ライブコマースは日本で流行らない?ECサイトで上手な活用方法と成功事例

ライブコマース日本では流行らない?ECサイトで上手な活用方法は? 成功事例・インタビュー

ライブコマースはライブ配信を利用した販売方法で、海外ではさまざまな企業やECサイト運営者が利用しています。

日本でもライブコマースを活用する企業が出てくる一方で、日本では流行らない可能性を指摘する声もあります。

この記事では、ライブコマースについて、ECサイトでの活用方法や国内の成功事例などをまとめました。

商品販売にライブコマースの導入を検討している販売者や企業の方は、参考にしてみてください。

「ライブコマースは日本では流行らない」って本当?

ライブコマース女性

ライブコマースは中国で盛り上がりを見せた販売方法であり、最近は日本の企業も取り入れ始めています。

しかし、一部の販売者や商業分野に明るい人からは、「ライブコマースは日本では流行らない」と予測されています。

ライブコマースの基本情報や現状から、日本でも有効な販売方法か確認していきましょう。

ライブコマースとは

ライブコマースとは、動画サイトやSNSのライブ配信を利用して、商品の紹介や実演を行う販売方法です。

テレビショッピングのネット版とも言える形式ですが、リアルタイムに配信する点がほかの販売方法との大きな違いになります。

海外では、既にライブコマースが販売方法として主流になっており、特に中国では直近の市場規模が大幅に拡大して盛り上がりを見せています。

「日本で流行らない」と言われている理由

日本でもライブコマースを取り入れる販売元は増え始めていますが、「海外と違い、日本では流行らない」と予測する声も出ています。

ライブコマースが日本で流行らないと予測される主な理由は、以下のとおりです。

  • ライブコマースに特化した配信サイトが少なく、企業側が取り入れにくい
  • ライブ配信に出演して対応できるメーカー社員やショップ店員が不足している
  • 動画サイトやSNSでの配信は規約があり、運用が難しい
  • 既に取り入れた企業の中でも、成果を得られずに撤退した例がある
  • 国内のライブコマースに対する認知度が低く、視聴した経験がある人も少ない

日本では、まだそれほどライブコマースで配信するための環境が整っておらず、視聴者を集めようにも海外ほど認知されていません。

実はライブコマースの市場は拡大している!

「日本では流行らない」と言われているライブコマースですが、実際は徐々に市場の拡大が始まっており、今後は流行する可能性は十分あります。

市場規模が大きくない今だからこそ、参入して成功を収めた場合は、ほかの販売者にはない強みにできます。

ライブコマース市場が日本でも普及しつつある

NTTコムリサーチの調査では、日本におけるライブコマースの市場規模は2023年時点で約3,000億円と推定されています。

近年は休日に巣ごもりして過ごす消費者が増え、それに伴ってライブ配信を始めとした自宅で動画を視聴する機会が増えました。

ライブコマースはそんな巣ごもりする消費者に対して、効率的に商品の認知や購入への導線にできる販売方法として重宝され始めています。

国内ではライブコマース専用のプラットフォームは少ないですが、ユーザーの多いインスタやYouTube、LINEなどのライブ配信機能が活用されています。

ライブコマースは購買意欲の高い若年層に注目されている

ライブコマースは、動画サイトやSNSの利用機会が多く、購買意欲の高い若年層から注目されています。

ネット上で気軽に商品を購入できる現代ですが、ライブ配信では実物を見ながら、人の手によって紹介される点が好評を集めています。

ライバルや参入が少ない今がチャンス!

ライブコマースはライブ配信を視聴してもらう必要があるため、ほかの企業が参入した場合、視聴者の奪い合いが発生する可能性があります。

インフルエンサーにライブ配信を依頼する場合も、ライバル企業が先に声をかけてしまうと、類似商品の依頼が難しくなります。

そのため、ライバルや参入が少ない現状がライブコマースを始めるチャンスです。

ライブコマースの成功事例

成功事例

日本では、まだライブコマースの認知度はそれほど高くありませんが、各業界でライブコマースを導入して成功した事例が複数あります。

ライブコマースの成功事例について、業界別に確認していきましょう。

アパレル系ライブコマース

アパレル系は中国でライブコマースが流行した2020年辺りから導入した企業が多く、現在も定期的に配信を続ける企業もあります。

アパレル系ライブコマースにおける成功事例は、以下のとおりです。

  • ユニクロ(UNIQLO LIVE STATION):20代向けなどのさまざまなテーマを決めて、有名スタイリストやファッションモデルを呼んで消化品紹介する
  • GU(GU LIVE STATION):GU Staffを中心にトレンドの着こなしや視聴者のイメージに合う着こなし方を提案する
  • ビームス(BEAMS LIVE):自社のクリエイティブディレクターなどをゲストに呼び、商品を解説
  • 三越伊勢丹(三越伊勢丹ライブショッピング):スタッフやバイヤーがおすすめのアイテムを紹介
  • 洋服の青山:中国のライブコマースプラットフォームと在留中の中国インフルエンサーを利用して、国外に向けて商品発信している

自社ファッションに関して、豊富な知識を持つ社員やファッションモデルが、着こなし方やおすすめ商品を紹介しています。

配信プラットフォームは自社のオンラインショップ内で用意しているところが多く、そのままサイトでの購入につなげられます。

コスメ・メイク系ライブコマース

コスメ・メイク系の企業も国内では比較的早い段階から、ライブコマースを取り入れています。

ライブコマースにおける成功事例は、以下のとおりです。

  • ファンケル(FANCL LIVE SHOPPING):社員による商品紹介以外にも専門家を呼んで美容やヘルスケア、カラーコーディネートに関連する配信を行っている
  • 資生堂(Find Beauty Live):現役のパーソナルビューティーパートナー(自社の社員)が話題の商品や悩みをテーマに情報発信
  • ヤーマン(YA-MAN ライブショッピング):社員がコメント対応しながら美顔器などを実演する

メイクや美容に関連する悩みを解決しながら、最終的に自社商品をおすすめする流れで、商品を購入につなげています。

雑貨・家具系ライブコマース

雑貨・家具系はアパレルやメイクと比較した場合、参入企業は多くありませんが、ライブ配信を活かして成功した事例は存在します。

雑貨・家具系ライブコマースにおける成功事例は、以下のとおりです。

  • モダンデコ:商品紹介以外にもコンセプトや金額設定をして部屋づくりのコツを紹介する
  • IKEA(イケアライブ):商品やインテリアコーディネートを熟知したイケアのスタッフが、暮らしのアイデアやインテリアデザインのヒントを紹介する
  • 友安製作所:インテリア商品等をライブ動画で紹介し、そのままオンラインストアで購入可能

販売商品の設置方法やインテリアコーディネートを紹介して、商品購入後のイメージを抱きやすくする工夫がなされています。

ライブコマースをECサイトに上手く活用する方法

ライブコマース女性

ライブコマースはあくまで「購入につなげるまでの窓口」であり、視聴後にECサイトで購入してもらうためには、プラスワンの工夫が必要です。

ここでは、ライブコマースをECサイトで上手く活用する方法について、確認していきましょう。

ライブコマースの目的を明確にする

ライブコマースは単にライブ配信するのみだと、視聴者側からは一般的なライブ配信と変わらないと判断される場合があります。

ライブ配信する目的を明確化して、目的に合わせた紹介の仕方やコンテンツを作成していきましょう。

商品を販売したい

ライブコマースで純粋に商品を販売したいと考える場合でも、以下の目標を設定する必要があります。

  • 売りたい商品の種類
  • 売上金額
  • 販売個数

1回の配信で複数の商品を紹介すると、1商品あたりの情報量が少なくなるため、商品の魅力が十分伝わらない可能性があります。

販売個数を目的にする場合は、配信ごとに1商品紹介に絞ったほうが効率的になるでしょう。

売上金額を目的にする場合は、安い商品を複数紹介して売るか、高い商品をじっくり紹介して売るかの選択肢があります。

商品の紹介や活用方法などを伝えたい

ライブコマースでいきなり購入を全面に押し出したライブ配信をしても、視聴者が定着していない場合は商品が売れません。

販売企業や商品を知ってもらうことが目的とする場合、商品の紹介や活用方法などを伝えるところから始めてみましょう。

便利な使い方や思わぬ活用方法で注目を集めると、視聴数の増加や口コミの広がりから、購入につながる可能性があります。

チャンネルなどの登録してもらいたい

ライブコマースによって販売元のチャンネルやSNSの登録数が増えた場合、以下のようなメリットがあります。

  • 次回以降のライブ配信を視聴してもらえる可能性が上がる
  • 配信外でもSNSの発信で継続的に情報を追ってもらえる
  • 登録数の多さから人気がある販売元として未登録の人から興味を持ってもらえる

そのため、商品の販売や紹介ではなく、登録数を増やす目的でライブコマースを活用するのも十分検討できます。

登録者数を増やす手段としては、商品の紹介以外でも魅力的なコンテンツが必要です。

成功事例で行われた商品に関連する知識の紹介や、ゲスト専門家による指導は、企業や商品を知らない人にも興味を持たせられます。

出演者のキャラ付けや、特技によって好感を抱かれてチャンネル登録する場合もあるため、出演者の選定も重要です。

紹介するもののよさを最大限に伝えるための調査を行おう

ライブコマースはネット上の商品ページでは紹介できないよさを伝えて、商品の認知や売上を伸ばしていきます。

そのためには、ライブ配信の出演者側が商品のよさを最大限に伝えられる準備が必要です。

インフルエンサーに依頼する場合も事前に伝える必要があるため、事前の商品に関する調査は必ず行いましょう。

ほかの商品との違いを知っておこう

ライブコマースを活用しても、他社の類似商品との違いがはっきりしない場合は、紹介した商品を購入してもらえません。

細かい点でもほかの商品との違いを知って、商品をリアルタイムでアピールできるようにしておきましょう。

視聴者が商品のどんな点が気になるのか掴もう

ライブ配信中は、視聴者が商品について質問を投げかけてきます。

そのため、視聴者が商品のどんな点が気になるか、ある程度掴んでおく必要があります。

すぐに答えられなかった場合、出演者や商品に対する信頼度が下がってしまうため、必ず質問を想定しておきましょう。

この時に、関連商品やほかの商品をの比較など、幅ひろく商品勉強をしっかりしておきましょう。

紹介ポイントをおさえてから配信しよう

ライブコマースでは視聴者の対応に気を取られて、商品で紹介するべきポイントを言わないまま配信が終わる可能性があります。

そのため、

  • 商品の魅力
  • 金額
  • 商品独自のポイント
  • ほかの類似商品との違い
  • 商品概要(カラーや形など)
  • おすすめポイントやどんな人におすすめしたいか

などの、必ず伝えるべき紹介ポイントをおさえてから、配信を始めるようにしましょう。

ECサイトへの導線をあらかじめ引いておこう

ライブコマースで商品を紹介するのみでは、商品が気になった人がいても、販売元までは検索しないこともあります。

ライブ配信中や配信後にECサイトへアクセスしてもらえるように、以下の導線を引いておきましょう。

  • ECサイトの紹介
  • ECサイトや商品が表示される正しい検索方法
  • 動画や概要欄にECサイトへのリンクをはる

ただし、露骨にECサイトへ誘導すると、かえって興味をそいでしまう可能性があります。

不快な誘導に思われないように、丁寧な説明を心がけるのが重要です。

視聴者を分析しよう

ライブコマースを行った場合、どのような視聴者層が見ているか分析して、次回のライブ配信に活かしていきましょう。

販売したい商品と視聴者層が噛み合わない場合は、配信する時間帯配信プラットフォームの変更を検討する必要があります。

そのほかにも視聴者層の分析から、以下の要素が判断できます。

  • 想定したCV(コンバージョン)につながっているか
  • 配信アーカイブをアップする場所:YouTubeやInstagramなど
  • 出演者の選定:メーカー社員か、インフルエンサーか

視聴者層と出演者の相性もあるため、視聴率が思うように伸びない場合は、ライブ配信の出演者の検討も必要です。

インフルエンサーを起用する場合でも、若者ウケがいい人も起用するか、主婦層に人気の配信者を起用するかなど、対象者を考えて選定しましょう。

ライブコマースならではの販売をしよう!

ライブコマースを活用する場合は出演者が喋り続けるのではなく、視聴者を巻き込んで販売するのが基本です。

自社の社員やショップ店員の場合、最初のうちはライブ配信による販売に慣れていなと考えられるため、繰り返しの定期配信で慣れていきましょう。

参加型のライブコマースの楽しさを味わってもらおう!

ライブコマースの最大の特徴は、ライブ配信中に視聴者もリアルタイムで参加して、やり取りをしていく点です。

視聴者とのやり取りとしては、以下の内容が想定されます。

  • 視聴者の質問に対して実演や商品の見せ方を変える
  • 視聴者の要望でBGMやレイアウト等の変更を行う
  • アンケート機能で次の行動や意見を反映させる

視聴者も一体となって配信を作っている実感があると、信頼関係を築くことで、次回以降の配信にも参加してもらえる可能性が高まります。

視聴者とのやり取りは店頭の接客と同じ!コメントは丁寧に拾おう

ライブコマースで商品の紹介に問題がない場合でも、

  • コメント対応が少ない
  • 不快な対応をしてしまった
  • 誘導がしつこい

などの場合、うまく商品が売れません。

出演者は店頭の接客と同様に丁寧な対応をするとともに、配信で拾うべきコメントか否かを判断する力を鍛える必要があります。

配信後はコメント分析を行い、視聴者から寄せられた質問や反応の良し悪しを確認して、次回以降の配信に反映しましょう。

視聴者プレゼント、限定クーポンを配るなどで特別感を出す

ライブコマースでライブ配信をリアルタイムで視聴した特別感があると、次回以降の視聴や口コミにつながります。

ライブ配信中に提供できる特別感としては、以下のとおりです。

  • サンプル品やノベルティなどの視聴者プレゼント
  • ECサイトの購入で使用できる限定クーポンや合言葉

上記の配布に際して、配信チャンネルやSNSの登録を条件に加えると、情報を追ってもらえる環境が作れます。

まとめ

ライブコマースについて、ECサイトでの活用方法や国内の成功事例などをまとめると、以下のとおりです。

  • 日本で流行らないという予測もあるが、国内の市場は増加傾向にある
  • 現状はライバルの参入が少ないため、市場で成功するチャンスがある
  • ライバルコマースを始める場合は販売目的を明確にする
  • ライブ配信で商品の良さを最大限に伝えるため、調査はしっかり行う
  • 視聴者がECサイトにたどり着けるように導線を用意しておく
  • ライブ配信後は視聴者層やコメントの分析を行う
  • 視聴者が参加できるライブコマースならではの販売を心がける

認知度が高くない中でも市場は徐々に拡大しており、ライブ配信を活かした国内の成功事例も複数あります。

ライブコマースの魅力を感じた場合は、配信プラットフォームや出演者を準備して実際に活用してみましょう。