳しく下記で説明していきます。

寄付金額の3割程度の返礼品が届く

ふるさと納税を利用すると、寄付額に対して3割以下の返礼品が届きます。これは、2019年6月に総務省が新たに定めたルールです。

ちなみに“返礼率”と“還元率”は異なり、ここで総務省が定めた3割というのは、仕入れ値を基準にした“返礼率”のことを指します。

それに対して“還元率”とは、市場価格に対した割合のことを指すため、ふるさと納税サイトで「還元率80%」などが存在するのは、仕入れ値が3割以下であれば問題ないためです。

3割超えの返礼品が出回り問題となった

制度発足した当時、ふるさと納税によるメリットが大きく、急速に市場拡大しました。

それと同時に、自治体間による“返礼品の過熱”が発生し歯止めが効かなくなった時期があります。

これを経て2019年法律が定められることとなりました。

背景としては、当時3割を大きく超える返礼品や、地場産品とはいえないAmazonギフト券などの返礼品を提供する自治体が現れ、多額の寄付を集めました。

これにより、寄付の争奪戦が起こったため、法律を定めることとなりました。

ちなみに、実際、総務省の警告に従わなかった自治体が、ふるさと納税の税優遇を受けられない対象となった(実質ふるさと納税を除外された)事例もあります。

返礼品はいつ届く?

返礼品が届く時期は、自治体や返礼品によって異なります。お米や野菜、魚などの食品は旬の時期に届くことが多いです。

そのため、同じ食材を何個も頼んでしまうと、同時に大量に返礼品が届いて保管に苦労したという失敗例もよく目にします。

基本的にはポータルサイトにいつ頃届くのか目安が書いてあるので、確認して注文しましょう。

返礼品はどんなものがある?

定番で人気の返礼品は、以下のような食品や日用アイテムです。

その他、日本が誇る工芸品や、物だけでなく現地体験ができるチケットやイベント参加券まであり、多種多彩といえます。

とにかく種類が多いので、普段利用しているもの、消費するもの、一度試したかったものなど、サイトを確認すれば、きっと利用したいものが見つかります。

返礼品はどこで選べばいいの?

すでに好きな自治体があったり、寄付したい自治体があったりする場合は、その自治体のホームページから探すこともできます。

しかし、たくさんの返礼品から選びたい場合は、ふるさと納税サイトを利用するのがおすすめです。

ふるさと納税サイトにはさまざまな自治体の返礼品が並んでいるため、返礼品を比較しながら選びやすいという特徴があります。

また、キャンペーンを実施しているサイトも多いため、ポイントを貯めれば通常利用するよりもお得に購入できるかもしれません。

たとえば、楽天ふるさと納税ならふるさと納税の購入でも楽天ポイントが貯まります。貯まったポイントはもちろん通常の買い物でも使えますし、来年のふるさと納税でも利用可能です!

ふるさと納税に関する注意点

ここからは、ふるさと納税の注意すべき点についてまとめました。

  • 限度額を超え寄付金は控除されない
  • 住民票がある自治体に寄付できるが返礼品はもらえない
  • 退職翌年のふるさと納税は退職金の計算に注意
  • 住宅ローン控除を併用する場合は計算に注意
  • ワンストップ特例申請書が届かない場合は自分で用意する

勘違いする人も多いので、制度を利用する前に確認しておきましょう。

限度額を超え寄付金は控除されない

ふるさと納税を利用して寄付できる限度額は、その人の年収や家族構成によって異なります。

しかし、その限度額を超えて寄付してしまった場合、超えた分の寄付金は控除対象外となります。

つまり、実質実費で寄付したこととなります。

限度額を超えてしまったかもしれないと不安な方、限度額を超えた際の対処法もチェックしておきましょう。

住民票がある自治体に寄付できるが返礼品はもらえない

自分が住んでいる自治体に寄付することもできますが、返礼品はもらえません。

ふるさと納税を利用する大きなメリットである返礼品を受け取るためには、住民票の入っていない自治体に寄付する必要があります。

自分が住んでいる自治体に寄付するメリットは、自分の寄付金の使い道を自分で選べることです。

これはふるさと納税をおこなうメリットでもあるので、何の目的で制度を利用するのか明確にしておきましょう。

退職翌年のふるさと納税は退職金の計算に注意

退職金には「退職所得控除」という税負担が大幅に軽減される優遇措置があります。

そのため、ふるさと納税の上限額を計算するにあたり、下記のような特殊な計算が必要です。

​​退職所得=(収入金額-退職所得控除額*)÷2

*退職所得控除額

勤続年数20年以下・・・40万円×勤続年数(最低80万円)

勤続年数20年超え・・・800万円+70万円×(勤続年数-20年)

非常に複雑な計算となるので、退職する人がふるさと納税をおこなう場合は、注意する必要があります。

退職金には特殊な計算が必要なことを知らずに、ふるさと納税を多額申し込みしてしまうと、自己負担が増えて損をしてしまうこととなります。

退職金は税上の特殊な優遇措置があり、思っているよりふるさと納税の上限額が増えるわけではないことを理解しておきましょう。

住宅ローン控除を併用する場合は計算に注意

ワンストップ特例制度を利用する場合、気にしなくて大丈夫です。

なぜなら、ワンストップ特例制度の控除対象は住民税のみとなり、住宅ローン控除に影響しないからです。

しかし、確定申告を利用すると、住宅ローン控除よりふるさと納税が優先されるため、住宅ローン控除の控除上限を超える可能性があり、注意が必要です。

しかし、両制度とも同時に利用することができ、一部上限額が減ったとしても返礼品を考慮すると利用した方がいいという人は多いです。

ワンストップ特例申請書が届かない場合は自分で用意する

ワンストップ特例申請書の形式は統一されているので、申請書が届かなかった場合や、紛失した場合は、下記をダウンロードして利用します。

ワンストップ特例申請書テンプレート

 また、注文時にワンストップ特例申請のチェックをつけ忘れた場合なども、自分でダウンロード可能です。

ふるさと納税に関するよくある質問

ここまで読んでいただき、ふるさと納税のことについて理解を深めてもらえたと思います。

その上で、よくある質問をまとめたので、利用の際の参考にしてください。

年末調整は関係ありますか?

いいえ、関係ありません。

年末調整とは、給料や賞与など、会社が12月の給与支払日の時に所得税などの過不足を再計算する制度のことです。

しかし、ふるさと納税の寄付金総額は1月1日から12月31日で計算されるため、会社の年末調整には間に合わず、年末調整で控除はできません。

つまり、ふるさと納税に年末調整は関係なく、確定申告かワンストップ特例制度の手続きをする必要があります。

同じ自治体の返礼品を2種類以上申込みしても良い?

はい、問題ありません。

ふるさと納税を利用して、同じ自治体に2種類以上の返礼品を選ぶことや、複数回申し込むことも問題ありません。

また申し込むたびに自己負担が2,000円かかると思っている人がいますが、年間通して全部で2,000円しかかからないので、複数種類を複数回に分けて申し込んでも問題ありません。

しかし、自治体によって「1年に1回まで」などと制限を設けているところもあるので、心配な場合は申し込み前に確認しましょう。

年収は総支給額か手取り金額、どちらで計算すれば良い?

ふるさと納税における年収とは、額面の“総支給額”を指します。

総支給額を言い換えると、所得税や社会保険料などが控除される前の給与や賞与全てを合計した額面の金額のことです。

ただし、年収が確定してからふるさと納税を利用するとなると、年末で間に合いません。

そのため、当年の年収の予測がついた時点で予測した年収で申し込むことをおすすめします。

前年の総支給額を確認するためには、源泉徴収票を確認するか、住んでいる自治体に問い合わせる方法があります。

寄付金額が限度額より少ない場合でも問題ない?

はい、問題ありません。

ふるさと納税はあくまでも活用した分だけ控除を受けられる制度なので、やらない分はいままと同じく税金を支払うだけです。

限度額を下回っている場合も同じで、いままでどおり住民税・所得税を支払うだけです。

逆に限度額を上回る場合は注意が必要です。

寄付金控除は決められた金額までしか控除を受けられないため、超過分を実費で寄付することとなります。

シミュレーションで算出した金額より気持ち少なめに寄付した方が安心だといえます。

ふるさと納税は無職でもメリットがある?

いいえ、ありません。

ふるさと納税は、納税した住民税や所得税が控除される仕組みなので、納税していない人がふるさと納税を利用するメリットはありません。

そのため、無職の方がふるさと納税をすると、税金控除を受けられず自治体へ寄付するだけになってしまいます。

寄付した分は返礼品を受け取れますが、返礼品の価格設定は寄付金額が含まれている分、市場価格よりも高めに設定されています。

欲しい物をもらったとしても、通常よりも高い金額を払っているのでメリットとはいえないでしょう。

公務員でもやり方は同じですか?

はい、同じです。

ふるさと納税は“寄付”であり副業ではないので、公務員も同じ手続きで制度を利用できます。

ふるさと納税をやってる人の割合は?

約12%の人が利用しています。

2022年2月時点で740万人の人がふるさと納税を利用しており、年々利用者が増えている制度です。

参考資料:「ふるさと納税に係る住民税控除額及び控除適用者数の推移(全国計)

会社に迷惑がかかりますか?

いいえ、とくにありません。

ふるさと納税は会社に提出しなければならない年末調整なども関係ないため、個人で利用できる制度だといえます。

まとめ

ここまでふるさと納税とは何か仕組みからメリット・デメリットまで解説してきました。

申請さえ行えば非常にメリットの多い制度だといえます。

「ふるさと納税の仕組みがわからない」
「ふるさと納税はお得らしいけどやり方がわからない」
「ふるさと納税のメリットは何?デメリットはあるの?」

などと疑問を持っている方は、ぜひ本記事を参考にしていただき、今年からふるさと納税を利用してはいかがでしょうか。

おすすめ返礼品はそれぞれのふるさと納税サイトが紹介しているので、色んなサイトで比較してみてください!

2022年12月3日 17:16

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