ヤフオクの自動入札を見破る方法について解説!悪質な「吊り上げ行為」への対処法も紹介

ヤフオク 自動入札 見破る

Yahoo! JAPANが提供するオークションサイトの「ヤフオク」。

ヤフオクには便利な機能が多数備わっていて、スムーズな取引ができるようになっています。

しかし、そんな機能を悪用して、不当にオークションの価格を吊り上げようとする行為が少なからず発生しています。

この記事では、ヤフオクの自動入札機能と吊り上げ行為について、見破る方法や対処法などをまとめました。

ヤフオクの自動入札とは?

ヤフオクTOPページ
出典:ヤフオク

オークションサイトでは、競り合っているオークションを見ていない状態でも入札できる自動入札機能が付いている場合が多くなっています。

ヤフオクにおいては、最初から自動入札が適用されている状態であり、最初に上限金額を決めてから競り合いの有無によって自動で機能が働きます。

入札時の金額は、現在の価格ごとに設定された入札単位分を上乗せした金額です。

現在の価格入札単位
1円~1,000円未満10円
1,000円~5,000円未満100円
5,000円~1万円未満250円
1万円~5万円未満500円
5万円以上1,000円

仮に自分が1,000円を入札したオークションに対して1,250円が入札された場合、1,250円+100円=1,350円に引き上げられます。

手動の場合は1,351円など1円単位で入札額を調整できますが、自動入札では上記の入札単位が適用されます。

自分が最初にオークションへ入札する場合

自分が最初にオークションへ入札する場合の競り合いの流れは、以下の通りです。

  1. 対象のオークションに自分で上限金額を設定し、開始時点の価格で入札する
  2. 他の人が入札した場合、上限金額の範囲内で上乗せした額が自動で引き上げられる
  3. オークション終了するまで、2が繰り返される
  4. オークション終了までに上限金額より上の入札があった場合、上限金額を手動で更新しなければ自動入札できない
  5. オークション終了時に他の入札者がいなかった場合、もしくは最高入札額だった場合に落札される

仮に開始時点の価格が1,200円のオークションで、上限金額を1,500円に設定して他の入札者がいない場合は、1,200円で落札できます。

一方、他の人が1,501円を入札した場合は1,511円を入札する必要があるため、上限金額1,500円では自動入札できません。

手動でお金を追加して上限金額を変更すれば、問題なくオークションは続けられます。

既に入札されたオークションに参加する場合

既に入札されたオークションに参加する場合の競り合いの流れは、以下の通りです。

  1. 対象のオークションに自分で上限金額を設定し、現在の最高入札額より上の価格で入札する
  2. 他の人が入札した場合、もしくは既に入札していた人の上限金額に達していない場合、自分の上限金額の範囲内まで引き上げが繰り返される
  3. オークション終了するまで、2が繰り返される
  4. オークション終了までに上限金額より上の入札があった場合、上限金額を手動で更新しなければ自動入札できない
  5. オークション終了時に最高入札額だった場合に落札される

仮に現在の最高入札額が5,000円のオークションの場合は、5,100円以上の入札から競り合いに参加できます。

既に入札していた人が6,000円の上限金額を設定していると、6,000円を下回る入札をすると、競り合いには勝てません。

他の人の上限金額を確認する方法はないため、片方の入札が停止するまで、競り合いは継続します。

自動入札を悪用した「吊り上げ行為」とは

ヤフオクの自動入札は自分が参加しているオークションを常に見ている必要がないため、上手く使えば便利な機能です。

しかし、この自動でにお金を引き上げられる機能を出品者側が悪用する「吊り上げ行為」に巻き込まれる可能性があります。

吊り上げ行為とは、出品者が複数のアカウントを用いる、もしくは協力者と共に出品した商品の価格を徐々に上げていき、他の入札者に高い価格で買わせようとする行為です。

吊り上げ行為の主な流れは、以下のようになっています。

  1. 出品用アカウントで商品を出品する
  2. 対象のオークションに入札があった場合、入札用アカウントで吊り上げる
  3. 他の入札者の自動入札の上限になるまで、吊り上げを繰り返す
  4. 自動入札の上限に達する、もしくは追加で入札を行った段階で、出品用アカウントから入札用アカウントの入札を取り消す
  5. 他の入札者が最高入札額となって落札する

ヤフオクで入札の取り消しを行う場合は、出品者に依頼して許可を貰う必要がありますが、出品者側と入札者側が連携していると任意で取り消しを行えてしまうのです。

オークションサイトでは意図的な入札価格の操作は禁止されていますが、普通に競り合っているかのように見せることで、オークションの参加者を騙そうとしています。

もちろん、吊り上げ行為による価格操作もガイドライン違反ですが、参加者が気付かなければそのまま取引が成り立ってしまう可能性があります。

ヤフオクの「吊り上げ行為」を見破る方法

ヤフオクに入札した場合、基本的には入札の取り消しができないため、吊り上げ行為に巻き込まれたと気付いても代金を支払わなければならない可能性があります。

そのような事態を防ぐには、オークションに入札する前後で、吊り上げ行為の可能性を確認するしかありません

そんなヤフオクの吊り上げ行為を破る方法について紹介します。

出品者の評価

オークションに参加する前に確認したいのは、出品者の評価です。

ヤフオクではオークションによる取引終了時に、お互いに評価を付けるようになっていて、問題なく取引できた場合は高い評価が付けられます。

しかし、吊り上げ行為を行っている出品者と途中で気付いた場合は、落札者は評価を低く付けます。

そのため、出品者の評価が極端に低い場合は、入札しない方がおすすめです。

吊り上げ行為にかかわらず、出品者とのトラブルを回避しやすくなります。

一方で、吊り上げ行為がバレてヤフオク側に対処された場合は、新しくアカウントを作って出品する場合があります。

新規の出品者は全員評価が付けられていないため、この段階だと評価による吊り上げ行為はできません。

出品者の他の出品状況

出品者の評価だけで判断できない場合は、該当する出品者の出品状況を確認してみましょう。

吊り上げ行為は複数のアカウントを用いるので、出品数が多くなると不正する側は価格操作が難しくなります。

そのため、同時に出品している商品が極端に少ない場合は、吊り上げ行為を狙っている可能性を考えておきましょう。

ただし、こちらも新規の出品者でオークションに慣れていないことから、出品数を少なくしている可能性があります。

高額な商品である場合は単品で出品することも珍しくないため、他の情報と合わせて吊り上げ行為か判断しましょう

既に入札している人のID

欲しい物のオークションで既に入札がある場合は、入札者のIDを確認してみましょう。

入札者のIDは全表示されているわけではありませんが、IDの一部は表示されています。

仮に同じIDの入札者がこちらの入札に対して何度も上の額を入札している場合は、吊り上げ行為である可能性が考えられます

もちろん、ギリギリの価格で落札するために入札を繰り返している可能性もありますが、明らかに高頻度である場合は疑っておきましょう。

また、過去に吊り上げ行為を行ったIDの場合は、被害に遭った人がネット上で情報共有している可能性があります。

入札する前に正当な競り合いか判断したい人は、入札済みのIDで検索してから判断するのも一つの手です。

自動延長の有無

ヤフオクでは、オークション終了前の5分以内に現在の価格(最高入札額)が上がった場合、終了時間を追加で5分間延長する自動延長機能があります。

延長後も同じ条件を満たす場合は何度も延長が繰り返され、設定しておけばより高く買い取って貰える可能性があるので、出品者側にとって嬉しい機能です。

しかし、この自動延長も吊り上げ行為において悪用される可能性があり、終了前の5分以内の価格を吊り上げて、さらにお金を出させようとしてきます。

自動延長は入札者側からすると、終了の直前で延長されて落札できない可能性があるため、同じ商品があった場合は避けられる可能性があります。

そのため、最初から売れる自信がある商品以外は、自動延長なしで出品されるパターンが多いのです。

その点を踏まえると、自動延長ありで出品されている商品は、吊り上げ行為を狙っている可能性があります。

類似する商品があるにもかかわらず、自動延長をありにしている場合は様子見しましょう

出品開始時の価格

最低価格1円から出品できるヤフオク
出典:ヤフオク

ヤフオクでは最低価格1円から出品できるようになっていて、入札単位の設定と合わせると落札者側は最低11円で落札できます。

そのように考えると、1円出品に参加するのはお得に見えますが、その心理が吊り上げ行為に悪用される可能性があります。

入札者を集めるために敢えて安い価格に設定するのは、オークションにおけるテクニックですが、そこまでして入札者を集めたい意図がある点は警戒しておきましょう。

「吊り上げ行為」への対処法

吊り上げ行為を見破る方法を把握していても、巧妙な手口から巻き込まれる可能性はあります。

見破る方法以外で、吊り上げ行為へ対処する方法を紹介します。

購入予定の商品の価格相場を把握しておく

オークションサイトを利用する際は、欲しい商品の価格相場の把握が重要です。

珍しい商品でない限り、商品のおおよその価格相場はヤフオク内の他の出品やネット上の検索で見つけられます。

価格相場を把握しておけば、吊り上げ行為を狙った商品の開始時の価格がおかしいことに気付いたり、競り合っている最中で一旦立ち止まったりしやすくなります。

単純に適正な価格相場の出品を見つける判断材料にもなるので、事前の情報収集はしっかりしておきましょう

入札時は上限金額を少しずつ使って様子見する

吊り上げ行為は自動入札が上限金額まで入札し続ける点を利用しているので、上限金額を最初から低めにしていれば、吊り上げの影響を受けづらくなります。

欲しい商品に対して1,000円まで上限金額を出せる場合、最初は700円を上限金額にしておくなど、ある程度余裕を持たせて競り合いの状況を様子見しましょう。

吊り上げ行為に限らず、オークションにおけるお金の使い過ぎを抑制できるため、日頃からこの方法で入札を行うのがおすすめです。

競り合う際は冷静に判断する

吊り上げ行為は最初に設定した上限金額を使わせた上で、お金を追加させて更なる価格の吊り上げを狙ってきます。

そのため、最初に設定した上限金額以上の入札があった場合は、そのまま追加するのではなく撤退も視野に入れる時間を作りましょう。

通常のオークションでも落札したい気持ちが先行して必要以上にお金を使ってしまう場合があるので、自動入札が途切れた時に冷静に考える時間は必要です。

そのタイミングでもう一度価格相場を確認したり、出品者及び入札者のIDを検索したりすれば、吊り上げ行為に巻き込まれる可能性も低くなります。

「吊り上げ行為」にあたる商品を見つけた場合

見破る方法や対処法から吊り上げ行為の疑惑がある商品を見つけた場合は、ヤフオク側に違反商品の申告をしましょう。

放置してしまうと他の人が被害に遭ったり、将来的に自分が引っかかる可能性が生じてしまいます。

ガイドライン違反商品の申告は、商品ページの下側に設置されている「違反申告」か、個別ページの「ヤフオク!ガイドライン違反申告フォーム」から申告できます。

違反申告フォームの場合は、複数の商品をまとめて申告できますが、出品された商品ごとに設定されるオークションIDの入力が必要です。

オークションIDは商品情報の一番下に書いてあるので、まとめて申告する時は確認しておきましょう。

ただし、申告した商品や出品者が必ずしも違反扱いで削除などの対処が行われるとは限りません。

ヤフオク側でも吊り上げ行為か否かを正確に判断するのは、非常に難しくなっています。

「吊り上げ行為」に巻き込まれた場合

ヤフオクで吊り上げ行為に巻き込まれたと気付いた場合は、競り合いの段階ならそれ以上の入札を行わずに自動入札の上限金額で留めるしかありません。

吊り上げ行為を目的としている場合は、出品者に入札取り消しを依頼してもほとんど通らないと考えておいた方が良いでしょう。

また、落札者になった段階でも落札の取り消しは、出品者に依頼して許可を貰わなければいけません。

ヤフオク側に問い合わせても取引のキャンセルはできないため、入札前の段階で対策する必要があります。

出品者側で「吊り上げ行為」に巻き込まれる場合

吊り上げ行為については、ヤフオクを出品者側で利用する際にも気を付けなければいけません。

出品者自身が吊り上げ行為をするつもりがなくても、入札者側がいたずら目的で吊り上げ行為を行う場合があります。

その場合、入札者側に利益が出るわけではありませんが、巻き込まれた他の入札者は出品者も吊り上げ行為に加担していると疑われてしまいます。

出品者側で吊り上げ行為に巻き込まれないためには、吊り上げ行為を見破る方法や対処法に沿った出品を行うことです。

  • なるべく同時に複数の商品を出品する
  • 出品開始時の価格を類似商品の価格相場に合わせて出品する
  • 類似商品の出品状態に合わせて自動延長を設定する

もちろん、出品したい商品が少なかったり、注目を集めるために1円で出品したいと考えたりする場合は、無理に上記の出品をする必要はありません。

一方で、吊り上げ行為を知っている人からは見破る方法に引っかかるような出品をすると、入札されづらくなる可能性があります。

出品する商品の価格相場や需要に合わせて、出品の仕方も工夫していきましょう。

まとめ

ヤフオクにおける自動入札は最初から適用されていて、上限金額を設定するとオークションが終了するまで上限の範囲内まで自動で上乗せして入札する機能です。

しかし、吊り上げ行為では出品用と入札用のアカウントを使って意図的に競り合いを発生させて、自動入札の上限を支払わせようとしていきます。

ヤフオクの入札や落札の取り消しは、出品者に依頼して許可を貰う必要があるため、巻き込まれてしまうと高額な価格をそのまま支払うことになってしまいます。

そうならないためにも入札を行う前には、欲しい商品の価格相場を把握して、出品者や入札者の情報をよく確認しましょう。

上手く利用すれば便利な機能なので、吊り上げ行為に気を付けながらヤフオクでのオークションを楽しんでみてください。

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