ユーザーファーストに懸ける想いをFablicの土屋さんに聞いてきた – フリマアプリ「フリル(FRIL)」の裏側 –

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今年3周年を迎えたフリマアプリの「フリル(FRIL)」。アプリ自体は無料で利用ができ、出品手数料が主な収益源となっています。
フリルは元々、10代後半から20代前半くらいの若い女性向けに作られたフリマアプリで、当初女性しか利用ができませんでした。しかし3周年を迎えたことを機に、アプリのリニューアルが行われ、男性も利用できるようになったということは記憶に新しいのではないでしょうか?
この2015年7月のリニューアルをきっかけに、他にもヤマト運輸の発送サービスである「ネコポス」が全国一律料金で利用可能になる等、様々な進化を遂げています。

そこで、『モノの価値』や『モノの取引』にフォーカスするこのオクトピで、まさに”CtoC”の『モノの取引』を扱っている「フリル」の運営会社、株式会社Fablicの土屋さんにアプリの裏側について色々聞いてきました!

今回ご協力いただいた方

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  • 土屋信博さん
  • 株式会社Fablic シニアマネージャー
  • ECナビやコナミデジタルエンタテイメントを経て、2014年にFablicに入社。
    シニアマネジャーとして、ビジネスデベロップメント・マーケティング領域を担当。

徹底したユーザーファースト姿勢 リニューアルにも反映

Q. 2015年7月のリニューアルでの”男性開放”には、どういった意図があったのでしょうか。

実は男性にもフリルを開放したのは、既存の女性ユーザー様からの要望が多かったからなんです。「いつも使っているフリルで彼氏の服を買いたい」とか、「旦那が面倒くさがりなので、着なくなった服を代わりに私が出品したい」という声が意外と多くてリリースに至りました。

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▲完全に女子向けの
ピンクを基調としたデザインが…

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▲広い層に受け入れられる
白を基調としたデザインに。

Q. 女性ユーザーからのニーズがあったというのは驚きです!特に問題などはありませんでしたか?

もちろん、女性限定がいいという声も一部ありました。ただ、いざ男性に開放してみたら、思っていたほどは反発がなかったというのが実際のところです。

男女問わないような商品が売れやすくなったという声もあります。

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▲スポーツブランドを中心に
メンズ向け商品も出品されていました。

Q. 男性解禁の裏には女性ユーザーの方の声があったとのことですが、やはりユーザーの方の声は重要視されているのでしょうか。

そうですね。ユーザー様の声を聞いて何をするかを決めるというのが基本にあります。
自分たちで良さそうだなと思っても、ユーザー様が「その機能は全然使っていない」ということであれば、意味がありませんよね。
ユーザー様からの意見をこちらで揉んで、改善を繰り返しています。

Q. ユーザーの方に理由を聞くというのは、例えばユーザーインタビューなどでですか?

はい、チームによっても変わってきますが、月に数回は行っていますね。リニューアル前には回数も多くなりました。このオフィスに来ていただいたり、逆に向こうに伺うこともあります。

Q. かなり多いですね!インタビューする方はどうやって集めているんでしょうか?

アンケートを取る際に「ユーザーインタビューにご協力いただけますか?」という設問を入れたり、聞いてみたい項目を条件に抽出して個別で案内を送ったりしています。
協力していただける方が多く、「フリルをよくしたい!」という想いを持っていただけているのかな、という印象です。好きで使ってくれているんだなあと。

Q. それほど熱烈なファンを獲得するのに、秘訣などはありますか?

フリルでは「安心・安全」を追求しているからこそ、良質なユーザー様がついてくれているのだと思います。
また、相手の顔が見えないCtoCのネットサービスでは「安心・安全」というところが大前提だと考えています。

「フリル」ではどういった形で 「安心・安全」を追求しているのか

Q. ネット上の個人間取引だと、偽造品や詐欺など、ネガティブなイメージを持たれがちでもあります。具体的にどういった対策をしているのでしょうか。

フリルでは出品物をチェックするパトロールを強化していて、10人くらいのチェック体制で動いています。
方法としては大きく3つあって、一つは目視。2つめはユーザー様からの通報。3つめはシステムで自動的に判別するというのがあります。

例えばブランド物のバッグで、新品だと普通は15万円くらいするものなのに、新品で8000円で出されていたらおかしいですよね。
ある程度そういった商品を判別するための傾向が見えてきていますので、人力とシステムの二段構えで対応しています。

ある高級ブランドの担当者の方も「フリルには偽造品がほとんどないのでコンタクトを取らなくていいと思った」と言っていたほど、フリルの偽造品出品率の低さには定評があるようです。

Q. 「安心・安全」というところで言うと、リニューアルで男性に開放することに不安を覚える方もいらっしゃったのでは?

もちろん男性には商品を販売したくない、というユーザー様もいらっしゃいます。
そこで、性別を表示したり、購入申請の取捨選択を可能にする機能を追加したりしました。

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Q. フリルの「安心・安全」を支えているのはどういったところですか?

それはサポートの部分が大きいと思います。
変なものが出品されないとか、変な取引があったときにはしっかりとサポートするというところに力を入れているので、結果として「安心・安全」につながったのかなと。

サポートの体制がしっかりできているという自負があり、男性が参入してきても、ちゃんとカバーできるという自信があったから意思決定できたんです。

Q. サポートに関して、そこまでの自信があるのはなぜでしょうか?

実はサポートスタッフは、ユーザーから採用するという手法をとっているんです。
やっぱり利用している人でないとわからないような細かいことがあったりだとか、背景を読み取る力というのが長けています。ユーザー出身のサポートスタッフはそういった細かい対応ができているなと思いますね。

Q. ほかに「安心・安全」のための取り組みがあれば教えて下さい。

独自で「フリルあんしん補償」という補償サービスを始めました。
これまでは購入者に対しては運送会社からの補償がある程度はあったんですが、出品者側には何もありませんでした。
ただ、出品してくれる人も大事なので、そちらに対しても「安心・安全」を提供したいなと。上限金額までであれば、出品者に対しても補償をするし、購入者に対しては購入代金をそのままお返ししますという内容です。

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▲「ネコポス」は本来、法人や
個人事業主が直接ヤマト運輸と
契約しないと使えないサービス。

Q. 発送に関して、今後の取り組みも強化されていくのでしょうか?

補償サービスの他にも、匿名配送やコンビニからの配送という要望に応えるために、ヤマトさんともやっていけたらいいねということで話しています。ネコポス自体、「フリマサービスだけに提供」というのを前面に打ち出しているので、ヤマトさん自体も意識しているのかなと思います。ネコポスのサービスを開始してから、営業所にこれまで来なかったような若い人もよく持ち込みで来るみたいです。

ダウンロード数は400万を突破! CM効果でユーザー層も拡大

Q. フリルは今年で3周年を迎えたサービスですが、ユーザー層の変化などはありましたか?

そうですね、去年の10月にCMをやってから層が広くなりました。それまでは10代後半から20代前半がメインユーザーだったのですが、今は20代がメインで、30代も結構増えてきています。

Q. まさにユーザー数そのものが増えているという感じですね。アプリのダウンロード数はどのくらいになったのでしょうか

ダウンロード数も400万を超えてきて、去年のCMをやる前に比べると2倍くらいになりました。

Q. 2倍!!それはすごいですね!男性ユーザーの方も増えたのでしょうか?

元々女性限定のときも、間違ってダウンロードしてしまった方などが多少いましたが、オープンになったことでやはり増えました。ただ、男女比はまだまだ圧倒的に女性のほうが多いです。

Q. 男女比に関するKPIはあるのでしょうか?

男性比率に関してはあまり明確にKPIがあるわけではないです。ただ、「ファッションに特化している」ということを考えると、理想的なのはZOZOTOWNさんのような6:4くらいです。将来的にそのくらいを目指していければ良いと思います。

今も男性向けに出稿等はしていますが、女性ユーザー様が男性ユーザー様を連れて来てくれるパターンというのが大きいです。

Q. CM以外で「この施策は大きかった」というものはありますか?

ブランドごとにタイムラインを設定したことですね。元々ブランド別で商品を見る人が多くて、それをタイムラインに反映させる形で改善しました。
それによってそのブランドのものがより売れやすくなったというのはありますね。

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▲自分の好きなブランドを登録すると
タイムラインにブランドごとの
商品が表示される

「フリル」はこれからも “ファッション特化”

Q. “ファッションに特化したフリマサービス”という軸を変えないのはなぜでしょうか?

モノ、ジャンルがたくさんあるというのももちろん良いとは思うのですが、やはり「ファッションアイテムを探す」等目的が決まっていると、ある程度限られたジャンルに絞ったほうが使いやすいですよね。
ファッションの分野で男女共に使いやすいサービスにしていけたらなと思っています。

Q. 「ファッション」「フリマ」ならではの出品や購入に関する特徴って何かありますか?

購入でよくあるのが、質問欄への値段交渉などです。
「もうちょっと安くして欲しい」などの質問やコミュニケーションは積極的にとったほうが良いですね。やはりフリマなので。
「これとこれ買うので安くしてください」といったまとめ買いなどは、出品者と購入希望者という個人間での取引になるので、出品者側もコミュニケーションに対して丁寧に対応していくのが重要です。

あとは、上下の組み合わせなどで販売している「コーデ売り」というのもあります。

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▲これがそのコーデ売り
ファッションらしいです。

Q. オークションでは「コーデ売り」はあまり見かけないですが、その違いは何だと思いますか?

ファッションに特化しているからこそかなと思います。出品者、購入者双方がファッションに興味があるようなユーザー様が多い結果でもありそうです。
売れる商品としても幅が出ますね。

Q. 確かにファッションに対して意識の高そうな人が多いイメージがあります。
「コーデ売り」のような、売る時とか買う時のコツというのは、ユーザーの方に告知していたりするんですか?

ガイドや定期的に配信しているお知らせブログに出しています。
出している情報としては、写真の撮り方だったり、商品説明文の書き方といったものです。

みなさん結構勉強熱心で、こういう撮り方がよさそうとか、勉強してくださっているみたいです。
例えば、「背景を英字新聞にする」とか、「小物を入れる」などです。

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▲商品を引き立たせるための
写真の撮り方にも一工夫!

Q. 実際に土屋さんが「フリル」で購入したモノは何かありますか?

僕は子供服買いました!子供服が安いんです。
子供が二人いるんですが、やはりすぐ大きくなってしまうので、サイクルがかなり早いんです。しかも子供服って小さいのに結構値段が張りますし。
これは1500円くらいで買えました。

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子供のズボンって安めのお店でも800円くらいしたりするのに、これなんかは350円で買えました。

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▲急にテンションが上がる土屋さん。

では、土屋さんの中でのオススメのカテゴリはやはり子供服ですか?

そうですね。子供服のカテゴリは特にオススメです!
あとは「ハンドメイド作品」もクオリティが高くておすすめです。

Q. ワークショップを開くなど、ハンドメイドにも力を入れているイメージですが、それは他と差別化を図るためなのでしょうか?

やはりファッションを主軸にしている中で、「他の人と同じものを持ちたくない」というような人もいますし、お店では2000円くらいするようなものでも、ハンドメイドであれば少し安く購入することもできます。そういったところで需要があるので、強化していければなとは思っています。

ハンドメイドに特化したアプリもありますが、そういうところの場合は家具とか雑貨とかもあったりして、出ている商品もかなりレベルが高い。だから値段もそれなりにしますよね。うちの場合はもう少しライトな感じでやろうかなとは思っています。購入者とか出品者の層が違うのかなというのもありますね。

最後に

Q. ずばり、フリルが選ばれる理由はなんでしょう?

「トラブルが少ないから」とか「ファッションアイテムが豊富だから」とか、そういうところだと思います!
先にお話した「安心・安全」に力を入れていますし、”ファッション特化”という軸はぶらさないでいこうとは思っているので。

Q. オークションの層が流れたというよりは、新しい層ができたという感じでしょうか?

そうですね。多分売れているものも、オークションサイトとは結構違うんではないかなと思います。ブランド品はオークションで売れるけど、カジュアルやファストファッションブランドのアイテムはフリマアプリのほうが相性がいいのかなという話しもありました。あとはオークションはレア物等が多くて、「フリル」はもっと普段使いできるようなアイテムが多いのかなと。

でも今はまだフリマの認知も高いという感じはあまりしないですね。イオンに来ている人たちがみんなフリマアプリを知っているかというと、知らない人も多くて。あとは「持っているモノが売れる」ということを知らない人も多いですね。そういうところで「より知っていただく」というはこちらのミッションでもあるのかなと思います。

Q. 最後に一言お願いします!

フリルでの出品は本当に簡単にできるので是非!

まとめ

「男性開放は既存女性ユーザーからの要望が強かった」というのと、「コーデ売り」の販売手法に驚きました。

誰しも「買ったけど全然着てない…」という服を1着くらいは持っていると思うので、この機会に出品してみてはいかがでしょう?

余談ですが、最後のほうで土屋さんがおっしゃられている“売る”という文化を定着させるというところは、オークファンとしても目標としているところです。オークファンでは“レンタル消費”とか“リセールバリュー(再販価値)”とかって言葉を使っています。
こういった同じ方向を向いている企業のお話は大変参考になりました。

Special Thanks

株式会社Fablic シニアマネージャー
土屋 信博さん

サービス:ファッションフリマ「フリル」

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