まず、皆さんに見ていただきたいものがあります。
ヤフオク!でのアルコール類の総落札額の推移です。
伸びてますね。伸びてますよね。ウイスキーが!
私はこういうのを見るとひじょ~うに気になっちゃいます。
正直ウイスキーの類は全然飲まないし、お酒の席でも
「あいつまたカルーア・ミルクなんか飲んでるよ」
なんて言われちゃう私です。ウイスキーの良さなんか理解できません。
ですが、こうも伸びていると放っておけません。
「えっ、何?、もしかして世間ってウイスキーブームだったの?」
という状態になる前にリサーチしてみましょう。
ウイスキーとは
そもそもウイスキーとはなんだというと、
だそうです。
原料はビールと同じ麦芽ですが、発酵で終わるビールとは違い2回の蒸留と長年の貯蔵熟成によって、深いコクとまろやかな香りを持つようになります。
ちなみに私はこの”香り”が苦手です。坊やだからですかね。
ウイスキーは麦芽だけから作られたものがモルトウイスキー、とうもろこしから作られたものがグレーンウイスキー。そして混ぜたものがブレンデッドウイスキーです。
そしてウイスキーは原産地により名前が異なり、5大生産地より下記のように分けられます。
- スコッチウイスキー
- アイリッシュウイスキー
- カナディアンウイスキー
- アメリカンウイスキー
- ジャパニーズウイスキー
なんと日本も世界有数の生産地だったようです。サントリー、ニッカなどが大手メーカですよね。
大学時代にお世話になった人も多いのでは…?
ちなみに「山崎」、「軽井沢」等の地名がウイスキー名になることは珍しくないのですが、それはウイスキーは長年熟成させる時に使う水で味が大きく変わるからです。
地域の水の質が良ければ良いウイスキーを作ることができ、その良い”水の地”の名前をウイスキー名につけるようです。
オークションで見るウイスキー
さて、知識が少し貯まったところでオークションでのウイスキーの取引も見てみましょう。
□1FO20190 希少 ウイスキー 軽井沢 FIVE DECADES 1960-2000年□
まずはこちら日本の軽井沢で作られたウイスキーです。100万以上での落札になっています。
実は軽井沢の蒸留所は2012年に閉鎖されていて、もうこのブランドが作られることはありません。
そのことも加味してか、軽井沢は高額で取引される希少な一品となっています。
ちなみに軽井沢の熟成年数52年の「軽井沢1960」は2015年にボナムズ香港のオークションで1400万円で落札されています。桁がおかしい。
ウイスキー《エイジアンノウン AgeUnknown》750ml ラベル剥がれ
続いてこのミステリアスな名前のウイスキー。
エイジアンノウン AgeUnknownとは直訳で「年齢不詳」。つまりは何年から何年まで熟成されたかわからないということ。
しかし出生は不明ではなく、サントリーの初代社長「佐治敬三氏」が勲一等瑞宝章を受賞(1989年)した時に祝賀パーティーで記念品として出されたもので、佐治敬三氏が選定したモルトから作られたという非売品です。
人に歴史があるように、ウイスキーにも歴史があっていいですね。
◇1円~ サントリー ウイスキー 山崎 50年 700ml 完備品 A
こちらは400万円の高額落札。入札件数も116件以上と大人気です。
その理由は50年以上のモルト原酒であり、なおかつ150本限定だったから。
高額のウイスキーは箱や瓶も一工夫されており、見ているだけでも楽しいです。
これぐらいの高額なものになると、コレクション用として保存しておくか、飲んでみるかで相当悩むんでしょうね。
◇1円~ ザ・ローリング・ストーンズ 結成50周年 ウイスキー A #
イギリスの超有名バンドのザ・ローリング・ストーンズの結成50周年にサントリーから発売されたもの。
ザ・ローリング・ストーンズのマークである口のマークを模した瓶に詰められており、さらに使われた原酒が結成された1962年をはじめ、バンドの節目となった年(1971,72,81,90年)の原酒だけを厳選しブレンドしたという、ウンチクが好きな人には堪らない一品になっています。
若い頃にザ・ローリング・ストーンズを聞いていた世代は、ちょうどウイスキーが似合う渋目のオジサンになってそうな歳ですね。
ウイスキーのブームはあったのか?!
さて、若干ウイスキーに興味が湧いてきましたが、当初の疑問の“なんでウイスキーの落札額が急成長したのか”そこに戻ります。
果たして近年のウイスキー業界には何が起きていたのか?
ブームの理由?その1:マッサン
言わずと知れたNHKの連続テレビ小説です。
ウイスキーづくりに情熱を燃やす主人公とスコットランド人の妻が、日本でウイスキーを造る「夫婦愛を軸とした人情喜劇」となっています。
現在の大手ウイスキーメーカーのニッカの創業者である竹鶴政孝とその妻のリタをモデルとしています。
このドラマの平均視聴率は21.1%と過去10年で3番目と高視聴率!
そのおかげでニッカの主力商品「竹鶴」の販売量が39%UPしたとも言われています。
ドラマの放送時期も売上が伸び始めた時期と一致していますし、ウイスキーブームの火付け役は「マッサン」で決定のようです。
ブームの理由?その2:土台がしっかりしていた
マッサンでブームが起きたことはわかりましたが、何事もその土台が必要ではないか…。
実は日本ウイスキーが5大ウイスキーに数えられているのは前に述べましたが、その証拠としてWWA(world whiskies awards)、世界一のウイスキーを決める大会で毎年入賞しています。
WWAが2007年に始まって以来、実に17部門で入賞しており、特にニッカの「竹鶴21年」が4回、サントリーの「響21年」が3回と世界中で愛されています。
ブームの理由?その3:ハイボール
2008年ごろからハイボールが流行りだしています。今では居酒屋の定番メニューにもなっていますね。
それまでは「ハイボールといえばおじさんの飲み物…」「なんかバブリー…」みたいなイメージがありましたが、各社プロモーションで、女優の小雪さんや吉高由里子さん、井川遥さん等“きれいなお姉さん”を起用することで、一気に女性や若者のウイスキーに対するハードルが低くなったのだと考えられます。
やっぱり母数を増やすことが最大の需要促進ですからね。
価格高騰の理由?:原酒がない!
さて、ブームによって一気にウイスキーの需要は増えたのですが、熟成が必要なウイスキーはそう簡単に大量生産出来ません。
ブームを何年も前から予測しないかぎり準備するのは出来ないですし、ブームがいつまで続くかわからない以上、大量に仕込むのは勇気が入ります。
結果、ウイスキーの単価がブーム後に高騰しているようです。
このためオークションでの平均価格も1万台から2万円台になっており、それが落札総額が引き続き高い原因のようです。
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何はともあれ、ウイスキーに興味がある人が増えたのは良いことでしょう。
終わりに
たった1つのグラフが気になり調べてみたウイスキーですが、とても深い世界のようで興味が出てきました。
またドラマ1つでブームが起き、市場が変わるのはおもしろいですね。
ウイスキーはブランド1つ1つが歴史を持ち、また包装も見ていて飽きないと新しい世界を発見できて良かったです。
みなさんもぜひ色んなデータを眺め、新しい世界を発見していきましょう。