引っ越しや家具の買い替えなど、今まで使っていた家具を処分しなくてはいけなくなることがありますよね。
小さなものなら家庭ごみや燃えないごみとして処分が可能ですが、ベッドやタンスなど大きな“家具”は、そもそも運ぶのですら一苦労。
「どこに捨てればいいか分からない…。」
「無料で処分する方法はあるの?」
など、処分に困る方も多いのではないでしょうか。
この記事では、不要になった大型家具の処分について、次のことを解説します。
- 無料で処分できる方法はある?
- 処分費用の目安
- 大型家具処分7つの方法
不要になった大型家具を安く処分したい方、早く処分してスッキリしたい方に役に立つ内容になっています。
大型家具の処分は無料でできる?

大型家具は、基本的に無料での処分はできません。
無料、もしくはなるべくコストをかけずにできる処分方法としては、「人に譲る」という選択肢があります。
知人に声をかけてみたり、インスタグラムやX(旧Twitter)、ジモティーなどに、不要な家具の写真を掲載し、欲しい人を募ると、引き取ってくれる人がいるかもしれません。
知人であれば運搬も協力して行えるという利点もありますし、近い場所に住んでいる相手に譲る場合も、比較的スムーズに譲渡が進むでしょう。
しかし、すぐにもらい手が見つかるとは限りませんし、個人での取引にはトラブルも起こりがちといったデメリットもよく理解しておく必要があります。
引き取り手を待つほどの時間にゆとりがあるなら無料で引き渡せるかもしれませんが、引っ越しや新しい家具の搬入を控えている、もしくはもう新しい家具を設置している場合は早く処分してしまいたいですよね。
ところが、大型家具に関しては、可燃ごみの回収日にごみ袋に入れて出すことはできません。
誤った手順でゴミに出すと不法投棄になる可能性もあるため、自治体のルールや家具の種類によって定められた方法を参考にして処分する必要があります。
つまり、大型家具を「無料で捨てる」というのは、とてもハードルが高そうです。
大型家具の処分費用の目安
部屋のスペースをとる不要な大型家具は早めに処分をしたいものですが、処分を依頼するためには一定の費用がかかります。
ここからは、大型家具の処分にかかる費用を解説します。
中型~大型家具の処分にかかる費用
主要な中型〜大型家具の処分費用の相場を、以下にまとめました。
大型家具 | 処分費用(自治体) | 処分費用(各種業者) |
---|---|---|
食器棚 | 400~2,000円以上 | 3,000~8,000円 |
タンス | 400~2,000円以上 | 3,000~10,000円 |
TV台 | 400~2,000円以上 | 1,000~3,000円 |
ベッド | 1,000~2,000円以上 | 3,000~10,000円 |
ソファー | 500~2,000円以上 | 3,000~8,000円 |
テーブル | 400~2,000円 | 2,000~5,000円 |
椅子 | 200~800円 | 1,000~5,000円 |
デスク | 400~3,000円以上 | 2,000~10,000円 |
本棚 | 400~2,000円 | 3,000~10,000円 |
鏡台 | 400~1,000円 | 3,000~10,000円 |
上記はあくまでも目安のため、それぞれの家具のサイズや材質によって異なりますのでご注意ください。
また、自治体や回収業者によって金額も幅があるので、この限りではありません。
自治体の処分費用
大型家具を自治体の粗大ごみとして処分する場合、数百円~3,000円程度の費用がかかります。
大型家具の多くは『処分対象品』となりますが、大きさや重さにより、費用が異なります。
例えば、食器棚ひとつでも単身者~2人暮らし向けの小さめのものと、ファミリー向けの大型のものでは処分費用が変わってきます。
あらかじめ処分したい大型家電のサイズを測ったうえで、自治体のホームページを見たり、電話で問い合わせるなどして確認しましょう。
また、自治体によっては処分場へ直接持ち込むことも可能です。
その場合には処分費用が安くなる家具もありますが、予約が必要な自治体もあるため、事前に確認することをおすすめします。
各種業者の処分費用

不用品回収業者や引っ越し業者などの民間の業者に処分を依頼する場合は、自治体に比べて割高になってしまいます。
- トラックなど車両費
- 出張費
- 運搬作業費
- 家具の処分費用
自治体と違い、上記のような諸費用が合算されているため、1点の処分でも金額が大きくなりがちです。
とはいえ、業者によっては以下のようなメリットもあります。
- 処分したい大型家電が複数個ある場合は単価が安くなる可能性がある
- おまとめセットなどのお得なプランを提供している
- 自宅まで引き取りに来てくれる
- 即日で回収してくれる
しかし、昨今では何かと理由をつけられ、見積もりより大幅にアップした料金を請求されるなどのトラブルも多く見られます。
業者に処分を依頼する場合は、
- 複数の業者から見積もりを取る
- 大型家具のサイズ・設置されている状態・自宅の環境などを細かく伝える
- 業者のホームページなどをチェックしておく
などしてトラブルを未然に防ぎましょう。
住んでいる住居によっては追加料金がかかる
大型家具の処分を業者に依頼する場合、住んでいる住居によって追加料金が発生する可能性があります。
追加料金がかかるのは以下のようなケースです。
- 玄関から出せない家具で、解体が必要
- 階段やエレベーターを使わなければならない
- 吊り降ろしでの搬出が必要
- 車両進入禁止区域や駐車禁止区域などで、回収車両が近づけない
- マンションなどで時間帯の制限があったり、管理人や管理会社の許可が必要
このような状況の場合は、業者に依頼する際に住居の状況を詳しく伝えておきましょう。
業者の判断でスタッフの増員や専門機器の手配が必要になり、結果的に追加料金が発生する可能性があります。
特殊な家具は専門的な廃棄が必要
ピアノなど、粗大ごみでも不用品回収業者でも引き取りが難しい大型家具は、専門の業者への依頼が必要です。
通常の処分が難しい大型家具の例をいくつかご紹介します。
ピアノ

ピアノを『粗大ごみ』として処分できる自治体はほとんどありません。
個人では運べないことも多いため、ピアノの取扱いの専門業者や不用品回収業者に処分を依頼するのが一般的です。
ピアノの専門業者に依頼する場合、ピアノの状態を見て買取してもらえることもあり、プラスになる可能性があります。
また、専門業者なら解体や運搬などの経験も豊富なので、安心してお任せできます。
不用品回収業者でもピアノの処分を請け負っていますが、費用面や処分方法に関して注意が必要です。
- ピアノの大きさによって、解体費や運搬費の追加料金がかかる場合がある
- 悪徳業者などが不法投棄される可能性がある
実際にこういったトラブルの発生も報告されているため、業者選びは慎重に行いましょう。
耐火金庫

金庫は専門業者もしくは不用品回収業者に処分を依頼しましょう。
耐火金庫はその製品の特長上、燃えにくく破砕しにくいものです。
気泡コンクリートやスチールなど、特殊な素材でできているため、一般ごみや粗大ごみとして回収できないルールとなっています。
処分のトラブルを避けるためには、経験や実績ある信頼できる業者を見極める必要があります。
複数の業者に見積もりを依頼し、比較検討するのもひとつの方法です。
洗面化粧台

洗面化粧台は、自治体によっては粗大ごみとして1,000円程度で処分が可能です。
しかし、洗面化粧台を建築廃材として扱っている自治体では、粗大ごみとして出すことはできません。
その場合は、自治体の許可を受けている廃棄物処理業者に処分を依頼しましょう。
無許可で回収を行っている業者は、正規の手順で処分を行わない可能性もあるので、注意してください。
自治体によっては信頼できる業者を紹介してくれることもあります。
また、ホームページに廃棄物処理業者を掲載している自治体もあるので、確認してみましょう。
大型家具 | 依頼先 | 費用相場 |
---|---|---|
ピアノ | ピアノ買取業者 不用品回収業者 | 電子ピアノ:10,000円前後 アップライトピアノ:30,000円前後 グランドピアノ:50,000円前後 |
耐火金庫 | 金庫専門業者 不用品回収業者 | 5,000~30,000円 |
洗面化粧台 | 自治体 廃棄物処理業者 | 自治体:1,000~2,000円 廃棄物処理業者:30,000~50,000円 |
大型家具の処分方法
ここからは、大型家具の処分方法をご紹介します。
なるべくコストをかけない方法や早く処分が可能な方法など、それぞれメリットが違うので、7つの処分方法の中からご自身に合った方法を選んでくださいね。
お住まいの自治体の粗大ごみとして出す

自治体の粗大ごみとして出すのは、ほかの方法に比べて比較的安価で大型家具を処分できる方法です。
対象品目であれば、数百円~3,000円程度で処分が可能です。
粗大ごみとしての処分
粗大ごみとして出す場合、申し込みや回収券の購入が必要です。
自治体によって多少の違いはありますが、一般的な流れは以下の通りです。
- 電話やインターネットで、粗大ごみの回収を申し込む
- 粗大ごみの種類や大きさによって定められた金額の回収券を購入する
- 回収券を粗大ごみに添付し、回収日に所定の場所に出す
粗大ごみとして処分するメリットは、手間が少なく費用も安く済むことが挙げられます。
一方で、デメリットとしては、回収日が決まっているため、その日まで処分を待つ必要があることです。
特に年末や3~4月の引っ越しシーズンなどは処分の依頼が多く、直近の回収日にも回収してもらえない可能性もあります。
また、所定の場所まで自分で運ぶ必要もあるので、アパートやマンションなど階層のある建物では大変な労力です。
また、素人がムリに運ぶことにより、建物の壁やエレベーターにキズを付けたりするリスクも考慮しましょう。
地域によってはごみ収集センターに直接持ち込む

自治体によっては、ごみ収集センターに直接持ち込みが可能です。
運搬の手間はかかりますが、回収を待つより早く処分できる利点があります。
また、直接持ち込みをすると回収より費用が安くなる場合もあるため、処分したいものが複数あるとコスト面のメリットも大きいでしょう。
持ち込みの場合も、自治体によってルールが異なりますので、以下の点を確認しておきましょう。
- 持ち込み処分の受付を行っているか
- 予約は必要か
- 収集センターの運営時間や受付日程
まずは、これらを自治体に問い合わせてみましょう。
なお、大型家具は乗用車での運搬が難しいため、運ぶものによっては軽トラックのレンタルなども検討する必要があります。
家具を解体してゴミ袋に入れて出す

解体できる大型家具であれば、自分で解体して可燃ごみとして出すという方法があります。
多くの自治体では、一番長い辺が30cm以上のもの(自治体や材質によっては40cmや50cm以上の場合もアリ)を粗大ごみに区分しています。
そのため、30cm以内に解体ができれば、ごみ袋に入れて出すことも可能です。
工具などが必要な場合が多いので、怪我には注意して解体してくださいね!
メリットは回収日を気にしなくてよいことや、処分費用がほぼかからないことです。
一方、デメリットは解体にはかなりの時間や労力がかかることや、可燃ごみの分別や出し方に注意が必要なことです。
また、解体により有害な物質が出る可能性があるものなどは無理に解体するのは控え、他の処分方法を検討してください。
ショップの家具回収サービスを利用する

家具の買い替えによって大型家具を処分したい場合、新しい家具を購入したショップで回収サービスを利用できることもあります。
主要な家具店の不要家具回収サービスについて、まとめました。
(2023年9月現在の税込み価格)
ショップ | 費用 | 条件 |
ニトリ | 4,400円 | 購入した家具と同容量もしくは同数 |
無印良品 | 4,000円 | 購入した家具と同種かつ同数 |
IKEA | 無料 | ソファ・マットレスのみ |
東京インテリア | 2,000~5,000円 | 購入した家具と同等・同数 |
回収サービスを利用するメリットは、以下になります。
- 新しい家具の搬入と同時に古い家具を引き取ってもらえる
- 専門業者が適切に処理してくれる
処分するまでいらない古い家具を置いておくストレスや、先に処分したことで新しい家具が届くまで不便な思いをするなどの心配がいりませんね。
デメリットは以下になります。
- 費用が高いこと
- 店舗によってはサービスが提供されていない
- 利用に制限がある
- 必然的に自宅への配送サービスの申し込みが必要になるので、購入家具の配送料がかかる可能性がある
新しい家具を購入する際に必ず回収を依頼したい旨を伝え、利用可能か確認しておきましょう。
リサイクルショップに売却する

リサイクルショップへの売却は、場合によっては利益が出る処分方法です。
処分費用がかからないどころか、プラスになる可能性があるのはうれしいですね。
自分で運べない大型家具は、出張買取を行っているリサイクルショップに依頼してみましょう。
ただ、ショップの都合によりすぐには対応できない場合もあるので、処分の期日が迫っている場合などは要注意。
余裕をもって依頼することをおすすめします。
デメリットは、状態が悪ければ引き取り拒否される場合があることや、出張買取りを行っていない店舗には自分で運ぶ必要があることです。
フリマアプリなどで売却する

フリマアプリでの売却も、利益が出る可能性のある処分方法です。
自分にとってはいらない家具でも、誰かにとっては必要なものかもしれません!
ごみとして処分されてしまうより、必要としている人に再利用してもらえる方がうれしいですよね!
リサイクルショップと違って、自分で売り値を決められるのがフリマアプリの最大のメリット。
しかし、送料を負担することを計算して設定しないと、「せっかく売れたのに、送料を支払ったら赤字に…」なんてことも。
あらかじめ送料を調べたうえで、マイナスにならないように売り値を設定しましょう。
フリマアプリの一番のデメリットは、出品から売却までの手間がかかることです。
写真を撮ったり品物の説明を記載したり、場合によっては値下げや購入者とのメッセージのやり取りなども必要になります。
また、すぐに売れるとは限らないため、処分の期日がある際には不向きです。
不用品回収業者に回収してもらう

不用品回収業者は、一般的な家庭で出る大型家具のほとんどを回収してくれます。
スタッフが解体や運搬など処分に関わる作業をすべて行ってくれるため、自身の負担は少なく楽に処分できます。
デメリットは大きく3つあります。
- 【費用が高い】1点でも数千円から1万円程度、複数ある場合は10万円を超すこともあります。
- 【不法投棄をする業者がいる】
- 【契約後に追加料金を課す業者がいる】安価な見積もりで契約をとり後から追加費用を加算して請求する悪徳業者もいるため、注意が必要です。
各自治体で紹介されている業者や、ホームページがしっかり作られている経験豊富で信頼と実績のある業者を選びましょう。
【引っ越し時】引っ越し業者に処分してもらう

引っ越しを機に不要な大型家具が出た場合は、引っ越し業者に処分を依頼することもできます。
引っ越し作業と同時に引き取ってもらえるため、面倒な作業が一気に片付きます。
ただし、
- 費用が比較的割高になってしまう
- そもそも引き取りを行っていない引っ越し業者もある
- 見積の段階で事前に申請が必要な場合もある
など、引っ越しの見積を依頼する際に確認しておきましょう。
なお、引っ越しの予算を考えるときには、同時に家具や不用品の処分にかかる費用も考慮することをおすすめします。
まとめ
この記事では、不要になった大型家具について、処分の方法や費用について解説しました。
ここまでチェックしてきたように、大型家具の処分には様々な選択肢があります。
大型家具の大きさや種類、自治体によって、適切な処分方法は異なります。
中にはピアノや金庫など、業者に依頼しなければならないものもあります。
無料での大型家具の処分は難しいので、コストをかけずに処分するなら可能な範囲で家具を解体したり、貰い手を探す方法もありますが、時間と労力はつきものです。
自治体に粗大ごみとして引き取ってもらう、センター持ち込んでなるべく安く済ませるなどの方法もありますが、思いがけないケガや破損のリスクは考える必要がありそうです。
一方で、コストはかかるかもしれませんが、家具処分というハードルの高い作業をプロに依頼することで、時間や労力を大幅にカットし、安心、安全を確保する方法もあります。
処分する家具、予算やリスクなどを考慮して、ご自身に合った方法を選びましょう!
どんな方法で処分するにしても、これまで愛用してきた大型家具だから、処分するその時にイヤな思いをすることなく「ありがとう」と見送ってあげたいものですね。