マンション売却の基礎知識

2020-11-12

築40年マンションはなぜ売れる?売れる物件の条件や売却の注意点

築40年が過ぎたマンション、こんなに古くて売れるのかな?

早く手放すにはどうしたら? 不動産会社にどう相談したらいい?

新型コロナ下においても中古住宅市場は活況です。しかし、築40年、築50年といったマンションとなると「古すぎて売れないんじゃないか‥」と心配になる人も多いはず。

新築から月日が経つほど、資産価値が下がっていき、安くしなければ買手がつかない傾向があるのは事実です。

とはいえ、管理状態が良ければ100年でも問題なく住み続けられるのがマンションです。「古いから売れない」と結論づけるのは早計です。

この記事では、築40〜50年経過した「築古マンション」の特徴や、高く売るためのポイント、売る時の注意点などを解説します。

目次

    築年数が経過するほど資産価値は落ちるが、ゼロにはならない

    前提として押さえておきたいことは、「マンションの価格は築年数を経るごとに落ちていく」ということ。

    価格の下落率は古くなるほど大きくなり、築25年ごろにはピークに達します。

    しかし築30年以降になると、価格の下落は横ばい状態に

    また、管理が行き届いていれば築40年〜50年でも十分住み続けられます。人が住めるエリアにある物件なら、よほどのことがない限り、資産価値はゼロになりません

    まれに、管理費や修繕費の滞納者が大量に発生している地方のリゾート地のマンションなどで、価値がゼロになるどころか、マイナス価格をつけられる場合もあります。

    マイナス価格とは「売主がお金を払う」形でないと、買手がつかないことを意味します。もっとも、これはあくまで例外的なケースと考えてよいでしょう。

    耐震性は「旧耐震基準」か「新耐震基準」かでチェック

    たまに耳にする「耐用年数」という言葉から、「マンションには住んでいられる期間に限界がある」と考える人もいるのではないでしょうか。

    しかし、耐用年数とは税務上の用語で、「住み続けられる年数」とは無関係です。

    例えば、木造住宅は22年、鉄筋コンクリート造は47年と、国税庁により年数が定められています。この数字は「減価償却が終わる年数」を意味しているに過ぎません。

    「適切に管理されているマンションなら、100年でも200年でも住み続けられる」と専門家はいいます。


    マンションに住み続けられる期間は、耐用年数より耐震性が「新耐震基準」かどうかに注意しよう。

    耐震基準の「旧耐震基準」と「新耐震基準」の違いは耐える地震の大きさ

    耐震基準には「旧耐震基準」と「新耐震基準」の2種類あります。

    1981年6月以降に適用されているものが新耐震基準です。

    それ以前に建築されたマンションは旧耐震基準で建てられており、耐震性能が低い場合があります。

    旧耐震基準と新耐震基準の違いは、建築物が耐える地震の大きさです。

    旧耐震基準は「震度5で崩壊するおそれがないこと」を基準にしていますが、新耐震基準は「震度5ではほとんど損傷しないこと」「震度6~7で崩壊するおそれのないこと」と、より厳しい基準となっています。

    ただし、「旧耐震基準のマンションだから危険」と決めつけることはできません。

    旧耐震基準であっても耐震性のあるマンションは存在しています。

    耐震診断を行っているマンションもありますので、診断結果を確認してみるとよいでしょう。

    一括査定サイトで査定してみよう

    築年数が経過したマンションでも、売れるか気になる時は、不動産会社に査定の依頼をしてみましょう。

    査定には、訪問査定と簡易査定の2種類があります。

    査定方法 特徴
    簡易査定
    (机上査定)
    家を見ないで行う査定方法
    大まかな相場感をチェックできる
    訪問査定
    (詳細査定)
    家を見ないで行う査定方法
    大まかな相場感をチェックできる

    簡易査定は、立地・築年数・面積・近隣の類似物件の成約価格などの過去のデータを参考にして、簡易的な査定をするものです。

    不動産会社の担当者が物件に直接訪れることはありません。

    訪問査定は、直接物件を訪問し、近隣環境や内装・設備の状況、日当たり・眺望など、物件ごとの実態を見て、より精度の高い査定を行う方法です。

    まず初めにおすすめしたいのは、簡易査定を複数の不動産会社に同時に依頼できる「一括査定」を利用すること。

    不動産一括査定サイトとは?

    不動産一括査定サイトの仕組み

    不動産の一括査定サイトとは無料で不動産一括査定の依頼ができるサービスです。

    ネットで物件情報を入力すると、早ければその日のうちに、簡易査定の結果が届きます。

    一括査定は、複数の不動産会社の中から、信頼できる不動産会社を探すうえで役に立ちます。

    査定が終わったら、すべての不動産会社に「査定価格の理由」を尋ねてみましょう。

    なかには契約をとりたいあまり、根拠なく高めの査定価格を提示する不動産会社もあります。そんな会社は具体的な答えを返せないはず。逆に、具体的な説明が出来る不動産会社は信頼できます。

    一括査定のさいは、「高く売る方法の提案が欲しい」と一言添えるのもコツ。

    親身に相談にのってくれる不動産会社を探す手がかりをつかめるかもしれません。

    イエトク編集部おすすめ一括査定サイト一覧

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    築40年でもなぜ買手がつく?売れる築古マンションの条件とは

    築40年の築古マンションでも、好立地など条件が整っていれば、買い手がつきます。

    また、中古住宅市場を活性化しようとする国の政策も、築古マンションには追い風になっています。

    じつは新築よりも好立地が多い築古マンション

    じつは、新築マンションよりも築古マンションの方が、立地条件が整っている傾向があります。

    好条件の立地ほど早くからマンションが建設されるからです。

    ターミナル駅や病院、学校に近い、自然環境に恵まれているなど、好条件の物件を安く探そうと思うと、買手の関心は必然的に築古マンションに向かいます。

    新築物件は高額で手が出せない

    ここ数年、中古住宅市場は好調を維持しており、新型コロナ下においても変化は見られません。

    背景には、新築マンションが高額化したことで、比較的安価な中古物件に消費者の関心が流れていることがあります。

    もともと日本人には「新築信仰」がありましたが、近年は「古くても、好立地のマンションが安く手に入るならそれでいい」と考える消費者が増えています。

    また、購入後のリノベーションにお金をかけるために、マンションの購入費を抑えたい人もいます。そんな人には築古マンションは魅力的にうつります。

    国も中古マンションの売買環境を整えている

    国が中古住宅市場の活性化に取り組んでいることも、築古マンションにとって好材料です。

    例えば、中古住宅を売買するとき不動産会社が「インスペクション(建物状況調査)」のあっせんが可能かを売主と買主に説明する義務を付けたことです。

    インスペクション(建物状況調査)とは

    雨漏りや漏水はないか、壁や柱、土台など躯体のひび割れや欠損はないかなど、建築物のコンディションを診断するもの。

    「既存住宅状況調査技術者」と呼ばれる資格を持った建築士が行います。

    従来、「中古住宅は新築にくらべて品質や安全性に問題があるのでは」という消費者の懸念が、中古住宅の流通を妨げる一因となっていました。インスペクションはこれを解消しようとするものです。

    インスペクションと訪問査定の違い

    訪問査定とインスペクションの違いがわかりにくいかもしれませんが、実態は別物です。

    インスペクションは資格を持った専門家が行うもので、目的は建物のコンディションを調査することです。

    一方、訪問査定は不動産会社の担当者が行い、資格は不要です。

    訪問査定は「いくらで売れるか」「どうしたら売れるか」を知ることが目的です。

    瑕疵保険」という仕組みも、古住宅市場の活性化を促すものとして期待されています。

    瑕疵保険とは

    中古住宅を購入したあとにトラブルが生じ、買主から瑕疵について請求があった場合、売主にかわって保険会社が補修費用を支払う保険

    築古マンション どうしたらスムーズに売却できる?

    築古マンションをスムーズに売却するには、どんな点を心がければよいのでしょうか。ここでは、不動産会社の選び方もポイントになってきます。

    不動産会社に売却方法を相談してみる

    まずは、不動産会社に相談を持ちかけることが大切です。

    このエリアは新築マンションが多いのでリフォームしてからのほうが売れる。壁紙を変えたほうがいい

    このエリアは中古マンションを買って自分たちでリノベしている夫婦が多い。リフォームなしでも売れるはず

    など、過去の売買実績をもとにした実践的なアドバイスを聞けるかもしれません。

    もっとも、アドバイスの質は担当者の手腕にかかっています。

    また、工務店系の不動産会社ならリフォームのアドバイスまで可能でも、1つひとつの物件に時間をかけていられない大手不動産会社だと、売りにくい物件にはすぐ「買取」を勧めてくるかもしれません。

    親身に相談に乗ってくれる不動産会社を見つけるには、「数多くあたる」以上の方法はありません。その点で、一度に複数の不動産会社に査定を依頼できる「一括査定」はおすすめです。

    「こうしたら高く売れる」などと、具体的な根拠を示しながら説明してくれる会社を探しましょう。

    築古マンションの売却に強い不動産会社を選ぶ

    なかには、築古マンションの売却に強い不動産会社もあります。

    特に中堅規模の不動産会社には「リノベーションをしたい」買主ばかりを抱えているところもあり、築古マンション売買の経験を蓄積しています。

    逆に、物件一つ一つに時間を割けない大手不動産会社は、築古マンションを不得手にしている傾向があります。

    そのマンションは適正価格?販売価格を見直そう

    買手をすみやかに見つけたいなら、相場より販売価格を下げることも検討してみましょう。

    誰しも「少しでも高く売りたい」と考えますが、築古マンションである以上、買主は「できるだけ安く買いたい」と望んでいます。

    「一部だけリノベーション」という作戦も

    立地条件や、建物のコンディションが悪い場合、買主探しは苦戦することでしょう。

    しかし、買主のニーズを把握すれば、打てる手が見つかるかもしれません。

    例えば、不動産会社によって「物件の一部だけリノベーションする」作戦をとるケースがあります。

    リノベーションを検討中の買主へ「リノベーションすれば古いマンションもこんなにきれいに!」とアピールして、購買意欲に火をつけるためです。

    不動産会社への「買取」も検討しよう

    あれこれ手を売っても売れない場合、「買取」も検討してみましょう。

    買取とは、不動産会社に直接マンションを買い取ってもらう方法です。

    通常の、不動産会社を介して売却する「仲介」に比べて価格は7割ほどに下がりますが、買手を見つける時間や手間を省略できます。

    不動産買取については「不動産買取の流れと成功させるための4つのポイント」で詳しく解説していますので、こちらもご確認ください。

    築古マンションを売るときの注意点

    「リフォームをしないと築古マンションは売れないのでは?」と気にする方も少なくありません。

    しかし、リフォームしたからといって高く売れたり、早く売れるわけではありません。

    売却前のリフォームは「不動産会社に相談して」決める

    マンションのリフォームには、当然リフォーム費用がかかります。

    その分を販売価格に上乗せできればいいのですが、そもそも「安く買う」ために築古マンションに目をつけた買手には歓迎されません。

    また、駅や学校が近いといった好立地にあるマンションなら、リフォームをしなくても売れることがあります。

    さらには自分でリフォームをしたいから、安い築古マンションの購入を希望している買主も。

    売却前のリフォームは、そんな買主を遠ざけてしまいます。大切なのは、市場のニーズを知ること。

    リフォームが本当にいい影響をもたらすかどうか、不動産会社に意見を聞きましょう

    ただし、不動産会社に進められリフォームしても、高く売れる保証はないことを、忘れてはいけません。

    マンションの「2つの老い」問題に備える

    近年、建物の老朽化や住民の高齢化が進み、「2つの老い」に見舞われているマンションが少なくありません。

    こうなると、管理費や修繕費の積立もままならず、建物のコンディションは悪くなる一方です。売却を急いだほうがいいかもれません。

    こんな物件も売れた! 築古マンション売却エピソード

    「こんな築古マンションでも売れた!」というエピソードを集めてみました。

    築47年のヴィンテージマンションでもすんなり売却

    築47年のヴィンテージマンションの売却に成功した売手のエピソードです。

    ある不動産会社に査定を依頼したところ「5000万円で売れる」という強気の回答。

    その価格で売り出したものの、一向に買手がつきません。最後には不動産会社から「2000万円で買い取る」という申出がありました。

    しかし300万円の予算をかけて、物件の一部のみをリフォームしたところ、わずか一週間で買手が見つかりました。

    「物件の一部のみをリフォームした」ことが、リフォーム目的で築古マンションを探していた買手を刺激したようです。

    不動産会社を変えたことも功を奏しました。

    リノベーションをしたい買手が集まる不動産会社に依頼し直したおかげで、「築47年のヴィンテージマンション」に魅力を感じるマーケットに物件情報を届けることができたのです。

    まとめ

    • 中古住宅市場の活況が続いており、築古マンションでも売れる可能性は十分ある
    • ただし、築年数を経るほど価格が下がっていくのは事実
    • 建物も住民も高齢化しているマンションは管理状態が悪くなる一方。売るなら早めに検討しよう
    • まずは「一括査定」で売却価格の目安を知ろう

    監修者

    田中 歩(たなか あゆみ)

    1級FP技能士、日本ホームインスペクターズ協会公認ホームインスペクター・理事

    慶応義塾大学経済学部卒。三菱信託銀行(現三菱UFJ信託銀行)に17年間勤務後、あゆみリアルティ―サービスを起業。
    事業用不動産、中古住宅、投資用不動産の売買仲介・活用・運営・相続コンサルティング、ファイナンスアドバイス等を中心にビジネス展開。日経電子版などにて、不動産関連コラムを連載中。
    ■Webサイト
    あゆみリアルティ―サービス
    https://www.ayumi-ltd.com/

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