こんにちは、セブ山です。
みなさんは、親孝行をしていますか?
私は今までなんだか照れ臭くて、全然、親孝行をしてきませんでした。
しかし、そろそろいい歳になってきたので、親孝行のひとつもやらないといけないなぁと考え出してきたところです。

※セブ山の父親。背景はモロ実家です。
ちょうど父の日も近かったので、何か「高級なうまいもの」でもご馳走して、親孝行しようと思い、実家に帰省したわけですが……
でも、ちょっと待ってください!
はたして、親に「高級なうまいもの」をプレゼントしたところで、親はその違いがわかるのでしょうか?
その違いがわからないのなら、わざわざ高い金を払って「高級なうまいもの」を食べさせてあげたところで、親孝行する意味などないのでは?
「親孝行」することが美談とされていますが、今一度、世間に問います。
本当に親は親孝行する価値があるのでしょうか?
そこで今回は、実際に父親に「最高級品」「普段食べているもの」「最安値で手に入るもの」の3つを目隠しした状態で食べ比べてもらい、その「味の違い」がわかるのか検証してみることにしました。
その味の違いがわかれば「親は親孝行する価値がある」とします。
ちなみに、父親には「食べ比べて、一番おいしいと思ったものを選んでほしい」としか伝えておりません。検証実験の目的は内緒にしています。
はたして、本当に親は親孝行する価値があるのでしょうか?
それでは、検証実験スタートです!
case:1 親は「最高級の牛肉」の味の違いがわかるのか?
まず、最初に検証する食材は、牛肉です。
高級な牛肉として、今回は、故郷の和歌山県にある唯一のデパート(近鉄百貨店)で、100g 2160円のヘレステーキを用意しました。
事実上、和歌山県で手に入る最高級の牛肉です。
そして、普段食べているランクの牛肉として、エバグリーン(紀伊半島でチェーン展開している大型スーパー)で買ってきた100g 699円のサーロインステーキを用意。
「普段食べているランク」と言っても、我が家のハレの日にしか食卓にはのぼりません。
最後に、最安値の牛肉として、こちらもエバグリーンで買った100g199円の小間切れ肉を用意。
はたして、父親はこれら3つの牛肉の違いがわかるのでしょうか?
焼き具合で差が出ないように、いつも食べている焼き加減で母親に調理してもらいました。
さあ、準備は整いました。
はたして、父親はその違いがわかるのでしょうか?
まずは、「最安値の牛肉」を食べてもらいます。

- 父
- もぐもぐもぐ…。

- セブ山
- どうでしょうか?

- 父
- もぐもぐもぐ…。

- セブ山
- ……。

- 父
- もぐもぐもぐ…。

- セブ山
- (めっちゃ味わってる…)

- 父
- おいしい。

- セブ山
- え?

- 父
- おいしい。

- セブ山
- どういうふうに、おいしいですか?

- 父
- ………。

- セブ山
- ……。

- 父
- ………。

- セブ山
- (そうだ、お父さんは普段全然しゃべらない無口なんだった…)

- 父
- 少し……。

- セブ山
- ん? 少し…?

- 父
- 少し噛みきりにくいかも。

- セブ山
- なるほど、少し噛みきりにくい、と。

- 父
- でも、おいしい。

- セブ山
- オッケーです、わかりました。
続いて、「高級な牛肉」を食べてもらいます。

- 父
- もぐもぐもぐ…。

- セブ山
- …どうですか?

- 父
- もぐもぐもぐ…。

- セブ山
- (毎回めっちゃ味わうなぁ…)

- 父
- おいしい。

- セブ山
- え?

- 父
- おいしい。

- セブ山
- また? どうおいしいのか、さっき食べたものとどう違うのか教えてもらっていいですか?

- 父
- ………。

- セブ山
- ……。

- 父
- やわらかくておいしい。

- セブ山
- さっきのものよりも?

- 父
- さっきのものよりも。

- セブ山
- 味はどうですか?

- 父
- 味はさっきと同じ。

- セブ山
- え、同じ!?

- 父
- 同じ。

- セブ山
- …わかりました。
最後に、「普段食べ慣れている普通ランクの牛肉」を食べてもらいます。

- 父
- もぐもぐもぐ…。

- セブ山
- どうですか?

- 父
- もぐもぐもぐ…。

- セブ山
- (無言で味わう時間、毎回長いな)

- 父
- おいしい。

- セブ山
- いや、第一声のコメント、そればっかりだな!

- 父
- おいしいけど、少し硬い。

- セブ山
- お、それはさっき食べたもの(高級品)よりも少し硬いってこと?

- 父
- うん、さっき食べたものより少し硬い。でも、味は同じ。

- セブ山
- また!? また、味は同じ!?

- 父
- 同じ。でも、最後に食べたもの(普通ランク)が一番好きかも。

- セブ山
- なるほど。

- 父
- でも、一番高い肉は2番目に食べたものだと思う。

- セブ山
- (あ、正解だ)…なんで、そう思ったんですか?

- 父
- とにかく、やわらかかったから。

- セブ山
- 肉質がやわらかかったから、高級品じゃないかと思ったってことですね。

- 父
- うん。

- セブ山
- でも、味は?

- 父
- 同じ。
というわけで、父親は見事に高級品はどれなのか当てました。
しかし、どれも味は同じに感じたようです。
さらに、一番好きなのは、普段食べ慣れている普通ランクのお肉とのこと。
なんだか、親孝行する価値があるのかないのか、違いがわかるのかわからないのか、微妙な実験結果になってしましました。
case:2 親は「最高級のメロン」の味の違いがわかるのか?
そんなわけで、もう一品、実験してみることにしました。今度の食材は、「メロン」です。
最高級品として用意したのは、クラウンメロン(1玉1万円)です。
もっと高いメロンもあると思うのですが、和歌山県で手に入る最高級のメロンはこれが限界でした。
牛肉と同じく、和歌山県にある唯一のデパート(近鉄百貨店)で購入。
続いて、普段食べ慣れている普通ランクのメロンは、1玉2500円のミネラルメロンを用意。
「普段食べ慣れている普通ランク」と言っても、そもそもメロンを普段食べ慣れていないので、父親にとっては、今回は難問になりそうです。
最後に、最安値のメロンとして韓国産メロン(1玉298円)を用意しました。
メロンというよりは、「チャメ」というフルーツらしいのですが、風味的にはメロンに近いらしいので、こちらを購入しました。イオンで。
そんなわけで、さっそくメロンの高級品・普通ランク・最安値を食べ比べてもらいましょう。
まずは、「普通ランク」のメロンから。

- 父
- もぐもぐもぐ…。

- セブ山
- さあ、ひとつめのメロン。いかがでしょうか?

- 父
- もぐもぐもぐ…。

- セブ山
- ……。

- 父
- 甘くておいしい。

- セブ山
- ほかには?

- 父
- 少しスジがあるかも。

- セブ山
- スジ?

- 父
- 繊維質っていうのかな? おいしいけど繊維が少し気になる。

- セブ山
- なるほどなるほど。
続いて、「最安値のメロン(チャメ)」を食べてもらいます。

- 父
- もぐもぐもぐ…。

- 父
- ウリ。

- セブ山
- えっ!? なになに!? 今回、感想早っ!

- 父
- ウリだ、これ。

- セブ山
- ウリ?

- 父
- 完全にウリ。

- セブ山
- それは、食感がウリってこと?

- 父
- うん、甘いは甘いけど、ウリ。これは間違いなく安いメロンだと思う。

- セブ山
- (正解…!)
最後にお待ちかねの「最高級のメロン」を食べてもらいます。

- 父
- もぐもぐもぐ…。

- 父
- あははははは!

- セブ山
- えっ!? なに!? なんで笑ってんの!?

- 父
- 全然違う。

- セブ山
- え?

- 父
- これ、多分すごく高いメロンなんじゃないか?

- セブ山
- え、(正解だけど)なんでそう思うの?

- 父
- スジ(繊維質)がまったくない。

- セブ山
- そんなにハッキリ違うんだ。

- 父
- 甘みも、なんていうか、甘すぎないスッキリした甘さって感じ。

- セブ山
- ほほう。

- 父
- 口触りが今まで食べたメロンの中でもダントツだから、絶対にこれは高いメロンだと思う。

- セブ山
- 「今まで食べたメロンの中で」っていうのは、今回食べたほかのやつのこと? それとも「今までの人生の中で食べたメロンの中で」ってこと?

- 父
- 「今までの人生の中で食べたメロンの中で」ってこと。

- セブ山
- 人生レベルでか!

- 父
- でも一番好きなのは、最初に食べたメロン(普通ランク)かな。

- セブ山
- はあ!?

- 父
- 一番「メロンを食べてる」って感じがした。

- セブ山
- ……。
検証結果
そんなわけで、牛肉とメロンをそれぞれ高級品・普通ランク・最安値のものを食べ比べてもらったわけですが、見事に2問とも正解しました。
しかし、どちらも「一番好きなのは普通ランク」と言い放った父親。
違いはわかっているみたいですが、これではわざわざ高級品をプレゼントする甲斐はありません。
というわけで、結論としましては……
という結果になりました。
お~い、みんな~! 父の日には、べつに何も贈らなくてもいいぞ~!!!
だって、高級品より普通ランクのものの方がおいしいと思うみたいだから!
最後に父親にネタバラシ
最後に、父親に目隠しを外してもらい、今回の実験のネタバラシをします。

- セブ山
- 今回、お父さんには、牛肉とメロンの食べ比べをやってもらいましたが、実はこれは「本当に親は親孝行する価値があるのか?」という実験でした!

- 父
- そうだったんだ。

- セブ山
- で、実験結果としては、高級品と激安品の違いはわかっていたみたいですが、一番好きなものに「普通ランクのもの」を選んでいたので、今後「いい肉」や「いいフルーツ」のプレゼントはなしです!

- 父
- えー。

- セブ山
- というわけで、今後プレゼントするものは「いつも食べ慣れている普通ランクのもの」ばかりになります! 残念でした~!

- 父
- そっかぁ。

- セブ山
- わははははは!

- 父
- ありがとう。

- セブ山
- え? ありがとう? なんで?

- 父
- いやぁ、高級だろうが、普通のものだろうが、プレゼントしてくれるだけでうれしいよ。

- セブ山
- …え?

- 父
- あんなに小さかったタカノリ(セブ山の本名)が、自分の働いたお金で何か買ってくれるっていうだけでうれしい。これ以上、ありがたいことはないよ。

- セブ山
- お父さん…。
※あんなに小さかったタカノリ(1歳5ヶ月)

- 父
- でも、気持ちだけでうれしいんだから、無理しなくていいんだぞ。普段食べているものっていっても数千円するんだから。

- セブ山
- いや、べつにそれくらい…。

- 父
- お前はまだこれから結婚して、子どもを作って、家庭を築かないといけないんだから。その分、貯めておきなさい。

- セブ山
- う、うん…。

- 父
- 勘違いしないでほしいんだが、「結婚」「子ども」と言ったけど、お前が、結婚したくない、子どももいらないと思うなら、それもお前の選択だから、それはそれでいいんだよ。

- セブ山
- え、いいの…?

- 父
- 誰かの目を気にして、人生を選択することはしてほしくないから。もちろん、それは例外なく「親の目」も気にすることはない。

- セブ山
- たしかに今まで会社を辞めたり、今やってるようなよくわからない仕事をしてても、口うるさく説教されたことは一度もないなぁ…。

- 父
- 「親が悲しむかも…」っていう理由で、何かを諦めたり、進みたい道とは違う道を選ぶ方が、よっぽどお父さんは悲しい。もちろん、犯罪行為をするのはダメだけどな。

- セブ山
- うん、それはわかってるよ…。

- 父
- お前が好きなことをやって、毎日が楽しいと思えているから、それが一番の親孝行だよ。

- セブ山
- うん…。

- 父
- …おっと、今日はなんだかいつもよりしゃべりすぎてしまったなぁ。俺も年を取ったってことか。まあ、親父のお節介な小言だと思って聞き流してくれ。

- セブ山
- …ありがとう……。
あなたも今度の父の日は、何かプレゼントして、親孝行してみてはいかがでしょうか?
決して、高級なものでなくても、きっとよろこんでくれるはずです!