年々、日本の夏は暑さを増しており、それに伴って夏バテなどの体調不良を感じる方も多くなっています。
夏バテにおいては、単に「涼しいところで生活していれば大丈夫」というものではなく、日頃からのケアが大切です。
また、健康な方でも夏バテにはなり得るため、油断しているといつの間にか夏バテになっていた、という可能性も考えられます。
本記事では、夏の暑さに負けないよう「夏バテ予防」に効果がある食べ物や食事について、ご紹介していきます。
夏バテとは?

はじめに「夏バテ」とはどのような状態なのか、その概要をご説明します。
夏バテのメカニズムとは?
夏バテになると、体にさまざまな不調が生じる可能性がありますが、不調が起こるメカニズムについて解説します。
多くの方は、夏バテの原因は「暑さ」にあると考えていますが、厳密にはそうではありません。
最も重要となるものは「寒暖差」にあります。
例えば、屋外と室内の温度差や、朝と夜の温度差などです。
このような急激な温度変化によって、体のリズムを整えている「自律神経」が驚いてしまい、その調整が乱れてしまいます。
その結果、体のさまざまな部分へその不調が現れるのです。
夏バテの症状とは?
- 全身のだるさ(倦怠感)
- 頭痛
- めまい
- 不眠
- 元気が出ない
- 生あくびがよく出る
- 疲れがとれない
- 食欲不振
- 胃がもたれる
- 便秘や下痢
夏バテになる主な原因とは?
夏バテになる主な原因についても解説します。
前述したように、夏バテが起こるメカニズムとは、主に自律神経の乱れにあります。
そのため、自律神経を乱すような生活や行動をすると、夏バテを助長してしまう可能性が高いです。
1.生活リズムが整っていない
睡眠や食事の時間などが一定ではなく、生活リズムが整っていないと、夏バテになりやすくなります。
体温調整や朝はシャキッとさせ、夜は次第にリラックスさせていくといった「日内リズム」を整えているのも自律神経です。
しかし、日々異なった生活を続けていくと、自律神経が一定のリズムを維持できなくなってしまいます。
2.食生活が乱れている
食生活の乱れも夏バテの原因になります。
栄養バランスのとれた食事は体を作り、体力を維持したり、エネルギーの供給に欠かせません。
しかし、それらのバランスが崩れることで体を動かす燃料が不足したり、偏った食事をして胃腸の消化不良を起こすことも考えられます。
3.運動量が少ない
適度な運動は自律神経を整えるのに最適な方法です。
そのほかにも、ストレスの軽減や生活習慣病の予防にも効果があります。
しかし、デスクワークなどで長時間同じ体勢のままでいると、体が固まり頭痛・肩こり・腰痛などの原因になります。
また、血流が滞ることで、全身へ栄養素を送ったり、老廃物の排泄が上手くできなくなります。
4.冷房の効いた部屋にずっといる
夏バテの最大の要因は「温度差」です。
そのため、急に暑い屋外から、冷房の効いた部屋に入ったり、またその逆の状態を繰り返すと、体温を維持する自律神経の働きが混乱してしまいます。
5.水分をあまりとっていない
体のおよそ60%が水分といわれており、水分補給は生命の維持に欠かせません。
夏は熱中症の観点からも、こまめな水分補給は大切です。
夏は汗で水分が外へ逃げやすく、血液が濃くドロドロしやすくなります。そのため、むくみや筋肉のつりなどの原因にもなります。
夏バテ予防と対策

夏バテの予防と対策について解説していきます。
共通のポイントとしては「自律神経を整える」ことが大切になります。それを念頭において、対策方法を確認していきましょう。
夏バテ予防・対策になる4つの生活習慣
夏バテ予防・対策には「睡眠」・「運動」・「食事」・「入浴」の4つの生活習慣が重要になります。
1.睡眠は大事!1日7時間寝よう
睡眠は体力の回復・脳内のリセット・体の調整など、1日の疲れや情報を処理する大切な習慣です。
理想としては、1日6~7時間の睡眠をとれるとよいです。
5時間を切ると十分な体内リセットができず、翌日に不調が残りやすくなると言われています。
ただし、睡眠時間には個人差があるため、自分がスッキリ目覚められる睡眠時間を把握することが大切です。
一方、夜は暑くて寝苦しいときには、冷房を弱めに設定したり、太い動脈が通っている部分(首・脇・内もも)に冷却シートやタオルに包んだ保冷剤を挟むとよいです。
最近では、接触冷感素材の敷きパットやカバーがあるため、それらを利用するのもおすすめです。
2.適度な運動を心がけよう!
運動は自律神経の働きを整え、ストレス解消や生活習慣病の予防にも効果があります。
毎日する必要はないため、週2~3日程度、30分以上を目安に軽い散歩をしてみましょう。
陽の高い時間は熱中症などの危険もあるため、早朝や日が傾いた夕方など、気温が少し落ち着いてくる時間帯を狙って運動しましょう。
もし、屋外での運動が難しい場合は、
- 家の中でラジオ体操や足踏み
- 段差を見つけて踏み台昇降
- 動画サイトを見ながら踊る
など、気軽にかつ楽しく運動できるのでおすすめです。
3.食事・水分で体内を調整しよう!
バランスのよい食事と水分摂取は体調を整える上で大切です。
具体的な食べ物の紹介は後述しますが、栄養価が高く、消化によいものを積極的に取り入れましょう。
水分は一度にたくさんの水を飲むのではなく、こまめに少量を摂るようにしましょう。
目安としては、
- 少なくとも2時間に1回
- コップ1杯程度の水分
は摂取することをおすすめします。
もし、屋外での作業やスポーツなどを行ってたくさん汗をかいた場合は、水だけでなく、軽い塩分も摂取しましょう。
スポーツドリンクやクエン酸入りの補給水などでも構いません。
4.シャワーで済ませずお風呂に入ろう!
夏は暑いため、さっとシャワーで済ませてしまいたくなりますが、できるだけお風呂に入りましょう。
お風呂に入ることで、筋肉の強張りや疲労が取れやすくなり、全身を均等に温めることでリラックス効果や自律神経を整えられます。
長時間入る必要はないため、無理のない範囲で5~10分程度ゆっくりと湯船に浸かりましょう。
【即効性バツグン】夏バテ予防のために服装を変えるのもおすすめ
夏バテ予防のためには「服装」の工夫もおすすめです。
夏バテ対策に汗をかくのは大事!服をこまめに変えよう
汗をかくことは自律神経の働きを高め、適度に体温調節をするために大切です。
しかし、汗をかいた後は、汗が蒸発して体が冷えやすくなります。
そのまま冷房の効いた屋内へ入ると、さらに気温差が大きくなってしまいます。
汗をかいた後は服をこまめに変えましょう。
もし服の交換が難しい場合は、インナー(下着)を交換するだけでも、不快感や蒸発による冷えはかなり軽減されます。
急な温度差は危険!服装で温度を調整しよう
屋外から屋内に入ると、急激な温度差を感じることがあります。
できれば軽く羽織れるような上着やカーディガンなどを持参して、体温調節がしやすいようにするとよいです。
余裕があれば、職場などに着替えや羽織れるものを常備しておきましょう。
出先であれば、予備の服を小さめの圧縮袋に入れて持ち運ぶと、かさばらずにバッグの中がスッキリします。
冷えは大敵!ひざ掛けやストールを持参しよう
仕事中など屋内(特にひんやりとした場所)にいることが多い方は、ひざ掛けやストールを持参していると、体を冷やさずに済みます。
特にデスクワークによって下半身を動かさずにいると、血液が滞りやすくなりどんどん冷えやすくなるため、1枚掛けられるアイテムがあると安心です。
夏バテ予防になる食べ物や食事を公開

夏バテ予防に「食事」は欠かせない要素です。
そこで、夏バテ予防になる食べ物やそれを使った食べ物をご紹介します。
暑い夏でも作りやすく、簡単にできるレシピを厳選しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
夏バテ予防効果のある食べ物
- 肉類|タンパク質、カルニチン(主に牛肉)、ビタミンB1(主に豚肉)など
- かまぼこ|カルシウム、ミネラルなど
- 乳製品|タンパク質、カルシウムなど
- 夏野菜|ビタミンA、ビタミンE、ビタミンB群、食物繊維、ミネラルなど
- 柑橘類|ビタミンC、クエン酸など
- 納豆|タンパク質、食物繊維、ナットウキナーゼなど
- うなぎ|タンパク質、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンD、亜鉛、カルシウムなど
- 梅干し|クエン酸、カリウム、ポリフェノールなど
- にんにく|葉酸、ビタミンB6、リンなど
- しょうが|ビタミンC、ビタミンB6、ギンゲロール(辛み成分)など
夏バテ予防効果のあるおすすめレシピ
先ほどお伝えした、夏バテ予防におすすめな食材を使った簡単なレシピをご紹介します。誰でも簡単に調理可能なため、ぜひチャレンジしてみてください!
夏みかんを使ったレシピ:たっぷり果肉ゼリー
柑橘類の中でも夏に採れる夏みかんは、冬に採れるみかんと比べて酸味が強く、暑い夏にピッタリです。
酸味が強いことからもわかるように、クエン酸やビタミンCが多く配合されているため、夏バテ対策の疲労回復におすすめな果物といえます。
- 夏みかん(1個でゼリー2~3個分)を剥いて、種や不要な薄皮を取り除く
- 鍋に夏みかん・砂糖(85g程度)・水(50ml)を入れて沸騰させる
- 煮立たせたら、火を止めて果肉を別容器に移しておく
- ゼラチン(1.25g)を入れてよく溶かす
- 別容器に移しておいた果肉を再び鍋に戻してかき混ぜる
- ゼリーをお好みの容器に移し、冷蔵庫2時間以上冷やす
かまぼこを使ったレシピ:かまぼこのマヨ焼き
かまぼこは魚介類の身をすりつぶして成形した練り物です。
プニッと食感がよく、こってりしていないため、夏でも食べやすい食材です。
さらに、加工してあることで魚介類特有の生臭さもないため、魚類が苦手な方でも取り入れやすいといえます。
- 1cm幅にかまぼこを切る
- 重ならないようにアルミホイルに並べて、マヨネーズ(チーズでもおいしい)を乗せる
- オーブントースターでマヨネーズに焼き目が付くまで加熱する
- 皿に盛り付けて、お好みで青のりやゴマなどをかける
チーズを使ったレシピ:チーズせんべい
チーズは乳製品の中でも、タンパク質やビタミン、カルシウムなどを豊富に含みます。また、チーズはお子さんにも人気な食材の一つで、ちょっとした間食としても利用可能です。
今回はその中でも、チーズに簡単なひと工夫を加えることで、よりおいしくヘルシーに仕上げたチーズを使ったお菓子をご紹介します。
- スライスチーズをフィルムから取り出し、食べやすい大きさにカットする(そのままでもよい)
- 耐熱皿にクッキングシートを敷き、重ならないようにチーズを乗せる
- ラップをかけずに電子レンジ(600Wで30秒程度)で加熱する(チーズにほんのり焦げ目がつくまで)
- 電子レンジから取り出し粗熱をとる
- チーズから出た油をしっかりと切る
うなぎを使ったレシピ:うなぎのひつまぶし
うなぎは今回ご紹介した食材の中でも一、二を争うほど、多くの栄養素を含む、夏バテ予防の王様のような食材です。
近年ではうなぎの価格が高騰し、なかなか手軽に入手しにくい食材となっていますが、少し高くても惜しくない程の栄養価です。土用の丑の日など、何かのタイミングにうなぎを食卓へ並べてみてはいかがでしょうか。
- うなぎ半分を1cm幅に入り、ご飯を入れたお茶碗に乗せる
- だし汁(1カップ)・醤油(小さじ1/4)・塩少々を鍋に入れて煮立たせる
- 万能ねぎ・青じそ・みょうがをみじん切りにする
- うなぎを乗せたお茶碗に3で切った薬味を乗せ、煮立たせたかけ汁をかける
- お好みでわさびや粉山椒などをふりかける
梅干しジュース(ミルク)
梅干しには豊富なクエン酸やビタミン類が配合されています。
しかし、梅干しは独特な酸っぱさがあり、それを苦手としている方も少なくありません。
そこで、酸っぱいものが苦手な方でも取り入れやすい、梅干しと牛乳を使った「梅干しミルク」をご紹介します。
牛乳と混ぜることで、梅干しの酸っぱさがマイルドになり、梅干しの酸味と牛乳の甘味やコクが絶妙にマッチします。
- 梅干し(1個)の種を取り除き、果肉をコップに入れる
- 砂糖を大さじ1と1/3入れ、果肉とよく混ぜ合わせる
- 冷たい牛乳を200ml注ぎよくかき混ぜる
※梅干しは常温よりも冷蔵保存することで日持ちします。
また、雑菌の繁殖を抑えるため、梅干しを取り出す際はきれいな箸やスプーンを使うようにしましょう。
レモン水
レモン水とは、文字通りレモンを入れた水で、普通の水を飲むよりも爽やかな風味が夏にピッタリです。
さらに、レモンには夏バテに効果的な栄養素(ビタミン類やミネラル類など)がたくさん配合されているため、それらを効率よく吸収できます。
- レモンを輪切りにする
- ピッチャーやペットボトルに水や炭酸水を入れる
- 輪切りにしたレモンを液体に浸す(500mlのペットボトルに1~4枚程度)
- 冷蔵庫で1~2時間冷やす
- お好みでミントや塩を足すのもおすすめ(塩分は摂りすぎに注意)
※余ったレモンは輪切りにして、冷凍保存しておくのがおすすめ
こまめな水分補給や毎日の食事はしっかりとろう!
今回ご紹介した食材や飲み物、レシピは一部になります。
ほかにも、夏バテ予防効果がある食べ物はたくさんあります。
ぜひ、ひとつの食材に偏ることなく、さまざまな食材をバランスよく食べるように心掛けましょう。
また、夏はこまめな水分補給が欠かせません。
ほんの少し意識するだけでも、補給量は変わってきます。
体力が奪われやすい、暑い夏だからこそ、体に取り入れるものを意識していきましょう!
まとめ
いかがでしたでしょうか?今回は暑い夏を乗り切るための「夏バテ予防と対策」についてご紹介してきました。
- 肉類
- かまぼこ
- 乳製品
- 夏野菜
- 柑橘類
- 納豆
- うなぎ
- 梅干し
- にんにく
- しょうが
夏バテ予防には体を作る源となる「タンパク質」や「ビタミン」、「ミネラル」をバランスよく摂取することが大切です。
食べ物によって摂取できる栄養素には違いがあります。
できるだけ偏らずにいろんな食材を食べることが、多くの栄養素を摂取するポイントになります。
特に夏に採れる夏野菜や柑橘類などは、生のままでも十分においしく食べられます。
ぜひ、夏にしか味わえない新鮮な食材を楽しんでください!

