エンジニアの副業は知見の修得やスキルの向上など自身へのメリットが多いといえます。今回は現役エンジニアに実際にお話を伺いながら、エンジニアの副業の種類や案件の見つけ方などをご紹介していきます。
エンジニアの副業事情
パーソルキャリアが運営する「TECH Street」で、「ITエンジニアの副業実態調査」を行った結果によると、エンジニアの副業経験者は40%という結果が出ています。
「あなたの副業に対する今後の意向として最も近しいものを教えてください。」という質問に対しては、機会があれば副業してみたいと答えた方が31%、副業を具体的に検討していると答えた方が5%となっています。
会社の規約や時間があてられないなどすぐには行動できない方でも、「副業をしたい」と考えている方は20%を超えており、全体的に副業に対して前向きな回答が多く見られます。
エンジニアに副業をおすすめしたい理由
ITエンジニアの副業は、関わる仕事によって異なる環境で様々な技術に触れることができ、最新情報のキャッチアップや知見の習得、技術力向上へつなげることができます。
そのため、副業ができる職場環境にあったり余裕があったりするのであれば、自分への投資にもなるメリットが多く、副業はおすすめだと言えるでしょう。
エンジニアの副業種類
エンジニアの副業は大きく3つあります。ここでは案件の種類を解説していきます。
- 請負開発(受託開発)
- テスター
- 自分でサービスを開発
請負開発(受託開発)
企業からシステムやソフトウェアを開発を依頼され、要件定義から納品まで全て行います。請負開発(受託開発)は完成品を納品し、完遂した時点で報酬が発生します。
実績を積みやすく、企業側が満足する納品物を収められれば継続的に依頼をもらえる可能性が高いためおすすめです。全ての作業を一人でするため、幅広いスキルが必要になります。
テスター
簡単に言えば、プログラムが仕様通り動いているかどうか確認する仕事です。テスト計画を立て、設計、実行、報告など、品質管理・向上させる役割を担います。
開発スキルはもちろん必須ですが、細かな作業を黙々と行うため集中力が必要になります。
自分でサービスを開発
自分でアプリやサービスを開発し有料化することで利益を得ます。こんなものを作ってみたいといった構想を持っているなら趣味としても始めやすいでしょう。ただし、収益化がうまくいかない場合もあるため、固定報酬がほしい方には向かないかもしれません。
仕事の見つけ方
エンジニアのしごとの見つけ方は、大きく2つあります。
クラウドサービスを使う
- クラウドワークス
- ランサーズ
- ココナラ
クラウドサービスを使用した方法は、経験の浅い方や人脈がまだ少ないといったエンジニアに特におすすめです。案件数が多いため、初心者からプロまで幅広い案件があります。今後のスキルにアップに繋がるものを取捨選択できる点や案件を眺めているだけでも企業が求めるスキルがわかるのもポイントです。
クラウドワークス | |
特徴 | 業界最大数のクラウドソーシングサイト。エンジニア向けの案件も多く、初心者からプロレベルまでさまざまある。 |
おすすめ度 | ★★★★★ |
使いやすさ | 案件は豊富にあるため、副業初心者は登録しておくべき。実績を積むことでスカウトがくる。 |
サイト | https://crowdworks.jp/ |
ランサーズ | |
特徴 | タスク・プロジェクト案件の他に、自分が得意とするスキルの出品もできる。 |
おすすめ度 | ★★★★★ |
使いやすさ | ある一定の実績を残すと認定ランサーの称号を得られるため、スカウト率がアップする。 |
サイト | https://www.lancers.jp/ |
ココナラ | |
特徴 | 自分の得意を売り買いできるサイト。自身のスキルを出品することができる。 |
おすすめ度 | ★★★ |
使いやすさ | 自身で金額設定をするところが少し難しい。クライアントとのマッチングが成功しないと案件を獲得しにくい。 |
サイト | https://coconala.com/ |
クラウドワークス
クラウドソーシング業界最大手の副業サービスです。初心者からプロレベルの案件まで、幅広い副業案件が展開されています。副業初心者の登竜門的なサービスといえるでしょう。
ランサーズ
クラウドワークスと並ぶ大手クラウドソーシングサイトです。タスク・プロジェクト案件の他に、自分が得意とするスキルを出品しマッチした企業から依頼を受けることもできます。
ココナラ
自身のスキルを売ることに特化しているのがココナラです。エンジニアスキルはもちろんですが、占いや恋愛相談など幅広くスキルを販売することが可能です。スキルの出品額は自身で設定ができます。
つながりから仕事を受ける
- SNS(Twitter)
- 人脈
- コミュニティ
つながりから仕事を見つける方法もあります。以下からはそれぞれ詳しく解説していきます。
SNS(Twitter )
積極的に自分を売り出すことで、仕事の依頼を受ける可能性が高まります。SNSは拡散力も強く利用者も多いため、自分のスキルセットを積極的に公開していくことで、繋がりができたり仕事の依頼がきたりする可能性もあります。
人脈
特にIT業界のエンジニアは人材不足と言われており、周囲で人材を探しているケースが多くあります。普段から周りとコミュニケーションを取り信頼を得ることで、思わぬところから仕事の依頼を受ける可能性も高いです。
コミュニティ
エンジニアの勉強会やイベント、オンラインサロンなどに参加することもおすすめです。
技術者向けのコミュニティは平日の夜や休日など、日中本業があっても参加しやすい時間帯にも多く開催されています。SNSやWebサイトなどで告知されていることも多いので、アンテナを張り巡らせておきましょう。
エンジニアの副業事情
以下からは実際にエンジニアとして実際に副業をしている方に、案件内容や単価について伺いました。
事例1
- 案件内容: 簡易医療機器検証用アプリ開発(android)
- 作業時間: 80時間
- 単価: 80万円
- 必須スキル: androidアプリ開発、java言語
事例2
- 案件内容: コーポレートサイト制作(web)
- 作業時間: 80時間
- 単価: 100万円
- 必須スキル: HTML、CSS、JavaScript、WordPress、ディレクション
事例3
- 案件内容: メディア構築(web)
- 作業時間: 60時間
- 単価: 75万円
- 必須スキル: HTML、CSS、JavaScript、WordPress、ディレクション
エンジニアが副業を始めるときの注意点
以下では、エンジニアが副業を始める際に確認しておきたいことや注意したい点を解説します。
会社の就業規則を確認する
就業規則で禁止されている会社もあります。また、副業が許可されている場合でも届け出が必要な場合や、細かな規則が定められている場合もあるので注意が必要です。
副業してもよいかわからない、また自分では判断がつかない場合は、まずは上司に相談するのがおすすめです。
副業に費やせる時間を考える
前章で副業の実例について紹介しましたが、1案件の作業時間が十数時間を超える案件も多くあります。そのため、自分がどれくらいの時間を捻出できるのかを考えながら案件を選ぶことも大切になります。
本業に影響しない範囲で確保し、それに見合った案件を受注するようにしましょう。
エンジニアの副業はメリットが多い
エンジニアの副業はメリットも多く、会社で禁止されていない場合で時間に余裕のある方にはおすすめといえます。
また、将来的にフリーランスへの転向を考えているという方も、副業をする過程で人脈が広がるため、早めに始めるに越したことはないでしょう。
今回ご紹介した内容が、ご自身に最適な副業を見つける手助けになれば幸いです。