あの頭が痛くなる年末調整はもう怖くない!年末調整の書き方を徹底解説
2018年 05月 09日 06: 53
年末調整では毎月概算によって徴収されていた所得税が再計算され、最終的な所得税の調整が行われています。
この所得税には保険料や扶養親族による控除など、様々な控除が発生します。
そのため、どのような控除を行うべきなのか把握するための申告書が重要になってきます。
しかしこの申告書、複雑に思えてしまい、いざ書く際にどう書けばいいのか迷ってしまったこともあるのではないでしょうか?
そこで、今回は、年末調整の申告書を書く際迷わないためのポイントを説明します。
年末調整申請書の種類
年末調整の申告書にはどのようなものがあるか
年末調整の申告書は主に
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
- 給与所得者の配偶者特別控除申告書
- 給与所得者の保険料控除申告書
「配偶者特別控除申告書」と「保険料控除申告書」は1枚の兼用用紙となって、税務署から配布されています。
また、住宅ローンを利用し、控除を受けたい場合は「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金特別控除申告書」を加えて提出することになります。
これらの申告書について以下でチェックすべきポイントをそれぞれ詳しく見ていきましょう。
扶養控除等(異動)申告書
この申告書は、給与所得者が配偶者控除などの控除を受けるために提出するものです。
提出時期はその年の最初の給与の支払い日前日までとなっていますが、基本的には勤務先で期限が決められるのでそれに従いましょう。
個人番号欄
平成28年分からマイナンバーを記入する欄が新設されました。ただし、勤務先にこの申告書に記載する配偶者や、親族等のマイナンバーなどを記載した帳簿があればこの欄は記載しなくてもよいことになっています。
従たる給与についての扶養控除等申告書の提出
この欄は2か所以上から給与を得ている場合に関わってきます。他の給与支払者に対して「従たる給与についての扶養控除等申告書」という書類を提出している場合には、この欄に〇を付ける必要があります。
源泉控除対象配偶者
この欄には自分の年間所得が900万円以下であること、そして配偶者の年間所得が85万円以下の場合記入することになります。控除対象扶養親族(16歳以上)
この欄で注意すべきポイントは、ここで記載する対象者が国内に住所を持っておらず、1年以上その状態が続いている場合、〇をつけることになります。その場合親族関係書類の添付等が必要になるため、忘れずに用意しましょう。
16歳未満の扶養親族
この欄は16歳未満の子供を扶養している場合記入することになります。しかしその際、共働きの場合夫婦のどちらかが記入することになるので注意しましょう。
配偶者特別控除申告書
配偶者特別控除は、配偶者の所得が38万円を超え、配偶者控除を受けることができなくても、条件を満たせば一定の控除を受けられるものです。
これは配偶者の合計所得が38万円を超え、なおかつ76万円未満である必要があります。
また、控除を受ける人のその年の合計所得金額が1000万円以下でなくてはいけません。
配偶者の合計所得金額表
この表の記載事項によって合計所得金額を計算します。
この際、必要経費等に記載されている65万円は給与所得控除です。
この金額は給与所得者が無条件に所得から差し引くことができます。

保険料控除申告書
この申告書は生命保険料や天引きされるもの以外の社会保険料といった、費用を払った場合に利用します。
保険料控除には4つの種類があります。
保険会社から控除証明書のはがきが送られてきている場合、それをもとに記入していきましょう。
生命保険料控除
この欄は「一般の生命保険料」「介護医療生命保険料」「個人年金保険料」の項目に分かれています。
保険料の新旧区分によって金額を記載する場所が違うので注意が必要です。
新生命保険料とは平成24年1月1日以降に締結した保険契約等に基づいて支払った保険料ことを指しています。
地震保険料控除
この欄は地震保険を契約していて保険料を支払っている場合に記入することになります。
条件を満たせば最高5万円の控除を受けることができます。
その条件は保険の対象になった家屋または、家財を自分と生計を共にする親族が利用していること、そして日常的に生活していることが求められます。
社会保険料控除
社会保険料控除では国民年金保険料や国民健康保険料のような社会保険料を記載することになります。
給与から天引きされる分はすでに把握されているので記入する必要はありません。
小規模企業共済等掛金控除
この控除は3つの掛け金が対象になっています。
具体的には「小規模企業共済」「心身障害者扶養共済」「確定拠出年金」の3つです。
確定拠出年金については本人が直接支払った分について、払ったことを証明する証明書類が必要になります。

(特定増改築等)住宅借入金特別控除申告書
住宅ローンを利用して家を購入したり、改修工事などを行ったりした場合この控除を受けることができます。
ただし、1年目については確定申告を行わなくてはなりません。
この確定申告を受けると「給与所得者の(特定増改築等)住宅借入金等特別控除申告書」という書類が税務署から送られてきます。
この申告書は控除を受けることができる年数分が一度に送られてきます。そのため紛失等無いよう大切に保管しましょう。
この申告書を記載する際は、新築または購入に係る借入金等、いわゆる住宅ローン残高を記載する必要があります。
金融機関から送られてくる残高証明をもとに記載しましょう。
この際複数の機関から借りている場合は、それぞれの年末残高の合計が記入する額になります。
最後に
以上のように、年末調整ではいくつも記入する欄があり複雑に見えますが、少しポイントを押さえれば迷わずに記入することができます。
また、金額などの記入には各機関から送られるはがきや、証明書等を使えば正しく確実に記入することができます。
こうした書類が届いた場合には紛失しないよう大切に保管しましょう。
年末調整はその名の通り年に何度も行うことがないため、実際書いてみると迷うことが多々あるかもしれません。
そのため、ポイントの確認をしっかりと行うことで、確実な控除をうけましょう。
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