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薬剤師が最新ニュースに物申す!5分で読める2020年9月のニュース

こんにちは、けちゃおです。

新型コロナの流行により、様々な業種の働き方が大きく変わりました。

それは薬剤師も例外ではなく、減益となる企業が増え、これまでのように「国家資格だから安泰」といっていられる状況でもなくなりました。

薬剤師の働き方について見直す時期が来ているのかと思います。

今回は、そんな薬剤師の今後を考える上で参考になるニュースを取り上げてみましたので、ぜひご一読ください。

臨床研修求める声強まる~薬剤師業務の理解進まず

ニュース概要

厚労省の「薬剤師の養成および資質向上に関する検討会」は、薬剤師の現状について意見交換を行い、薬剤師の業務に対する医師などの理解が足りていないことなどが課題として挙げられました。医師と同等の臨床研修を実施するべきなのではないかといった対応策が検討されています。

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薬読 2020/9/14

意見

病院薬剤師を描いたドラマが話題となり、一般の人にも薬剤師がどのような仕事をしているのか理解されるようになりました。しかし、ドラマ内でも言われていましたが、医師など他の医療従事者にとって、薬剤師は薬を出すだけの人と見られてしまうことも多く、まだどのような仕事をしているのか、その重要性についての理解は進んでいないように思います。

薬剤師として働く者としても、薬剤師の地位はまだまだ低いと痛感させられることも多く、向上は今後課題だと思いますし、日本の医療向上のためにも必要だと思います。

海外に目を向けてみると、国によって薬剤師という仕事の内容や地位は大きく変わります。私も海外の薬剤師事情に詳しいわけではありませんが、理想とするのは、アメリカの薬剤師です。「アメリカでは薬剤師の地位が高い」といった話は薬剤師として働いていると一度は耳にしたことがあると思います。では、どのような点が日本と違うのか。日本との違いは大きく二つ、薬剤師の裁量が大きいことと、調剤以外の業務がメインとなっていることです。

アメリカでは「リフィル処方せん制度」が導入されています。これは、一回の処方せんで複数回の調剤が可能となるものです。当然容体が安定している人に限られますが、薬を定期でもらっている人には都度受診する必要がなくなるので、手間と医療費の削減に繋がります。

この制度では、薬剤師の必要性は非常に高くなります。というのも、医師が診察をしていない分、薬剤師が経過を確認して処方の継続について判断しなければならないからです。

また、調剤についてはテクニシャンと呼ばれる補佐役がいて、薬剤師の監視のもと調剤を行うことができます。日本でもピッキング業務に関しては事務員が行うことも認められていますが、それでも調剤の大半は薬剤師が行っているのが現状です。アメリカではテクニシャンが調剤を行うため、病院薬剤師は病棟での患者のケアであったり、チーム医療といったりしたところが業務の大半を占めているようです。

アメリカと比べると、日本の薬剤師ができる仕事は本当に限られているなと思います。薬剤師が唯一処方に意見できる疑義照会も、医師から疎まれることも多く、薬のことでも医師=絶対となっています。

地位向上を目指して6年制となった薬学部ですが、現状としてはあまり変わっていないように思います。今回の記事でも臨床研修の充実などが意見として取り上げられたそうですが、そもそも調剤が業務の中心となっている今の状況では、実力をつけたとしてもそれを発揮する場が圧倒的に少ないことが問題なのだと思います。今回紹介したような欧米式の制度導入など、抜本的な改革が必要かもしれませんね。

MR認定要綱を策定へ~教育研修の方向性提示

ニュース概要

MR認定センターは、教育研修の方向性を定めた「MR認定要綱」を策定すると発表しました。これまでは合格者にMR認定書を交付することを主な業務としてきましたが、それに加えてMRの教育を支援し、認定センターとMR個人個人の責務を明確化させることを目的としています。

この改革により、MRの地位向上を目指していく方針です。

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薬読 2020/9/2

意見

MRの地位向上についての話題です。

新型コロナの流行により、MRの働き方にも大きな変化が起きています。

各医療機関が厳しい訪問規制を継続していて、特に大病院では医師と面会することも難しくなってしまいました。医師が利用する情報チャネルもMRだけではなくweb講演会やMR君などのインターネットを利用する頻度が高くなっています。

コロナ前でもMRは減少傾向にありましたが、かねてから言われていたMR不要論が、これを機に加速していく可能性も否定できません。私も過去にMRを経験していたことがあり、外資系、国内大手、ジェネリックメーカーなど各社にMRの知り合いが居ますが、皆一様にMRの将来性については不安を感じていました。特に今の情勢で過度な訪問ができないという状況では、少ない時間で結果を出さなければならず、今まで以上に結果を残せる人とそうでない人とが分かれてしまうのではないかと思います。

優秀なMRのみが残る時代になっていくことを考えると、その中で生き残る為に、今後のMRが何を求められているのかをしっかり押さえておかなければなりません。

MRに求められているのは「情報の早さ」「正確さ」です。確かにwebツールを使えば目的の情報は得られるかもしれませんが、調べるのに一定の時間がかかります。特に忙しい医師に取ってみれば、常に身近にいて質問に答えてくれるMRという存在はありがたいはずです。また、文書で得られる情報だけでは解釈が難しい局面もしばしば存在します。その時に、「このようなケースでは○○となります。」とケースに応じた対応が出来るのもMRの強みであり、存在意義だと思います。裏を返せば、表面上の情報しか伝えることの出来ないMRは医師にとっては不要の存在になっていくと思われます。

今、調剤薬局の薬剤師としてMRと話す機会も多いですが、MR個人個人の能力には明らかにばらつきがあると感じます。当然新人とベテランとでは経験値、知識量が違いますし、メーカーによっては研修制度が充実しているところもありますので、そういった違いもあるのでしょう。ただ、中にはそれなりに経験を積んでいる人でも基本的なことを知らなかったりということもあります。先ほど「優秀な人が生き残る」と書きましたが、理想とするのはMR全体の質が上がり、医師がどのMRと話をしても「優秀だ」「必要だ」と思ってもらえることだと思います。

今回の記事はMR認定制度の改革について書かれています。確かに、これまでのMR認定センターはMR資格を取るとき以外で存在感を発揮することはありませんでした。今後どの程度の改革がされていくのかはわかりませんが、内容としては表面上の知識を求めるだけでなく、より実践的な対応力を高めるものであることが求められます。

MRの地位向上を目指すのであれば、実践的な研修を継続して行うことで、業界全体の底上げを実現して欲しいと思います。

厚生労働省 不妊治療の現在の助成制度を大幅に拡充へ

ニュース概要

菅総理大臣は、田村厚生労働大臣との会談で、不妊治療の保険適用拡大を早急に検討するよう指示しました。同時に、適用が拡大されるまでの間についても負担が軽減されるよう、助成制度の大幅な拡充も求めています。

これを受けて、厚生労働省は現在の制度について、対象年齢や回数などの見直しを進めるとしています。

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NHK 2020/9/18

意見

自民党総裁選で、菅さんが選出されました。コロナ渦が続いている中で大変な時期ではありますが、少しでも良い方向へと向けていってほしいところです。

安倍路線継承とは言われていますが、その中でも新しい政策がいくつか提唱されています。実現できるかはさておき、具体的な政策をあげ、実現に向けて議論を始めているという点は個人的には評価したいと思います。

その政策の中で、医療に関係のある項目として注目されているのは「不妊治療の保険適用」でしょう。

不妊治療は現在のところ、タイミング療法であれば保険適用となりますが、人工受精となれば保険適用外となります。病院での支払いもそうですが、処方される薬も自費となるので、薬代だけでも月に数万円かかるという状況です。薬局で患者さんから話を聞いていると、数ヶ月続けたけれど資金に余裕がなくなったので一旦中止して、お金をためてから再開するという人も多いようです。また、不妊治療で一人目を産んだけれど、子育てにもお金がかかるので二人目の治療をする余裕がない、という人もいます。不妊治療は続けたとしてもいつ妊娠するかわからない、妊娠しないままリミットを迎えてしまうという可能性も高いものです。「100万円かけたら絶対子供が出来る」といった確実性がないものですので、余計に金銭面で負担と感じることが多いようです。

不妊治療を継続するのに、金額が最大のネックとなっているのは間違いありません。出生率の改善には子育て支援の充実も大事ですが、その前段階として産むための支援というのも同じくらい大事です。

不妊治療の自己負担が軽くなることで、これまで治療してきた人が継続しやすくなることはもちろんですが、今まで年齢や不妊であることを理由に結婚や出産をためらってきた人にとっても、出産に前向きとなるきっかけになればと思います。

まとめ

今回は、薬剤師、そしてMRという二つの職業の地位向上について取り上げてみました。

新型コロナの流行によって安泰と思われていたこれらの仕事にも不安を感じることが増えてきていますね。だからこそ、現在の状況や将来的な地位向上に必要なことについてしっかり把握しておいて、個々人が高い意識を持って仕事に取り組むことができるといいですね。

私が大学を卒業してから10余年経ちますが、その間で薬剤師やMRの地位が向上したとはとても思えません。これからは、もう少しそれを実感できるようになっていてほしいと思います。

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