家の中にある使わなくなったものや、眠ったままになっているいただきもの…そんな不用品は「ヤフオク!」や「メルカリ」などのサイトを利用して個人でも簡単に売買ができます。
どちらのサイトも不用品を売ったり、必要なものを買ったりすることができるサービスですが、手数料などの費用面やユーザー層、商品の価格などにも違いがあります。
この記事では「ヤフオク!」と「メルカリ」について、サービスの特徴やそれぞれのメリット・デメリットなどについても徹底比較。不用品を効率よく売りたい方も、欲しいものをお得に購入したい方にも役に立つ内容となっています。
「ヤフオク!」と「メルカリ」の特徴
ヤフオク!とメルカリは私たちが気軽に商品を売買できるサービスですが、それぞれ特徴が異なります。
ヤフオク!とメルカリの特徴をくわしく見ていきましょう。
ヤフオク!の特徴

ヤフオク!は、Yahoo! JAPANが提供するネットオークションサービスです。
“オークション”なので、価格は出品者の決めた金額からスタート。商品を購入するには入札が必要で、仮に購入したい商品を先に入札者がいた場合には、現状の価格よりも高い金額で入札する必要があります。
商品には出品期間があり、期間が終了した際に1番高額で入札していた人が落札者、商品をゲットできるというシステムです。
ただし、出品者が「この価格だったら売ってもいいですよ」と意思表示をしている「即決価格」が設定されている場合は、その価格で入札することで商品をすぐに落札できます。
メルカリの特徴

メルカリは、2013年から株式会社メルカリによって提供が開始されたフリマアプリです。
こちらは“フリーマーケット”がそのままネットで開かれていると思ってよいでしょう。
商品は出品者が設定した価格を付けられて出品されています。表示されている価格で即決購入もできますし、出品者との交渉次第で値下げしてもらうことも可能です。
ヤフオク!とメルカリの違いは?
ヤフオク!とメルカリのポイントを簡単にまとめると次の通りです。
- ヤフオク!は購入者が値段を付けて、最高額を提示した購入者が商品をゲットする
→入札によりスタート価格から上昇していきます。
- メルカリは出品者が商品の価格を決め、納得した購入者が商品をゲットする
→値段交渉により価格が下がることがあります。
このような特徴の違いから、売れやすいもののジャンルや同じ商品の価格も異なってきます。
ヤフオク!・メルカリ|市場規模の比較
ヤフオク!もメルカリも不用品や中古品の売買を提供するサービスです。
2つのサービスの市場規模には、どのような差があるのか比較してみましょう。
2021年のヤフオク!の国内流通総額は9,168億円。対して2021年のメルカリの流通総額は8,470億円となっており、ヤフオク!に軍配が上がっているように思えます。(ともに決算説明資料より)
ただし、ヤフオク!の流通総額にはPayPayフリマやZOZOUSEDの流通額も含まれている点にも留意しておきましょう。
近年、メルカリは市場の規模がめざましく、ユーザーの利用頻度などを加味すると、実質的な差はそう大きくないようです。
ヤフオク!・メルカリ|ユーザー層の比較
ヤフオク!とメルカリでは主に利用しているユーザー層が大きく異なります。簡単に表にまとめてみました。
ヤフオク! | メルカリ | |
---|---|---|
ユーザー層 | 30~50代男性 | 20~30代女性 |
使用端末 | PC・スマホ | スマホ |
ヤフオク!はサービス開始が1999年とネット利用がPC中心だった頃から愛用しているユーザーも多く、ミドル世代の男性が中心です。
一方、メルカリのサービス開始は2013年。スマホやアプリが急激に普及した時代に現れたこともあり、スマホユーザーがほとんどで比較的若い世代の女性が多くなっています。
ヤフオク!・メルカリ|手数料の比較
次に、出品や購入に関わる手数料について比較してみましょう。
出品者側の手数料
ヤフオク!(プレミアム会員) | ヤフオク!(無料会員) | メルカリ | |
---|---|---|---|
月額利用料 | 508円(税込) | 無料 | 無料 |
出品手数料 | 8.8% | 10% | 10% |
ヤフオク!もメルカリも販売にかかる手数料に大きな差はありません。
ヤフオク!の場合、Yahoo!プレミアム会員なら出品手数料が若干割引されますが、月額利用料をペイするためには、月に約36,000円の売上が必要になる計算です。
購入者側の手数料
基本的に購入者側には手数料はかからず、商品の購入代金のみです。
ただし、決済方法によっては別途手数料が発生する場合があります。
ヤフオク! | メルカリ |
---|---|
・「Yahoo!かんたん決済」を コンビニ支払いする場合は決済手数料100円 ・車やバイク、不動産などの 特定カテゴリの場合は支払い方法、 振込金額によって手数料が発生 | 以下の決済方法の場合は手数料100円 ・コンビニ払い ・ATM払い ・キャリア決済 |
ヤフオク!・メルカリ|サービスの比較

ヤフオク!やメルカリで商品を売りたい場合は出品や発送の条件、そして購入したい場合は決済方法などが気になるところです。
出品・購入における項目を以下にまとめています。
ヤフオク!(プレミアム会員) | ヤフオク!(無料会員) | メルカリ | |
---|---|---|---|
出品個数 | 9 | 1 | 制限なし |
出品期間 | 13時間~7日後 | 13時間~7日後 | 期限なし |
着払い設定 | 〇 | ✕ | 〇 |
匿名配送 | 〇 | 〇 | 〇 |
決済方法 | Yahoo!かんたん決済 (特定カテゴリのみ、 その他の決済方法も可) | Yahoo!かんたん決済 | ・クレカ払い ・メルペイ ・Apple Pay ・FamiPay ・コンビニ払い ・ATM払い ・キャリア決済 |
大きな差は出品に関する条件にあります。
ヤフオク!が個数や期間に制限があることに対して、メルカリでは上限などはなく自由度が高いことが分かります。商品を複数出品したい場合は、メルカリを利用するといいでしょう。
なお、ヤフオク!では、プレミアム会員と非会員とで条件が異なるため、用途に応じて選択する必要があります。
ヤフオク!・メルカリ|どっちが安全?

大切な商品を売買をするにあたり、無事に取引が行える安全性は重要ですね。
ヤフオク!もメルカリも、売買を行うユーザー同士の信頼にゆだねられる部分があり、安全性については意見が分かれるところです。
万が一、取引でトラブルが生じた場合には返品やキャンセルなどの手続きが必要になります。
ヤフオク!は商品を発送してからのキャンセルができません。
キャンセルは発送前に行う必要があり、発送後に不良品などがあった場合、落札手数料や送料、返送にかかる費用や落札者への返金手数料なども発生します。
出品者のリスクに留意が必要です。
一方、メルカリは購入者側から「受取評価」をするまでキャンセルが可能です。
出品者が返品を受ける際には、出品者に返送料が発生しますが、メルカリ便を使用した場合の送料や販売手数料はかかりません。
出品者がキャンセルに応じやすいので、購入した商品にトラブルがあった際の不安が軽減されやすいサービスです。
ヤフオク!やメルカリでは、相手のプロフィールや評価などを参考にすることで、トラブルのリスクを軽減することができます。
また、出品者、購入者ともにプロフィールも充実させることも相手方に安全性を知らせることにもなり、出品者が商品説明をも洩れなく記載することで購入者の安心にも繋がります。
ヤフオク!・メルカリ|どっちが高く売れる?
出品者としては商品に少しでも高い値がついてほしいものです。
結論からいうと、レアものなど希少価値が高いアイテムはヤフオク!で出品した方が高く売れる傾向にあります。
ヤフオク!はコアな商品を求めるユーザーも多く、入札によって価格が上がっていくシステムなので商品購入に意欲的な取引が多いからです。
価値を充分にリサーチした上で、適切なサービスに出品することが高く売るコツです。
ヤフオク!・メルカリ|メリット
ここまで、ヤフオク!とメルカリについてサービスの特徴や手数料など様々な点を比較してきました。
サービスの特徴を踏まえた上で、それぞれのメリットを解説します。
【出品者側】のメリット
出品者側から見たヤフオク!・メルカリのメリットは次の通りです。
ヤフオク!
ヤフオク!の出品者側のメリットは次の3つ
- 高値で売れやすい
- プレミアム会員は出品手数料が割引
- フリマ出品も可能
オークションというシステム上、商品の価格が上がる傾向にある点は先ほど解説した通りです。
なお、プレミアム会員はメルカリと比較して出品手数料が1.2%安くなっているので、高額取引やビジネスなどで複数の商品を取り扱う場合には無視できないポイントでしょう。
「フリマ出品も可能」という点はヤフオク!ならではの特徴で、オークション形式だけでなくフリマ形式での出品もできるようになっています。
メルカリ
メルカリの出品者側のメリットは次の3つ
- 自分で価格を決めることができる
- 出品個数や期間の制限がない
- 中古品・ハンドメイドなどが売れやすい
メルカリは自分で販売価格を決められて、個数や期間の制限なく出品が可能です。
そして、若い女性ユーザーが多いという特徴から、使いかけの化粧品や子ども服の中古品なども売れやすく、ハンドメイド商品の人気も高いです。
【購入者側】のメリット

購入者側から見たメリットは次の通りです。
ヤフオク!
ヤフオク!のメリットは次の2点です。
- が安く手に入ることもある
- 終了期限までじっくり考えることができる
価格が上がりがちなヤフオク!ですが、タイミングによっては入札が混みあわずに、思いがけない安値で落札できることも。また、期間が明記されているので、オークションが終了するまでの間に購入を吟味することも可能です。
メルカリ
メルカリのメリットは次の2点です。
- すぐに購入できる
- 値下げ交渉が可能
メルカリは表示価格での購入を決めたらすぐに購入できるため、スピーディな買い物ができるのは大きなメリットといえるでしょう。
また、値下げ交渉もできるため、出品者との交渉次第でほしいものが安く手に入る可能性もあります。
ヤフオク!・メルカリ|デメリット

それぞれ利用のメリットが多いヤフオク!とメルカリですが、デメリットも存在します。ここでは双方のデメリットを確認していきましょう。
【出品者側】のデメリット
出品者側から見たヤフオク!・メルカリのデメリットは次の通りです。
ヤフオク!
- 出品個数に制限がある
- プレミアム会員は月額利用料がかかる
ヤフオク!は無料会員だと1品、プレミアム会員でも9品までしか出品ができません。
また、プレミアム会員になるには月額508円のコストが発生します。
メルカリ
- 値下げ交渉がある
- 相場が低い
メルカリでは値下げ交渉が可能なため、購入希望者からのメッセージも多く、対応に時間がとられてしまったり、商品によっては値下げしないと売れにくかったりします。
また、値下げ交渉が日常化しているので全体的に相場が低めで、場合によっては利益を得にくいという側面があります。
【購入者側】のデメリット
購入者側から見たヤフオク!・メルカリのメリットは次の通りです。
ヤフオク!
- 高値になる可能性がある
- 商品が届くまでに時間がかかる
ヤフオク!では、ほかに購入希望者がいると現状の価格より高値での入札が必要になるため、商品の価格が上がってしまいます。
悪質なユーザーがわざと価格を吊り上げるために何度も入札するという迷惑行為にも注意が必要です。
また、オークションなので終了までの待ち時間があり、落札から発送までの手順も多いため、手元に届くまでに時間がかかりがちです。
メルカリ
- 早い者勝ちなので他の人に買われてしまう
- ブランド品の偽物などもある
メルカリは表示価格ですぐ買えるため、値下げ交渉や購入を悩んだりしている間に、他の人に購入されてしまうことがあります。
また、メルカリに限った話ではありませんが、ヤフオク!と比較するとブランド品の偽物の出品が多く見られます。相場より安すぎるブランド商品には注意が必要です。
ヤフオク!・メルカリ|どんな人におすすめ?
ヤフオク!とメルカリを様々なポイントで比較してきましたが、実際どんな人の利用に向いているのでしょうか?これまでの内容を踏まえて、それぞれのサービスに適した条件を解説します。
ヤフオク!はどんな人におすすめ?
- 商品をなるべく高く売りたい人
- マニアックな商品を買いたい人
- 購入までじっくりと検討したい人
これまでも紹介してきたように、ヤフオク!は商品の価格が上がるシステムです。より高く売りたい、利益を多く得たいという人はヤフオク!がおすすめです。
購入の場合、マニアックな商品はメルカリよりヤフオク!で見つかる可能性が高いのでチェックしてみましょう。
メルカリはどんな人におすすめ?
- 安くてもいいので早く売りたい人
- 商品をたくさん出品したい人
- なるべく安く買いたい人
メルカリは価格が安いものは早く売れる傾向があります。
手元にあるものを早く処分したい場合に適しています。また、出品の個数制限がないので商品を複数出品したい人はメルカリを利用するといいでしょう。
商品をなるべく安く手に入れたい人も、値引き交渉ができるメルカリがおすすめです。
ヤフオク!・メルカリを利用するときの注意点

ここからは、ヤフオク!・メルカリを利用する際の注意点を解説します。トラブルや損をすることがなく安心して使えるように以下の点に気を付けましょう。
ヤフオク!を利用するときの注意点
まずはヤフオク!を利用する際の注意点を確認しましょう。
【ヤフオク!】出品者側の注意点
- 商品の情報や状態を丁寧に記載する
- 終了日時を注目が集まる時間に設定する
出品の際には商品の状態が分かるよう、写真や注意事項をもれなく記載することが重要です。
また、売るためには多くのユーザーに見てもらう必要があります。オークション終了前には閲覧が増えたり入札が続きやすいため、多くのユーザーがヤフオク!を開く週末や夜間に終了日時を調整しましょう。
【ヤフオク!】購入者側の注意点
- 商品・出品者の情報を確認する
- 予算を決めて購入する
商品を購入する際は、到着してから「思っていたのと違う…。」といったことがないよう、写真や情報をしっかり確認すること。
出品者のプロフィールから信頼できる相手かを判断することも大切です。
そして、値が上がっていくオークションでは引き際も重要です。入札合戦になって思わぬ高値で入札してしまう…などの失敗をしないため、事前に予算を決めるとよいでしょう。
メルカリを利用するときの注意点
次にメルカリを利用する際の注意点です。
【メルカリ】出品者側の注意点
- 商品の情報や状態を丁寧に記載する
- 値下げや送料も考慮して価格を決める
メルカリでもヤフオク!の注意点と同様、トラブルを防ぐために商品の状態や注意事項は丁寧に記載しましょう。
また、メルカリでは値下げ交渉が頻繁で送料は出品者負担が主流です。
出品価格はその点を考慮して決め、利益がマイナスにならないようにしましょう。
【メルカリ】購入者側の注意点
- 商品・出品者の情報を確認する
- 非常識な値下げ交渉はしない
- 受け取り評価はなるべく早くする
メルカリでも、トラブル回避のために商品の購入する際は写真や情報をよく確認しておきましょう。
また、メルカリは特に個人間での取引が主なのでマナーを守ることが大切です。
出品者に迷惑をかけてしまわないよう大幅な値下げ交渉は控え、受け取り評価も早くすることでスムーズに取引ができます。
ヤフオク!・メルカリ|使い分けのポイント
不用品の売買をするという共通点はあるものの、特徴やメリットなどにも違いのあるヤフオク!とメルカリ。
2つを使い分けて、よりお得に楽しく売買を行うポイントは以下の通りです。
また、どちらかのサービスに固執せずにふたつのサービスを活用して「ヤフオク!で売れなかったらメルカリに出品」、「メルカリで安く買えた掘り出し物をヤフオク!で出品」のように“ひと工夫”することで良い取引ができるでしょう。
まとめ
これまでヤフオク!とメルカリについて、サービスの特徴やメリット・デメリットなど様々なポイントを比較してきました。
大昔から、商売の世界には「三方よし」という言葉があります。これは「売り手」「買い手」「世間」のすべてが「よし!」という意味です。
ヤフオク!やメルカリはまさに、出品者、購入者が満足できてリサイクルにもつながる「三方よし」のサービスといえますね。
多くの人が気軽に自分の売りたい物・買いたい商品を取引できるヤフオク!とメルカリ。
それぞれのサービスと、あなたのスタイルや商品ジャンルがマッチしたとき、もっと満足のいく取引ができるはずです。