行政書士の資格に合格したけれど「サラリーマンでも行政書士は副業で務められるの?」「行政書士は副業禁止って本当?」など、お悩みではありませんか?
今回は、一般企業のサラリーマンとして働きながら行政書士を副業で務める難しさを具体的に解説した上で、行政書士法をわかりやすく説明し、これから行政書士の資格取得を目指す方におすすめの勉強法をご紹介します。
この記事を読めば、副業で行政書士の資格を活かしたい方の疑問点をすべて解消し、行政書士資格を最大限に活かすための働き方が理解できるでしょう。
記事の監修
弁護士 河瀬 季
東京大学 法科大学院 卒業。モノリス法律事務所 代表弁護士。
イースター株式会社代表取締役。株式会社KPIソリューションズ監査役。株式会社BearTail最高法務責任者。
行政書士を副業で担うことは難しい?
行政書士とは、簡単に説明すると行政の手続きを代行する法律の専門家です。たとえば、行政書士法に基づき官公庁に提出する書類を作成代行してくれるなど、仕事内容は多岐に渡ります。
行政書士になるためには、国家試験に合格した上で、日本行政書士連合会の行政書士名簿に登録をする必要があります。しかし、あなたが現在、一般企業に勤めながら休日や空いた時間に行政書士として副業を行おうとしているのであれば、注意が必要です。
なぜなら、各都道府県の行政書士会の規則で行政書士または行政書士法人以外の企業・個人に行政書士として雇われることが禁じられているからです。ただし、就業先の企業から行政書士の開業者として一部業務を受注し、会社員としての給与と別に報酬を受け取ることは認めれています。
なぜ行政書士は副業で務めにくいのか、以下の章で具体的に説明します。
行政書士を副業で務めるのは難しい理由
この章では、行政書士を副業で務めるのが難しい理由について、細かく解説していきます。
もしあなたが行政書士の資格を活かし、週末や空いた時間だけで副業に取り組もうとしている場合は、必ずご参照ください。
行政書士法に違反する可能性がある
行政書士として活動するにあたり、行政書士は全員「行政書士法」という規則を遵守しながら活動しなければなりません。副業禁止の規則はありませんが、必然的に会社員との兼業は困難な規則が存在します。
もしあなたが現在、一般企業の会社員として務めているならば、場合によっては無意識に行政書士法を違反してしまう可能性があるので注意しましょう。
以下では、副業で行政書士としての活動を検討している場合、把握すべき行政書士法を3つ解説します。
行政書士法 第11条
行政書士法 第11条では、以下のように定められています。
つまり、行政書士としての依頼があった際に、行政書士側の身勝手な理由で依頼を断ると行政書士法違反になるというものです。
週末や土日の空いた時間しか稼働できないとなると、依頼主の要望に応えられない可能性が懸念されます。そのため、一般企業の会社員が行政書士を兼任することは困難だと考えられるでしょう。
行政書士法 第12条
行政書士法 第12条では、以下のように定められています。
行政書士として活動する上で、依頼主の秘密は必ず守る義務があります。そのため、仮に休憩時間中であっても、会社員としての勤務時間内に行政書士としての活動を行うことは情報漏洩の観点で困難です。
秘密保持の義務は、弁護士法や司法書士法でも義務付けられており、兼業を制限する規定として理解しておかなければばりません。
行政書士法 第13条
行政書士法 第13条では、以下のように定められています。
冒頭でご説明した通り、行政書士になるためには、国家試験に合格した上で、日本行政書士連合会の行政書士名簿に登録をする必要があります。
さらに、行政書士名簿に登録すると、行政書士として必ず仕事を引き受けなくてはなりません。つまり、資格を取得するだけで一件も仕事を引き受けないことは行政書士法で禁じられているのです。
そのため、行政書士名簿に登録した時点で開業同然のため、あなたが副業禁止の企業に務めている場合は就業先からも行政書士会側からも規則違反の扱いと見なされます。
現実的な稼働時間の確保が困難である
あなたが仮に前述の行政書士法にすべて該当しない場合でも、一般企業の会社員として平日フルタイムで稼働している場合は、現実的に稼働時間の確保が困難でしょう。
なぜなら、官公署など書類提出先の営業時間は平日8時~17時の間である所が多いからです。一部、夜間や休日対応の窓口を設けているケースもありますが、毎回あなたの都合通りに依頼主のスケジュールを調整することは難しいでしょう。
行政書士として働くなら専業がおすすめ
前章にて、副業として行政書士を務めることは非常に困難である旨を解説しました。
もしあなたが行政書士として活動したいのであれば、専業をおすすめします。なぜなら、行政書士名簿に登録する時点で仕事を引き受ける義務もある上に、行政書士の資格を維持するためには、毎月6,000~7,000円の月会費を支払う必要があるからです。
せっかく国家資格に合格して会費も支払うのであれば、行政書士としてのキャリアを積み、信頼を獲得していく方が将来的な収入アップも見込めるでしょう。
これから行政書士を目指したい方の流れ
行政書士になるための国家試験は、一般的に難易度の高い資格であるため、集中して勉強する必要があります。
以下では、これから行政書士の資格取得を目指す方に向けて、資格取得までの流れをご紹介します。
行政書士の仕事内容
行政書士が資格に基づき取り扱える書類は、10,000種類を超えると言われており、仕事内容も多岐に渡ります。
行政書士の仕事内容は大きく分けて以下の3種類です。
- 法人または個人の行政書類の作成
- 法人または個人の行政書類の提出・手続き代行
- 法人または個人の行政書類作成に纏わる相談
つまり、行政書士は、法人または個人が行政に提出するための書類や手続きに関する相談を行った上で、必要に応じて書類作成や提出、場合によって手続きを代行できます。
複雑な行政手続きへの知見を活かし、網羅的に業務を代行できるため、依頼主から非常に頼りにされる存在といえるでしょう。
行政書士になるための勉強方法
行政書士は誰でも資格を受験することができますが、試験を受けなくても行政書士の資格を得られる場合もあります。
たとえば、以下いずれかの資格を所持し、職務に就いている方は行政書士の試験を受ける必要がありません。
- 弁護士
- 弁理士
- 税理士
- 公認会計士
- 行政事務に携わる公務員(就労歴:17~20年以上)
しかし、上記に該当しない場合は、行政書士試験を受けるための試験を受けなくてはなりません。
行政書士試験は8科目あり、「法令等5科目」と」一般知識等3科目」の2分野の筆記試験で構成されています。
また、回答方法は以下いずれかです。
- 多肢択一方式
- 肢択一方式
- 記述方式
教材・参考書で独学で受験することもできますが、行政書士試験は合格率6~10%と狭き門です。そのため、勉強時間の確保がとても重要だといえるでしょう。
行政書士資格の通信講座を徹底比較
下記表では、行政書士資格の取得に役立つ通信講座を比較してご紹介します。
難易度の高い国家試験は、独学で合格を目指すにはハードルが高いでしょう。
プロが効率よく学ぶ方法を教えてくれる通信講座を比較しました。
| ユーキャン | 伊藤塾 | 資格のキャリカレ | |
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| 受講費用 | 一括払い:58,000円分割払い: 3,910円×15回(総計:58,650円) | 258,000円 | 一括払い:39,600円(税込)分割払い: 1,910円×24回 |
| おすすめ度 | ★★★★★ | ★★★ | ★★★★ |
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それぞれの講座の特徴について、詳しくご説明します。
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行政書士は専業で活躍を目指そう
副業で行政書士を務めようと検討中の方に向けて、行政書士法や兼業の難しさ、行政書士試験の勉強方法について具体的にご紹介しました。「サラリーマンと行政書士の副業は難しそう」「試験に受かるためには効率的な学習が重要だな」など、思うところはさまざまなのではないでしょうか。
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あなたにとってこの記事が、行政書士として最大限の社会的信頼と収入を獲得するためのサポートとなれば幸いです。

