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捺印、押し印、訂正印などビジネスで使用する印鑑の使い分け方

20171226日  05: 53


仕事をうまく終えた会社員

個人事業主や会社の代表者として申請書や契約書にサインするとき、名前の横だけではなく様々な場所に印鑑を押すことがあります。
先方に言われるがまま印鑑を押すことで、「自分の立場が不利になることはないのだろうか?」と不安に感じることもあるでしょう。

そこで、今回は、契約書の取り交わしや申請書の作成などさまざまな場面で必要となる印鑑の使い分けについて見ていきましょう。

ビジネスにおいて必要な印鑑を紹介します。
それぞれ法的な効力に違いがあるため、契約締結時や申請書の作成時にどのような効力があるのか確認しましょう。


契印


契印は、製本された1つの契約書に、ページを跨いだり、製本テープを跨いで押す印鑑のことです。

契約書が2ページ以上にわたる場合に、後から故意にページごと改ざんされたり抜き取られることを防止する役割があります。

契印とは
図のようにページの境目や製本テープの境目に契約当事者全員が押していくこととなります。
製本テープでまとめられた契約書については図1のように、単にホッチキスでまとめられた契約書については図2のように押すとよいでしょう。

割印は複数部作成した契約書に押しますが、契印は複数ページにわたる契約書に押す点で契印と割印の違いがあります。


割印


割印とは、複数部にわたる契約書を重ねて押す印鑑のことです。
契印は同一の契約書内での改ざんを防ぐ点に役割がありますが、割印は複数部の契約書の改ざんを防ぐ役割があります。

割り印とは
割印を押すときには、図3のように契約書と契約書を重ねて、その境目に印鑑を押します。
正本と副本に半分ずつ印鑑が押されるように契約当事者全員が押印しますが、割印の場合には、必ずしも署名押印に使った印鑑でなくてもよいといわれています。

なお、契印も割印も契約後のトラブル防止のために押印します。
そのため、契印・割印を押したことによって自分の立場が不利になったり契約の内容が変化する可能性はないと考えてよいでしょう。


訂正印


訂正印契約書の文字を訂正する場合に押す印鑑のことです。
訂正部分の余白に訂正内容を記載して各当事者の印鑑で押印します。

訂正印(削除、追加、訂正)とは
契約書の訂正を行うケースとして、契約書の内容を削除する場合と、契約書の内容を追加する場合、契約書の内容を訂正する場合があるので、それぞれのケースについて訂正印の押し方を見ていきます。

削除する場合


図4のように間違えてしまった部分に二重線を引き、二重線の上に訂正印を押した後、訂正印の横に「削除○○字」と修正内容を記入します。
この時の訂正印は契約当事者全員の印鑑が必要となりますが、契約書の重要な部分を訂正する場合は新たに契約書を作成し直した方がよく、一般的に行政機関への申請書などで利用されます。

追加する場合


図5のように追加する部分に「」や「」などの記号を挿入し、文字を追加します。
文字を追加した横に訂正印を押し、「加入○○字」と修正内容を記入します。
この時の訂正印は契約当事者全員の印鑑が必要となります。

訂正する場合


訂正する場合には、図5のように削除と追加を同時に行うようなイメージになります。
削除する文字に二重線を引き、追加する文字をその上部に記入します。
文字を追加した横に訂正印を押し。「削除○○字」・「加入○○字」と記載すれば契約内容の訂正は完了となります。
なお、この時の訂正印も契約当事者全員の印鑑が必要となります。


以上のように、訂正印はどのような訂正をするかによって押印の方法が異なります。
重要な契約書の場合には、訂正印を押さず、書類自体を作成し直したほうが良いですが、行政機関に提出する申請書や一般的な契約書でそれほど訂正箇所が多くないような場合は訂正印を用いるとよいでしょう。


捨印


文字の訂正に備えて、契約書の余白部分にあらかじめ押しておく印鑑(図7参照)のことです。
契約書を取り交わした後に文字の間違いや内容の間違いが発覚した場合には、あらかじめ押しておいた捨印を用いて、訂正印と同じ要領で修正を行います。

捨て印とは
捨印はいざ間違いが起きたときに利用できる便利な方法ですが、その分危険性もあるので注意が必要です。

例えば、契約書を交わした後に相手が捨印を利用して勝手に契約内容を書き換えるケースが想定されます。
契約書の内容でも重要な部分に関しては捨印による訂正は認められにくいといわれているものの、捨印によって契約内容がまったく異なるものになってしまうことも容易に考えられるため、注意が必要です。

なお、捨て印を利用して実際に文字の修正をする場合は訂正印の時と同じように誤りの部分に二重線を引いて、訂正した文字を追加し、捨印のそばに「○○行目 削除○○字・加入○○字」と記入します。


消印


消印とは、契約書に貼付された印紙と契約書面に跨って押す印鑑(図8参照)のことです。
契約内容にかかわる法的な効力は消印にはありませんが、印紙税法によって契約書に収入印紙を貼付することが義務付けられており、消印を添付した上から押します。

なお、契約書に印紙を貼付するケースは印紙税法で具体的に定められており、次のように定められています。

  • 1万円以上の不動産の売買契約書等
  • 1万円以上の運送契約書等
  • 1万円以上の工事請負契約書等
  • 継続的取引の基本となる契約書
消印とは
印紙税の対象となる文章は課税文書と呼ばれ、所定の収入印紙を貼らなかった場合は本来貼るべきであった印紙税額とその2倍相当額の合計額が過怠税として課せられます。
また、印紙税は取引金額によって税額が異なる階級定額税率と、一律に同じ金額が賦課される定額税率の2種類があり、上記の場合、1~3には階級定額税率が適用され、4には1冊につき4千円の定額税率が適用されます。


押印・捺印


押印と捺印の意味は基本的に変わりません。
どちらも印鑑を押すことを意味します。

一般的に、署名には捺印がセットで用いられ、署名捺印といわれます。
一方、記名には押印がセットで用いられ、記名押印といわれます。
また、法律上は印鑑を押すことが押印と表現されています。

押印、捺印とは
文章等に押印するときには、実印認印かで法的な効力が異なり、実印の方が証拠能力が高いといえます。
そのため、契約書や行政機関に提出する書類には実印を押す必要があります。

実印


法務局や市区町村に届け出ている印鑑のこと。

認印


実印以外の三文判やシャチハタのこと。


記名と署名の違い

記名、署名するとき
上記のように、印鑑の違いは明確に異なりますが、印鑑を押すときには自分自身や自社の名前を一緒に記入することがあり、名前の書き方についても不安が生じることがあるでしょう。

署名


署名は当事者自らが氏名・名称を書くことです。
当事者が自ら書くことによって筆跡が残るため、署名した人が契約書にサインしたことがはっきりとわかります。
そのため、これに実印での捺印を加えれば法的な効力としては最も証拠能力が高いものとなります。

また、署名のみの場合には、署名捺印の次に法的な証拠能力が高いものとなります。

記名


署名のみの次に証拠能力が高いのが、記名押印です。

記名とは当事者の直筆ではなくゴム印やコピー機の印字など第三者によって指名・名称が記載されることです。
記名のみであれば本人以外の人が行うこともできるため、実印を押印することで法的な証拠能力としては署名のみの次に高いものとなります。

以上のように、署名の方が記名よりも法的な証拠能力が高く、
署名捺印 > 署名のみ > 記名押印
の順番となっています。
重要な契約書や行政機関に提出する書類の場合には、基本的に実印での署名捺印をする必要があります。


まとめ


メモをしている会社員
このように、ビジネスで必要となる印鑑には、それぞれの意味の違いがありますが、簡単に分けると以下のように分けられます。

  • 契約書の改ざんなどを防ぐ印鑑
  • 契印・実印

  • 内容の訂正を行う
  • 訂正印

  • 内容の訂正に備える
  • 捨印

  • 収入印紙を貼付する際に必要となる
  • 消印
契約時にそれぞれの役割を理解したうえで、印鑑を使用することが大切になります。


印鑑はどのように使うかによって法的な効力が異なります。
また、重要な書類については、弁護士・司法書士・行政書士をはじめとする専門家に書類作成やリーガルチェックを依頼することをおすすめします。
専門家によって依頼料は異なりますが、金額の大きい契約や今後も利用するテンプレートとなる契約書については、多少の費用が掛かってでも訴訟などのリスクを考えれば、依頼するメリットは十分にあるといえるでしょう。


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