離婚における不動産売却

2020-09-15

【離婚と持ち家】住宅ローン残債があるときの財産分与方法

夫婦が離婚する場合、「財産分与」を行う必要があり、持ち家も分与の対象となります。 持ち家の財産分与は、ローン残債やローンの名義によって財産分与の方法が異なります。

そこで今回は、ローンの残債がある持ち家の財産分与方法を、ローンの扱い方を考えながら説明していきます。

  • 法律的には婚姻中に夫婦が築いた財産は夫婦の共有財産となり、夫婦がそれぞれ2分の1ずつの実質的な持ち分を有する
  • 財産分与によって家の権利を受ける場合、財産分与請求権に基づいて相手側から権利を受けるものと考えられているので、基本的に贈与税はかからない
  • 調停と裁判のどちらで財産分与について決めていくかは、当事者どうしで話し合える余地があるか否かで判断すべき
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目次

    ローン名義人が誰かによって、財産分与の方法や内容は変化するのか?

    ローン名義人が共同名義か単独(夫名義や妻名義)のどちらかで財産分与の方法は変わってきますので注意が必要です。

    • 共同名義
    • 夫名義
    • 妻名義

    ローンが夫婦どちらか一方の名義の場合

    離婚をして夫婦が別々に暮らすわけなので、持ち家を売却して換価するのではないかぎり、夫または妻のどちらか一方が財産分与によって持ち家を取得することになるものの、それと同時にローンを今後どのように支払っていくのかを決める必要があります。

    まず、不動産名義人とローンの名義人が夫で、財産分与によって持ち家を取得するのも夫であれば、そのままの状態でいいので特に手続きをする必要はありません。

    ローンも持ち家を取得する夫がそのまま支払っていくことになり問題ないです。これに対して、妻が財産分与によって持ち家を取得する場合、ローンの支払いについて問題が出てきます。

    持ち家の権利を取得する妻がローンの支払いも引き受ける場合、ローン名義を夫から妻に変更することが考えられますが、このとき借入をしている金融機関からの承諾が必要です。

    ローンの名義人を変更できない場合もある

    この点、妻が安定した仕事についており収入を得ていれば承諾を受けて、ローンの名義を妻へ変更することが可能です。

    しかし、専業主婦やパートである場合には承諾を受けられず、ローン名義を妻にすることはできません。

    このような場合、住宅ローンの名義は夫のままにして、ローンの支払いを妻がするという内容の合意を夫婦間で行います。

    ただし、具体的な支払い方法を夫婦間で決めておかないと後々トラブルになることがあるので注意が必要です。

    また、持ち家を購入するとき、頭金やローンの支払いを妻がしていない場合なども、財産分与によって妻が持ち家の権利を取得できるのかという問題があります。

    しかし、法律的には婚姻中に夫婦が築いた財産は夫婦の共有財産となり、夫婦がそれぞれ2分の1ずつの実質的な持ち分を有しているとされています。

    これは、夫が仕事をして得た収入で持ち家を購入しても、その得られた収入は妻の内助の功があったからこそとの考えに基づくものです。

    そのため、妻が頭金やローンの支払いをしていなくても、財産分与によって妻が権利を取得することに問題はありません。

    また、持ち家を購入したときに支払っていた頭金が、夫の独身時代に貯金していたお金であれば、その分は夫婦間の財産分与の割合を決定する際に考慮されますが、婚姻期間中に貯金したものであれば、持ち分は2分の1ずつとなります。

    ローンが共同名義の場合

    ローンが共同名義になっている場合、持ち家の権利も共有になっているのが一般的でしょう。

    夫婦がそれぞれ持ち家の購入資金の融資を受けているわけなので、持ち家の名義も共同名義にしないと贈与税がかかる可能性があるからです。

    このとき、夫か妻のどちらか一方が持ち家に引き続き住む場合、出ていくもう一方の人の権利を財産分与によって移転させます。

    例えば、夫が引き続き持ち家に住む場合は、妻名義の持ち分を夫に移すことになります。

    しかし、ローンが共同名義となっているので、夫婦ともに支払い義務が継続しています。

    そこで、妻には同時にローンの名義も外してもらう必要があります。

    このようなときは、持ち家に引き続き住む夫がローンの単独名義で借り換えを行う、妻をローンの名義から外すための手続きをするなどの方法があります。

    後者の場合は夫婦間の合意だけでなく、ローンを取り扱っている金融機関の承諾も必要です。

    共同名義から単独名義への変更は難しい

    通常、どちらか一方がローン名義から脱退することは金融機関にとってデメリットなので、承諾してもらうのは簡単ではありません。

    代わりに連帯債務者になってくれる人を立てて金融機関と交渉するなどすれば、承諾してくれる可能性がありますが、一般的に難しいといえるでしょう。

    もし金融機関から債務者変更の承諾が得られなかった場合は、名義はそのままの状態で夫が支払っていくことになりますが、妻にも支払い義務がある状態となります。

    そのため、夫がローンを支払えなくなった場合、妻に請求が行ってしまうことも起こりえます。

    そのようなときの対策方法として、妻がローンの支払いをしなければならなくなった場合、その分を夫に請求できる旨の条項を離婚協議書に入れておくことが考えられます。

    ローンが夫婦どちらか一方の名義である場合、名義を変更する必要性がないケースもありますが、ローンが共同名義の場合は名義変更の問題が起こります

    不動産名義とローン名義が異なる場合

    不動産の名義とローンの名義が異なる場合に財産分与の手続きをすると、それらの名義が同じ場合よりも不安定な状況に置かれてしまいます。

    例えば、不動産の名義が夫Aで、ローンの名義がAの経営するC会社だったとします。

    そして、不動産の権利を財産分与によって妻Bへ移転させると、Bが所有する不動産でC会社の借金を担保する状態となります。

    もしC会社の経営状態が悪くなり借金を支払えなくなってしまうと、C会社の債権者から強制執行による競売にかけられ、Bは財産分与によって取得した不動産を失ってしまいます。

    Aと離婚後は、婚姻当時のようにC会社の経営状態を把握するのは難しい状態となるので、不動産の名義とローンの名義が異なる不動産をもつことはあまり好ましい状況とはいえません。

    やむを得ず、そのような方法で財産分与をしなければならないこともあるものの、あらかじめ、生じる可能性のあるリスクをしっかり把握しておかなければならないでしょう。

    財産分与と贈与税の関係について理解しよう

    財産分与を行うとさまざまな税金がかかってきます。誰にどのような税金がかかってくるのかご紹介します。

    ローン残債がある家を財産分与すると、税金はかかるのか?

    ローン残債がある家を財産分与する場合、家の時価から残債を引いた価格が、財産分与の対象となります。

    ローンの残債額によるものの、家の時価の方が大きくて数千万円単位の価格になる場合、税金がかかるとそれなりの金額を支払わなければならないので、気になるところです。

    財産分与によって、家を取得する人にかかる税金として考えられるのが「贈与税」です。

    財産分与によって家の権利を受ける場合、相手の人に対して対価を支払うわけではないので、税務署などから贈与と判断されるのではないかと考えられるからです。

    しかし、財産分与によって家の権利を受ける場合、相手側から無償で譲り受けるわけではなく、財産分与請求権に基づいて相手側から権利を受けるものと考えられています。

    そのため、贈与によって家の権利を受けるわけではないので、基本的に財産分与によって家の権利を受けた人に対して贈与税はかかりません

    しかし、例外として財産分与で家の権利を受けた場合にそれが贈与と見なされて贈与税がかかることがあります。

    具体的には、財産分与によって取得した家の価格が、婚姻中に夫婦が協力して得た財産の額やその他の全ての事情を考慮しても多すぎると判断された場合は、多すぎる部分の価格に対して贈与税がかかります。

    また、離婚の目的が相続税や贈与税を免れるために行われたと判断されたときにも、これは当てはまります。

    この場合は、財産分与によって取得した全ての財産が贈与と見なされて、贈与税がかかります。

    ローン残債がある家は、財産分与する前に売却をすべきか

    家を財産分与によって処理する場合、夫婦のどちらか一方が権利を受ける方法の他、第三者に家を売却し、その代金を二人で精算する方法もあります。

    ローン残債がある場合、家の権利だけでなくローン名義や支払いをどうすればいいのか考えなければいけません。

    そのため、ローン残債がある家が財産分与の対象となるとき、売却した方が適切に処理できる場合があります。

    そこで財産分与する前に売却すべきなのか否かですが、家の価格とローン残債額のどちらが多いかで判断していきます。

    アンダーローンの場合

    まず、家の価格の方がローン残債よりも多い、いわゆる「アンダーローン」の場合は、財産分与の前に売却した方がいいでしょう。

    売却によって得た代金の一部をローン残債の支払いに当てて完済すれば、ローン名義の問題を一気に解決できるからです。

    後は、残りの代金を財産分与として二人で分けるだけなので、簡単に処理することが可能となります。

    オーバーローンの場合

    これに対して家の価格よりもローン残債の方が多い、いわゆる「オーバーローン」の場合、財産分与の前に売却すること自体が難しいでしょう。

    家を売却するためには基本的に設定されている抵当権などの担保を外すため、ローンの残債を完済する必要があるのですが、売却して得られるお金よりもローン残債の方が多い場合、他から資金を用意できなければそれを実現できません。

    この点、任意売却を利用する方法も考えられますが、ローン債権者である担保権者の同意を得なければならないので、そう簡単にはできないでしょう。

    そこで、オーバーローンの場合は売却する方法ではなく、家を残す方法で処理していく方がよいかもしれません。

    家とローンの名義はそのままの状態でローンを支払い続け、完済をしたら、家の名義を財産分与によって権利を取得する人へ移せば、スムーズに手続きできるからです。

    ローンの残債 どうすべきか
    アンダーローンの場合
    (家の価格>ローン残債)
    財産分与の前に売却した方がいい
    オーバーローンの場合
    (家の価格<ローン残債)
    家を残す方法で処理していく方がいい

    離婚の財産分与で得た住宅にも、ローン控除は適用されるのか?

    財産分与によって住宅を得た場合、「住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)」が適用されるかどうかについては、住宅の名義が単独である場合と共有である場合に分けて考える必要があります。

    まず、名義が単独である場合、財産分与によって住宅を取得した人がローン控除を受けられるかどうかがポイントです。

    ローン控除の対象となる住宅を取得する場合、贈与が取得原因で相手が取得するとき、および取得後に生計を一つにする親族などである場合は、適用外と租税特別措置法で定められています。

    しかし、財産分与は贈与ではなく、離婚した元配偶者も生計を一つにする親族などではないので、ローン控除の要件を満たせば適用されます。

    一方、夫婦でローンを利用して住宅を購入し、共同名義となっている場合で、その後離婚による財産分与で夫が妻の持ち分を取得したときは、持ち分取得による借入残高を有しているなど、ローン控除の要件を満たしていれば、購入時の夫の持ち分と財産分与で取得した妻の持ち分の双方の適用を受けることができます

    不倫が原因で離婚した場合、ローン残債がある不動産の財産分与はどうなるか

    不倫が原因で離婚した場合の財産分与やローンの支払いはどうなるのかをご紹介します。

    相手の不倫が原因の場合、ローンは支払わなくてもよいのか?

    不倫が原因で離婚することになった場合、有責配偶者が相手方に対して慰謝料を支払うわけですが、分与の対象となる財産の中にローンの残債のある不動産が含まれる場合、ローンの負担を慰謝料の支払いに充てるケースが多いです。

    例えば、夫の不倫が離婚原因となった場合、妻が財産分与によってローンの残債のある不動産を取得し、夫がローンを負担するというケースです。

    慰謝料額がローン全額に相当する場合、基本的に不倫をされた妻はローンを支払う必要はないものの、慰謝料額がローン全額の一部である場合、妻が残りを支払わなければならないでしょう。

    また、慰謝料額がローン全額に相当し、すべて夫に支払い義務がある場合でも、何かしらの理由でローンの支払いをしなくなり、そのままの状態が続いてローン債権者から競売にかけられた場合妻は不動産を失ってしまいます。

    そのため、妻に支払い義務がなくても、支払わざるをえない場合も出てきます。

    不倫の場合は、調停と裁判のどちらで財産分与について決めるべきか

    不倫が原因で離婚する場合、不倫された側は冷静でいられないことが多いでしょう。

    このようなときは、当事者だけで話し合って財産分与について決めるのはなかなか難しいので、裁判所を利用して「調停」または「裁判」で決めていきます

    調停とは民間人から選任された調停委員が間に入り、お互いの言い分を聞いて妥協点を探りながら財産分与について決めていく手続きです。

    これに対して裁判は当事者から出された資料をもとに裁判所が判断を下し、財産分与について決めていく手続きをいいます。

    財産分与の決め方 詳細
    調停 民間人から選任された調停委員が間に入り、お互いの言い分を聞いて妥協点を探りながら財産分与について決めていく手続き
    裁判 当事者から出された資料をもとに裁判所が判断を下し、財産分与について決めていく手続き

    調停と裁判のどちらで財産分与について決めていくかは、当事者どうしで話し合える余地があるか否かで判断すべきでしょう。

    当事者どうしでは感情的になってしまうけれども、誰かが間に入れば話し合いの余地がある場合は調停を利用した方がよいでしょう。

    これに対して、完全に関係が冷え切って話し合いができない状態である場合は、裁判を利用するしかありません。

    • 法律的には婚姻中に夫婦が築いた財産は夫婦の共有財産となり、夫婦がそれぞれ2分の1ずつの実質的な持ち分を有する
    • 財産分与によって家の権利を受ける場合、財産分与請求権に基づいて相手側から権利を受けるものと考えられているので、基本的に贈与税はかからない
    • 調停と裁判のどちらで財産分与について決めていくかは、当事者どうしで話し合える余地があるか否かで判断すべき

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