遺品整理とは、故人の大切にしていた物と向き合い、残せる物は残して不要な物は処分をすることです。
しかし、突然のことなので、整理する時間が取れなかったり、人手が足りなかったりと、遺品整理が十分にできないことも多くあるのが現状です。
そこで、遺品整理業者に依頼する人も増えています。
ところが、ネット上には遺品整理業者とのトラブルの話や「遺品整理業者が悪徳でやばい」といった口コミも多く、怖くなってしまいますよね。
そこで今回は、遺品整理業者の選び方について以下の点を詳しく解説します。
- 遺品整理の意味や遺品整理の時期
- 遺品整理にかかる費用の相場
- 遺品整理をプロの業者にお任せした方が良い理由
- 遺品整理業者の選び方
- 遺品整理を成功させるためのポイント
遺品整理業者の選び方について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
遺品整理について知ろう
遺品整理の業者を探す前に、まずは遺品整理の概要を知りましょう。
遺品整理とは、「故人の残した物を整理すること」です。
整理には、以下の2つに分ける作業があります。
- 取っておく物
- 処分する物
そして、処分方法は次の2パターンがあります。
- 廃棄をする場合
- 買取りを依頼する場合
ここからは、遺品整理の意味や遺品整理をする時期について詳しく解説します。
遺品整理とは
遺品整理は、故人が生活に使用していた物や大切な思い出の品を片付ける作業です。
整理する物の量や種類はそれぞれ異なりますが、人が生きている間使っていた物の量は意外に多く、遺品整理にはある程度の時間が必要となります。

遺品整理をする意味
遺品整理をする意味は、『資産の把握と故人と向き合って気持ちを整理するため』と言われています。
故人が残した遺品を整理しながら、故人と向き合ったり思い出を振り返ることにより、気持ちを整理できます。
遺品を整理していると、故人との楽しかった思い出などがよみがえり、辛い気持ちになるタイミングもあるかもしれません。
しかし、遺品を整理せずに残したままにしてしまうと、心が前に進めることができません。
また、故人が賃貸に暮らしていた場合は退去の手続きも必要になるため、ある程度迅速に遺品整理を進める必要があります。
遺品整理をする時期
遺品整理は、明確に時期が決まっているわけではありませんが、区切りがよいとされる
- 四十九日
- 百日法要の後
- 一周忌の後
に行うことが一般的になりつつあります。
故人が亡くなってすぐに遺品整理を行うよりも、時間が経ってからの方が気持ちも少し落ち着いて、保管や処分の判断も正しく行えます。
親族が居る場合は、トラブルを回避するため親族や相続人が一同に集まるタイミングに遺品整理を行うようにしましょう。
遺品整理にかかる相場
実際に遺品整理を業者に頼む場合、気になるのが費用ですよね。
ここでは、部屋の広さに合わせて遺品整理にかかる費用の金額相場を解説していきます。
部屋の広さ | 相場料金 |
1R・1K | 3万円~8万円 |
1DK・2K | 5.5万円~12万円 |
1LDK・2DK | 7万円~16万円 |
2LDK・3DK | 10万円~20万円 |
3LDK・4DK | 12万円~24万円 |
4LDK・5DK | 19万円~27万円 |
一般的に、以下のことから、部屋が広いほど費用相場は高くなります。
- 部屋が広いと物が多い
- 整理に必要な人員が多くなる
- 整理に時間がかかる
- 整理をした後の処分する物の量が多くなる
相場の料金に差があるのは、業者や地域差よりも、処分量になります。
4LDKなど広い部屋であっても、物が少なかったり元々整理されていて処分品が少なかったりすると費用はその分安くなります。
プロの業者におまかせした方がいい理由
遺品整理には、自身や親族で行うか、プロの業者に依頼するかの2パターンの方法があります。
結論からお伝えすると、遺品整理はプロの業者にお任せした方がよいです。
その理由を詳しく解説します。
素人には遺品として重要なものがわからない
故人が残した遺品には、生前の生活で使っていた日用品から大切にしていた形見となるもの、それ以外にも美術品や骨董品など価値のあるものが含まれていることもあります。
素人が遺品整理を行う際、どれを残してどれを処分するべきか的確な判断ができずに片付けが進まなくなります。
その点、プロの遺品整理業者であれば、経験や知識を活かして適切な判断をしてくれます。
部屋の掃除や処理が大変
遺品整理で1番大変なことは、故人の持ち物の仕分けではなく部屋の掃除や不用品の処分です。
業者に頼らずに自身や親族だけで対応しようとすると遺品の仕分けだけでも相当な時間がかかり、部屋の掃除まで辿りつけません。
その点、プロの遺品整理業者であれば、遺品整理の後に簡単な部屋の清掃を行ってくれますし、処分が必要な遺品の対応もおまかせできます。
遺品整理は想像以上に時間がかかる
いざ遺品整理を始めると、想像以上に多くの物を選別して、形見分けから不用品処分までする必要があります。
そのため、思った以上に時間がかかってしまい、仕事をしていたり家事をしたりしている方には負担が大きいでしょう。
遺品整理の業者に依頼をすれば、数時間から長くても1日で完了します。
特に、退去日を決めなければいけない賃貸住宅の整理にはプロの業者がおすすめです。
業者なら遠方対応もしてくれる
遺品整理が必要な家が近所であれば移動負担はありませんが、それが遠方だとどうでしょうか。
移動時間により整理する時間が減ってしまったり、交通費がかかってしまいますよね。
プロの業者におまかせすれば、遠方の場合事前に必要な作業内容を打ち合わせし、依頼主は現地に行くことなく遺品を整理できます。
遺品整理業者の選び方
遺品整理を業者に頼もうと思っても、何を基準に選んでよいかわからないですよね。
ここでは、遺品整理業者を選ぶ際のチェック項目や見るべきポイントを解説します。
ホームページや公式サイトを必ずチェック
遺品整理の業者を選ぶ際は、公式サイトを必ずチェックしましょう。
公式サイトをチェックする際は、以下の点に注目してみてください。
- 最終更新日が古すぎないか
- 遺品整理士の資格を持っているか
- 料金や作業内容が明確に記載されているか
- 会社情報が詳しく明記されているか
- 遺品整理士の資格保有者が在籍しているか
中でも、『5.遺品整理士の資格保有者が在籍しているか』は必ず確認するようにしましょう。
遺品整理士は、遺品の取り扱い手順や遺品整理に関わる法規制等の知識を、正しく身に付けた者が得られる資格です。
また、ただ遺品を整理するだけでなく、故人の使用していた品を供養するという観点の知識も学んでいるため、遺品を供養する想いを込めて丁寧に作業してくれます。
そのほか、会社情報に代表者やスタッフの顔写真が掲載されている業者の方が信頼できる会社の可能性が高いです。
業者を選ぶ際は、一度は必ず業者名で検索し、実際に利用した人の口コミや評判がないか探してみましょう。
事前に見積書をもらう
依頼したい業者が見つかった際は、必ず見積書を出してもらいましょう。
見積書は、遺品整理の作業内容に関わる重要な書面です。
見積書を出してもらった際は、以下の点は最低限チェックしておきましょう。
- 企業名や担当名、会社所在地、連絡先などの明記
- 金額
- 別途料金の記載
- 作業項目の中に不明な名目がないか
- 小さな文字で注意事項が記載されていないか
また、責任者が現地調査を行って出した書面かどうかも確認するようにしましょう。
追加料金に関する記載があれば詳細を確認し、不明な点がない状態で依頼をするようにしてくださいね。
相見積もりをして料金を比べる
遺品整理の料金は依頼する業者によって金額が大きく変わってきます。
そのため、複数の業者に相見積もりをして料金を比べることで、以下のメリットがあります。
- 正規の値段かどうかを確認する
- 相見積もりを使って価格が安くなる可能性がある
- 信頼できる業者を見つけられる
遺品整理の見積もりは、電話をかける以外にもポータルサイトからボタン1つで依頼できるものもありますし、トラブルを避けるためにも相見積もりを取った方が安心です。
また、電話やメールで見積もりを依頼する場合、電話の対応が丁寧かどうかやメールのレスポンスの速さなどをチェックできます。
丁寧な対応やレスポンスの速さ、遺品整理業者を探している遺族への配慮などを行える業者であれば、遺品整理の作業自体も丁寧に行ってくれそうで安心ですよね。
どこまで清掃してくれるのかを聞いておく
見積もりをもらうタイミングで、実際の契約を行う前にどこまで清掃をしてくれるのか細かく確認することも重要です。
こちらが当たり前と思っていた項目が、実は作業内容に含まれていないこともあります。
以下の点を確認しておきましょう。
- 希望する作業があることを事前に伝えておく
- 探し出してほしい物や処分してほしい物がある場合は事前に伝えておく
- どこまで清掃できるのか(ふすまの中やトイレ、お風呂の清掃など)
- 見積書に小さな字になっている箇所も読みこむ
- 別途費用がかかる作業があるのか
見積りの確認後に契約してしまうと、その後取り消せない場合もあるので、しっかりヒアリングしておきましょう。
遺品整理を成功させるために抑えておきたいこと
大切な故人の遺品整理を成功させるためのポイントを費用面とトラブル対策面で分けてお伝えします。
遺品整理の費用を抑えるポイントを確認し、高額になりがちな遺品整理の費用負担を削減しましょう。
また、よくあるトラブルの内容と対策を知っておくことで、トラブルを未然に防ぎましょう。
遺品整理の費用を抑えるポイント
まず、遺品整理の費用を抑えるためのポイントをお伝えします。
ポイントを抑えて、高額になりがちの遺品整理の費用負担を減らしましょう。
できるだけ近場の業者に頼む
「全国どこでも対応します」という遺品整理業者は多くありますが、遠くの業者に依頼した場合、交通費や出張料金が料金に上乗せされてしまいます。
そのため、遺品整理が必要な家から近場の業者を探した方が費用を安く抑えられる可能性が高いです。
遺品整理を依頼する際は、ネットや電話、メールを使ったやりとりがほとんどで、対面する必要がありません。
そのため、自宅の近くではなく遺品整理が必要な家から近い業者を探しましょう。
売却できそうなものは売る
不要な物をすべて処分するのではなく売却できそうな物は、事前にリサイクルショップなどに売却し遺品整理の費用の足しにできます。
遺品整理中によく出てくる、売却できそうな品物は以下の例が挙げられます。
- 比較的新しい家電や家具
- 趣味でコレクションしていたアイテム
- 貴金属など高価な装飾品
- 美術品や骨董品
素人では価値がわからない物も多く、遺品の中には思わぬ金額で買取が可能なケースもあります。
また、古物商許可証の免許を持っている遺品整理業者は整理と同時に不用品の買い取りも対応してくれます。
遺品整理と買い取りを同時にお願いできれば、リサイクルショップまで運んだりインターネットで売却する手間がかからず便利ですね。
事前に荷物を減らしておく
遺品整理の料金は、部屋の広さと荷物の量で決まります。
可能な場合は、遺品整理業者が入る前に少し片付けたり明らかに不要な物は処分しておきましょう。
業者スタッフの作業時間が短縮され運び出す不用品の量を減らせるため、結果的に料金を抑えることに繋がります。
別料金になるものをチェックしておく
見積もりまたは契約の前にチェックしておくべき項目の1つに別料金になるものやオプションのチェックがあります。
よくある別料金やオプションの項目は以下です。
- ハウスクリーニング
- 遺品の供養やお焚き上げ
- エアコンの取り外し
- 自動車やバイクの処分
- 形見分けの梱包や配送手配
自動車やバイクなどは、状態がよければ売却も可能でしょう。
別料金の項目やオプションの内容は業者ごとに内容も料金もさまざまです。
そのため、事前に必要なオプションを確認し、業者に料金や対応内容を細かく確認しておく必要があります。
よくあるトラブルと対策を知っておく
料金を抑えるポイントについては参考になりましたでしょうか。
次に、遺品整理を業者に依頼する際によくあるトラブルと対策をご紹介します。
トラブルの内容と対策を事前に確認し、トラブルに巻き込まれないようにしてくださいね。
料金トラブル
1番多いトラブルは料金に関する問題です。
「事前の見積もりに含まれていない料金を請求された」「相場の何倍もの不当な料金を請求されて支払ってしまった」など、料金に関するトラブルは遺品整理では頻繁に起こります。
料金トラブルに巻き込まれないためには、見積もり書や契約書の内容の細かいところまで確認する、公式サイトなどをよく確認し信頼できる業者に依頼をするなどが挙げられます。
また、実際に業者を利用した方の口コミを探して評判がよい業者に依頼をするというのも1つの手です。
業者に窃盗されるケース
遺品整理業者が人目のないところで窃盗を行うケースです。
故人の残した貴重品や金属、またはタンスなどに隠されたヘソクリの現金などが盗まれたというトラブルの報告は多くあげられています。
窃盗のトラブルに遭わないためには、遺品整理業者が入る前に貴重品や現金などは事前に改修しておくなどの対策ができます。
そして何より、やはり信頼できる業者を選ぶということも重要になります。
遺品の買い取り額が安すぎるケース
窃盗という形ではなく、遺品の買い取り額が極端に安かったというトラブルもあります。
遺品の中には、素人には価値の判断が難しい物が多く、買い取り額を聞いてその場で納得したものの後で調べてみたら買い取り額の何倍もの値段だったというケースです。
少し手間はかかってしまいますが、こういったトラブルを避けるためには、専門家への査定の依頼や、別途に買い取り依頼する対策が有効です。
大切な品が遺品整理業者に勝手に処分されるケース
遺品の中には、故人との思い出が詰まった品など親しい人にしかわからない価値がある品が含まれています。
そのため、大切な品が遺品整理業者に勝手に処分されてしまうことがあります。
このトラブルを避けるためには、前もって捨てずに捜索してほしい品や遺品の仕分けの要望を見積もりの段階で伝えておくなどの対策が必要です。
不法投棄されるケース
遺品整理業者が不法投棄をし、依頼主まで罪に問われるというトラブルが起きたケースがあります。
通常、遺品整理で出た不用品は業者が自治体の指定した場所に処分費用を支払って廃棄します。
しかし、悪質な業者の場合は処分費用を浮かせたいなどの理由で山など人目のつかない場所に不法投棄する場合があります。
悪質な遺品整理業者に依頼をしてしまうと、依頼主も罰則の対象となることがあります。
このようなトラブルに巻き込まれないために、信頼できる業者を見分けて依頼をすることが大切です。
まとめ
遺品整理業者を選ぶポイントや料金相場、料金を安く抑えるためのポイントなどを解説してきました。
遺品整理業者を選ぶ際に気をつけるポイントは以下です。
- 公式サイトに記載されている会社概要や作業内容など詳細を細かくチェック
- 事前に見積もりを出してもらい複数社の相見積もりを取る
- 依頼をする前に実際に利用した人の口コミをチェック
- 遺品整理業者が入る前に貴重品などは自身で回収しておく
ほとんどのエリアで遺品整理業者は複数あり選ぶのは大変ですが、ここで挙げたチェックポイントなどの情報を活用し、あなたに合った業者を見つけてくださいね。